たたかれるのは、戦ってる証拠だと思う。このラグビーのポスターを誰がつくったか知っていますか?
ぼくの職業がコピーライターなせいもあるのか、下のシャレの効いた絵もだいすきです。
誰かのつぶやきを見たり、ネットニュースを見たり、話題になったときに検索したりしただけで、すべてをわかった気になっちゃダメだと思う。
たとえば「ドローン」がネガティブなニュースで拡散されれば、そこばかりが目につく。世界では、ドローンが命を救うこともあるのに、そこには目を向けずなんとなく知った気になり、そのままにする。
「東京五輪のエンブレムをデザインした人が、TwitterもFacebookもアカウント削除して逃亡した」とニュースで読めば、そうなんだと思ってしまう。
でも真実はちがう。ひと月以上前から見られない状態でした。ぼくは、佐野研二郎さんに会社のロゴをダメもとでお願いしようと、佐野さんのことをけっこう調べていたのです。
佐野さんは、今年のTCC(東京コピーライターズクラブ)賞の年鑑(本)のアートディレクターを担当していて、ぼくは運よくその賞を受賞して年鑑に載ることもできるので、その機会をいいことに、あわよくばお願いできないかなとたくらんだのです。以下、佐野さんにお送りしたメールです。
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佐野研二郎さま
金曜日のTCC年鑑の撮影で手紙をお渡しした
コピーライターの長谷川哲士(てつじ)です。
誠にさしでがましいお願いですが、
佐野さんに株式会社コピーライターのロゴを
つくっていただきたい理由がいくつかあるので、
補足させてください。
・佐野さんがデザインされる制作物で見られる文字が、
骨があって、たくましくて、しかもチャーミングで
ぼくはとても好きです。
・MR_DESIGNというストレートなネーミングを
つけられている佐野さんに、
デザインしてほしいと思いました。
・営業開始は1月からですが、
仕事場の拠点は、
表参道のシェアオフィスTRANSITにしようと
考えていて、そこのロゴを佐野さんが
デザインしているのも縁を感じました。
・今回の年鑑、パンがテーマですが、
ぼくが8年前に、最初にTCCに応募した時、
近所のパン屋さんのポスターで応募しました。
おとうさんのパン屋という店名で、
「ロボットの製造したパンに、おとうさんは負けない。」
「タイムセールはありません。」
「名づけ親は、娘です。」
花火大会の日に店頭に貼りだした
「花火がパンパンと叫んでます。」
というようなコピーで応募しました。
これも、ぼくが勝手に思っているだけですが、
何か不思議な縁を感じています。
・・・いろいろとコチラ都合で、申し上げてスミマセン。
佐野さんにとっては、何のメリットもないので、
断っていただいても全然かまいませんが、
ご検討していただければ幸いです。
どうぞよろしくお願いいたします。
コピーライター
長谷川哲士
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そして、ごていねいにお断りのご連絡をいただきました。お断りのメールを読んだときには、ちょっと期待してた部分もあったのでショックでしたが、感謝しています。ロゴをつくってもらうのが目標になり、がんばるぞと気合が入りました。
東京オリンピックのエンブレムが発表されたのは、そこから少し経った時でした。佐野研二郎さんは、まちがいなく日本を代表する最高のアートディレクター、デザイナーだと思います。
インターネットに住んでる私たちは、誰かのスキャンダルが大好きです。その誰かが有名であればあるほど、熱くなる。いいところより、たたけるところを探す。もちろんぼくにも、そういうところはあるんだろうけど、やっぱり、悪いところよりも、いいところを見つける人になりたい。
黒を真ん中に使った点や、国旗の赤を心臓に見立てた点、パラリンピックのエンブレムとのバランスなど、ぼくは心を動かされました。そして、まだ誰も見えてないですが、このエンブレムをベースにした展開案にも、期待しました。
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会 エンブレム紹介 (2分20秒版) - YouTube
養老孟司先生が『バカの壁』で、ニュース見ると、被害者の視点で見ちゃうけど、自分は加害者の視点でも見るというようなことを書かれてました。ぼくは、コピーライターという仕事のいいところは、いろんな角度でモノを見られるということだと思います。このことについては、長くなりそうなので、このブログを、最後、ヒトコトだけにまとめて終わりにします。
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あんまりブーブー言わないでね。