[PR]

 米軍と自衛隊が共同で使う厚木基地(神奈川県)の周辺住民らが騒音被害を国に訴えた訴訟の控訴審判決が30日、東京高裁であった。斎藤隆裁判長は、全国で初めて自衛隊機の夜間飛行差し止めを認めた一審・横浜地裁判決に続き飛行差し止めを認めた。米軍機の飛行差し止めは、一審と同様に認めなかったが、騒音の精神的苦痛に対する損害賠償は、一審が認めなかった将来分まで支払いを命じた。

 原告は、基地がある神奈川県大和市や東京都町田市などの住民約6900人。米軍機と自衛隊機の飛行差し止めや損害賠償を求め、2007年に提訴した。

 昨年5月の一審判決は「騒音はがまんの限度を超え、住民に健康被害への不安や精神的苦痛を与えている」と認定。国に総額約70億円の支払いと、自衛隊機の夜間の飛行差し止めを命じた。だが、米軍機については「国が米軍に基地使用を許可する仕組みではない」として、差し止めの根拠がないと判断した。