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RHYMESTERがもの申す 「ダサい」方向に進む現状に異議アリ
インタビュー・テキスト:柴那典(2015/07/30)
「美しく生きる」ということ。
それが、結成26年目を迎え新たな挑戦へと踏み出したRHYMESTERが新作で向き合った大きなテーマだ。しかもそれは、単なるライフスタイルの提示ではない。「丁寧に暮らす」みたいなことじゃない。「正しさ」への信奉が不寛容や狭量さに転じる社会の趨勢に対してのアンチテーゼとして打ち出されている。わかりやすく言うならば、戦争に向かう風潮をどう止めるか。プロテストソングとしてのヒップホップが鳴らされている。
レーベル移籍、過去最長の制作期間を経て、通算10枚目のアルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』を完成させた彼ら。トラックメイカーには近作を支えてきたBACHLOGICに加え、新世代のヒップホップシーンを支えるPUNPEE、長い付き合いだが実は初の共作となるKREVAが参加。コンセプチュアルな全14曲に「ほろ苦く、しかしだからこそ美しい」人生の様々なシーンが切り取られている。今回のインタビューでは、アルバム制作の背景やそこに込めた思いだけでなく、2015年の日本が向かう先を三人はどう捉えているのか、そして音楽は社会を変える力を持ち得るのかについても、話を交わした。
RHYMESTER(ライムスター)
宇多丸(Rap)、Mummy-D(Mr. Drunk、マボロシ:Rap / Total Direction / Produce)、DJ JIN(breakthrough:DJ / Produce)からなるヒップホップグループ。別名「キング・オブ・ステージ」。1989年グループ結成。1993年アルバム『俺に言わせりゃ』でインディーズデビュー。ライブ活動を中心に支持を集め、1999年リリースの3rdアルバム『リスペクト』のヒットで日本のヒップホップシーンを代表する存在に。 2001年活動の場をメジャーに移し、2007年には日本武道館でのワンマン公演を成功させた。その後グループとしての活動を休止したが、2009年シングル『ONCE AGAIN』で再始動。また、宇多丸のラジオパーソナリティとしてのブレイクなど、ソロでの活動とボーダレスな活躍も特筆に価する。2015年、ビクターエンタテインメントへの移籍と主催レーベル「starplayers Records」の設立を発表。5月10日は初となる野外音楽フェス『人間交差点』の開催、大盛況のうちに終えた。7月29日は移籍後初となるアルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』をリリース。
RHYMESTER
「いつから日本はこんなことになっちゃったんだ」と感じていて。「Beautiful」というのはこの状況へのプロテストたり得るメッセージだ、と。(宇多丸)
―アルバム『Bitter, Sweet & Beautiful』のテーマは「美しく生きる」。これはどういう経緯で生まれたものなのでしょう?
宇多丸:そのキーワードは最初からあったんだよね。まず集まって飲みながらどういうアルバムにしようかざっくばらんに話したんだけど、アダルトでメロウな感じの音でいきたいっていうのと、もう1つはヘイトスピーチの問題が取り沙汰されるようになった時期というのもあって、「いつから日本はこんなことになっちゃったんだ」と感じていて。そういう風潮に対するカウンター、大きく言えば不寛容というものに対する有効なカウンターとは何か、と。そういう現実を踏まえた上で、酸いも甘いも込みで、せめて美しく生きようとすることはできる、みたいなことは言えるんじゃないかって。
Mummy-D:美しく生きようというのも、別に崇高な美しさとかじゃなくて、「ダサいのはダメだよ」くらいの意味なんだよね。「きらびやかな生活、グラマラスなライフを送ろうぜ」という意味ではない。ヘイトスピーチもそうだけど、「それはダサいじゃん」って。「せめて美しくあろう」と。その「せめて」がつくんだけど、それだけは間違ってないはずだよね、というコンセプトは最初からあった。
JIN:自分自身、正しさとか正義の危うさについて考えることもあったので、「美しくあろう」という話が出た時には、「そうそう!」と思いましたね。実際はタイトル曲(“Beautiful”)がほぼ最後にできた曲なんですけど、そういう経緯も含めて太いコンセプトだったんだなと思います。
―「美しく生きる」というのがカウンター精神の発揮である、と最初から意図としてあったんですね。
宇多丸:吉田健一(英文学者。吉田茂元首相の息子)の「戦争に反対する唯一の方法は、各自の生活を美しくして、それに執着することである」という、ピチカート・ファイヴの小西康陽さんが作品(アルバム『戦争に反対する唯一の手段は。- ピチカート・ファイヴのうたとことば -』(2002年)、著書『ぼくは散歩と雑学が好きだった。 小西康陽のコラム1993-2008 』(朝日新聞社))で引用していた言葉についてもその時点で考えていて。「Beautiful」というのはこの状況へのプロテストたり得るメッセージだ、と。実際に曲を作ったのはその後だし、途中で迷ったこともあったけど、最終的にその時のテーマ通りのアルバムになったと思います。
―途中で迷ったこともあった、というと?
宇多丸:その話し合いのあとにレーベルの移籍が決まったんですよ。だから、「移籍第1弾がそういう変化球な作品でいいのかな、もっとわかりやすくRHYMESTERっぽい感じがいいのかな」という考えもあって。でも、やっぱり、これでいいと。
―結果的に、そのコンセプトが、アダルトでメロウというサウンド感とも親和性があった。
Mummy-D:そうだね。音の「Beautiful」とテーマの「Beautiful」が重なり合った。
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