ドローン:御嶽山の不明者捜索に導入

毎日新聞 2015年07月30日 19時52分

 昨年9月に噴火した御嶽山(長野・岐阜両県、3067メートル)の行方不明者の捜索で、長野県災害対策本部は小型無人機・ドローンを導入した。滑落などの危険が伴う捜索区域を動画撮影し、不明者を捜す。

 ドローンは幅約90センチ、高さ約60センチ、重さ約7キロ。県警が交通事故鑑識に利用しているものを利用した。機体とカメラの操縦、モニターでの映像確認と3人が同時に操作する。上空30メートルから約5センチ四方の文字も識別可能だ。ヘリからは難しい岩陰なども確認できる。

 捜索初日の29日は不明者が滑落した可能性がある登山道・八丁ダルミの北東側の谷など約200メートルを2回飛行し、計12分間撮影した。ただ操縦者の視野の範囲での飛行に限られ、急な霧で飛行を中断したり、気流で高度が急に下がったりと、3000メートル級の高山だけに平地にはない困難も伴った。機体に降灰もあったという。

 撮影した映像の中に岩肌とは異なる色などが確認された。県によると、ドローンは既に災害現場の把握などで運用されているが、捜索活動に導入されるのは前例がない。操縦担当の県警交通指導課の青沼正悟警部補(46)は「悪用される話題が先行するが、有効活用し情報収集に努めたい」と話した。【稲垣衆史】

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