【ロンドン=共同】インド洋のフランス領レユニオン島で航空機の翼の残骸が漂着しているのが見つかり、欧米メディアは29日、昨年3月に消息を絶ったクアラルンプール発北京行きのマレーシア航空機の可能性があると報じた。米紙ニューヨーク・タイムズ電子版は、米航空事故調査当局者が、残骸は不明のマレーシア機と同型の部品であると結論付けたと報じた。
英BBC放送によると、他に不明になっている同型機はないといい、残骸がマレーシア機の一部である可能性が高まった。
フランス当局が検証しているほか、マレーシアのリオウ運輸相も29日、確認のため調査チームを派遣したと明らかにした。オーストラリア運輸安全局幹部は地元メディアに対し「24時間以内にも(不明の)マレーシア機かどうか確認できるだろう」と述べた。
残骸は長さ約2メートルで、主翼の揚力を調節する「フラップ」とされる。想定されている同機の墜落区域からかなり離れているが、同幹部は、インド洋での海流モデルの検証とも矛盾しないとの考えを示した。
マレーシア航空は30日、声明を出し、関係当局と確認に努めているとした上で、「現時点でフラップがどこから来たのか推測するのは時期尚早だ」とした。
地元警察は、1年間ほど水中にあったように見えると説明し、フジツボが付着していたとの情報も報じられている。残骸の部品には番号が付けられているとされ、識別は容易とみられる。
マレーシア機には乗客乗員239人が乗っていた。各国当局は衛星記録などの分析から、同機が南シナ海上で針路を変更、逆方向のインド洋に向けて飛行を数時間続け、墜落したと推定している。
リオウ、マレーシア、デーリー・テレグラフ