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シゴトノオト
シゴトがうまくいくヒントがありそう!人気のコノ人に「シゴト」について聞きました
月曜更新
みうらはるま 1990年4月5日生まれ、茨城県出身。俳優として数多くの映画・ドラマに出演。2013年のドラマ『ラスト・シンデレラ』では、大人の女性をとりこにする謎めいた男性を演じ、視聴者の心を虜にした。『僕のいた時間』(14)では難病のALS(萎縮性側索硬化症)と闘う主人公を演じ話題を呼んだ。同年は映画『永遠の0』で日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞。舞台での活躍も目覚ましく、キャリアを着実に積み上げ、実力派俳優としての人気を定着させている。
求められるものに、応え続けたい
求められたものを、越えていく
それが三浦春馬、らしさ
10代から主演級俳優として活躍し、常に第一線を走り続けている三浦春馬。
近年ではドラマ『ラスト・シンデレラ』のセクシーな大人の演技が話題をさらい、
『僕のいた時間』ではALSと闘う青年役で、高い演技力を世の中に印象づけた。
映画『永遠の0』での、日本アカデミー賞優秀助演男優賞の受賞は記憶に新しい。
確固たる役者魂という武器を持つ。俳優、三浦春馬の新たな「進撃」、開始。
体幹を鍛え
ワイヤーアクションに挑む
『進撃の巨人』はもともと漫画の大ファンでした。映像化するという話を聞いたときには、一視聴者の目線で、誰が演じるのか楽しみにしていました。まさか自分が主人公・エレンを演じるなんて想像もしていなかったので、お話をいただいたときには「本当に僕でいいのだろうか?」と思ったくらいです。実感がわいてきたのは、初めて台本を読んだときです。
「立体機動兵」として空を飛びまわりながら、巨人を倒していく姿を想像をすると「早く撮影に入りたい」とワクワクしてきました。ワイヤーに吊られた状態で芝居をするのも初めての経験でした。巨人と戦う激しいアクションシーンが映画のみどころのひとつだと思ったので、原作の漫画を読み返し、アニメーション作品も何度も見てイメージを膨らませました。その中で、俊敏な動きに順応するためには、体を支える筋肉が重要だと感じました。そのためにトレーニングで体づくりを開始しました。ワイヤーアクションにおいては、体の外側の筋肉ではなくコアを強くしたほうがよいと教わったので、体幹が鍛えられるようなトレーニングを重ねました。その結果、難しいアクションシーン、監督のニーズにも対応できたように感じています。
見えない敵との戦いは
自分との戦い
巨人の姿はCGですから、撮影中は見えない敵と戦うことになります。ブルーバックや相手のいない中でのお芝居があまりない経験だったので、感情のコントロールに少し苦労したのを覚えています。撮影中、巨人は目の前にいないので、頭の中で想像をします。人物を相手にお芝居するより、緻密な計算が必要になったような印象です。完成した作品を見るまでは「CGが加わったときに、今の芝居で大丈夫か?」という不安もありました。おそらく役者全員が漠然と感じていたんじゃないかと思うのですが、監督の描いた絵コンテや監督やスタッフ、キャスト陣で現場で話し合い、想像力を補完し合って緊張感を高めていったことが、本当に助けになりました。完成した作品を見たときに、初めて自分の芝居は間違っていなかったんだと、ホッとしました。撮影中は巨人と戦いながら、自分との戦いでもあるような感じがしていて……。とてもいい経験をさせていただきました。
広い世界に視野を向け
深い興味を抱ける大人に
『進撃の巨人』は、巨人が侵入してこないように、高い壁に囲まれた閉鎖的な都市が舞台になっています。僕が演じたエレンは、その街で育ち、壁の外の世界に人一倍憧れを持っています。僕もエレンのように広い世界を見たい、新しいことに挑戦していきたいという気持ちを常に持ち続けています。エレンとの違いは、自分の意思で世界を見に行くことができることですね。今年1月パリに行った際、初めてモン・サン・ミッシェルを訪れました。自分と離れたところにこんなに美しい世界があるのか……、海上にそびえる修道院はとても神秘的で、僕にとっての「新世界」でした。それ以来、世界遺産や自然が生み出す幻想的な景色、美しいものを積極的に見ていきたいという気持ちがますます強くなりました。
新しい経験のすべてがシゴトや自分の成長のためになるとは一概には言えないと思いますが。ただ、未来につながるかもと想像をすることはあります。たとえば、いつか子どもを授かったときに、自分が体験した話を伝えることのできる素晴らしさ。子どもだけじゃなく、誰かに伝えることで自分の勉強になる瞬間があるかもしれない。僕は、広い世界に視野を向けて興味を持ち続けられる大人になりたい。今からいろんなものを見て、自分の中に生まれた感情を温めておきたいですね。以前はシゴトをするにあたって自分が演じる役のバックボーンを調べたり、職業についての知識を頭に入れたりすることを「勉強しないといけない」と考えていました。ですが、年齢と経験を重ねるうちに、いつの間にか「勉強したい」「勉強が楽しい」という考えかたに変化してきました。「世界を見たい」というのもその変化に伴って、生まれた想いです。時間を重ねて、吸収し、考えかたが変わるたびに、自分の中でシゴトがどんどんおもしろくなってきていると感じています。
Ⓒ2015 映画「進撃の巨人」製作委員会
Ⓒ諫山創/講談社
全世界累計5000万部を突破した大ヒット漫画『進撃の巨人』が実写化。長谷川博己扮するシキシマやピエール瀧が演じるソウダなど、原作にはない新キャラクターの登場にも期待が高まる。「緻密につくられたストーリーの中にときどき出てくるユーモアが、秀逸なスパイスとなって物語をさらに面白くしています」と主人公・エレンを演じる三浦春馬さん。
■出演:三浦春馬、長谷川博己、水原希子、石原さとみ、ピエール瀧、國村隼 ほか