南北が統一基盤を構築するためには住民間の同質性の回復が重要な課題となるが、南北間の異質化現象はますます深刻になっていることが分かった。南北間で住民の考え方と生活様式がここまで大きく異なってくると、南北の真の統合は困難になり、潜在的な統一費用が増加することも懸念される。
ソウル大統一平和研究院が今月2日に明らかにしたところによると、政治・社会・文化など分野別に南北の同質化の程度を数値化した「南北統合指数」は、昨年末現在で過去最低水準まで落ち込んだ。統合指数は2007年の272.2点(1000点満点)をピークに年々下落し、14年の指数は暫定で190点だった。同院のキム・ビョンヨン副院長は「南北間の交流が急激に冷え込んだことで、南北の異質化現象はますます深刻になっている」として「民族の同質性が損なわれ、北朝鮮の社会主義的な考え方が(住民に)染み付いてしまうと、『統一大当たり論』を実現するのは難しくなる」と指摘した。
昨年の南北協力基金の使用実績を見ると、民族共同体の回復という分野での支出は383億ウォン(現在のレートで約42億円、以下同じ)で、07年の4267億ウォン(約466億円)の8.9%にとどまった。南北間の相互訪問者数も07年は5万9122人だったが昨年には3454人まで落ち込んだ。社会文化協力事業は07年の47件をピークに急減し、12年以降は全く行われていない。
朴槿恵(パク・クンヘ)大統領は昨年の新年会見で「南北の住民があまりに長い間、異なる体制下で暮らしているため、果たして同じ民族なのだろうかと思うほど異なってしまった」として「同質性の回復」を核心課題に掲げたが、北朝鮮が応じないなどの理由により実質的な成果を上げられずにいる。現代経済研究院のイ・ヘジョン研究委員は「南北間の信頼を回復して統一基盤をつくるためには、イデオロギー的な対立が起きにくい『同質性の回復事業』を優先的に進めるのが望ましい」として「まずは言語・歴史・文化・スポーツから始め、保険・環境・教育・法律などの各分野で研究をはじめとするさまざまな準備が必要だ」と指摘した。