【ソウル=小倉健太郎】韓国のサムスン電子が30日発表した2015年4~6月期連結決算の確報値は、スマートフォン(スマホ)などIT(情報技術)機器部門の営業利益が2兆7600億ウォン(約2900億円)と前年同期より38%減った。一方、半導体部門は好調だったため、全体の連結営業利益は6兆9000億ウォンと4%減にとどまった。7四半期連続で前年実績を下回ったが、減益幅は縮小傾向にある。
スマホは4月に旗艦機種の新製品「ギャラクシーS6」シリーズを発売したが販売は「期待した水準に届かなかった」(同社)。中・低価格製品の販売量も伸び悩んだ一方で販促費用はかさんで収益を圧迫した。1~3月期の部門利益はやや上回ったとはいえ前年比では減益が続く。家電部門もテレビ事業の不振で大幅な減益だった。
半導体部門の営業利益は3兆4千億ウォンと前年同期比83%増えた。半導体メモリーであるDRAMとNAND型フラッシュメモリーがスマホやサーバー向けで伸びた。単価は下落基調だが量の増加で補った。スマホは中低価格帯の製品でもカメラや画面の解像度上昇など機能改善に伴い1台当たりのメモリー搭載量が増えている。サムスンは他のスマホメーカーにもメモリーを供給している。
連結売上高は7%減の48兆5400億ウォンだった。半導体部門の寄与により売上高営業利益率は14.2%と0.5ポイント改善した。
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