日本経済新聞は29日付紙面で、ロッテグループのオーナー辛一族の日本の通名を使い、「重光一族の乱」と表現した。日本ではロッテが辛一族の韓国企業ではなく、日本企業として受け止められている。
辛東彬(シン・ドンビン)ロッテグループ会長は日本に家族と自宅を持ち、辛東主(シン・ドンジュ)元ロッテホールディングス副会長も日本で長期にわたり活動したため、「日本国籍ではないか」といううわさも立った。しかし、創業者の辛格浩(シン・ギョクホ)総括会長、辛東彬会長、辛東主元副会長という父子はいずれも韓国籍だ。
1922年生まれの辛格浩総括会長は18歳の時に日本に定着したが、韓国籍を守ってきた。日本で生まれた息子2人は一時韓国と日本の二重国籍だったが、現在はいずれも韓国籍だ。辛東彬会長は1996年に日本国籍を放棄した。辛東主元副会長もロッテ七星飲料などが韓国金融監督院に提出した株主構成に関する資料に韓国籍として記載されている。
オーナー一族の国籍は韓国だが、ロッテグループの支配構造の頂点には日本に設立された企業がある。辛格浩総括会長は韓国政府が樹立される以前の1948年6月に日本にロッテグループの母体となる株式会社ロッテを設立した。韓国ロッテは65年に韓日が国交を正常化した直後の67年に資本金3000万ウォン(現在のレートで約320万円)で設立されたロッテ製菓がルーツだ。
韓国ロッテの持ち株会社に当たるホテルロッテの大株主も日本のロッテホールディングス(19.07%)だ。残る株主も日本企業で、ホテルロッテの日本側の持ち株比率は実に99%を超える。
ロッテグループの支配構造の頂点にある日本のロッテホールディングスと光潤社は出資構造が公式には不明だ。韓国ロッテグループ内部でも知る人は少ない。韓国の法律では、一定規模以上の企業は株主構成と業績を公示しなければならないが、日本は年商2兆円以上の会社であっても非上場であれば情報開示義務がない。日本の財界関係者は「両国のロッテの持ち株会社に当たるロッテホールディングスと光潤社の株主構成が不透明なため、論争が拡大しているようだ」と指摘した。