インテルとマイクロン

画期的なメモリー技術を開発

~ 新しい種類のメモリーとして、PC、データセンターなどで従来にないパフォーマンスを実現 ~

 

2015 年 7 月 29 日

 

<ご参考資料>

* 2015 年 7 月 28 日に米国で発表されたプレスリリースの抄訳です。

 

ニュース・ハイライト

  • インテルとマイクロンは、25 年ぶりの新しい不揮発性メモリーのカテゴリーとなるメモリーの量産を開始
  • 新開発の 3D XPoint™ テクノロジーは、現在市場で最も一般的な不揮発性メモリーとされる NAND テクノロジーと比較して、最大で 1,000 倍高速化 *1
  • 両社は、独自の材料配合とクロスポイント・アーキテクチャーを考案し、従来型メモリーのテクノロジーとの比較で集積度を 10 倍向上 *2
  • 新技術を通じて、機械学習からリアルタイムでの疾病追跡、8K でのゲームなど革新的なアプリケーションの創出を促進

 

 インテル コーポレーション(本社:米国カリフォルニア州サンタクララ)とマイクロン テクノロジー社(本社:米国アイダホ州ボイジー)は、不揮発性メモリーの新技術となる 3D XPoint™ テクノロジーを公表しました。3D XPoint™ テクノロジーは、高速なデータ・アクセスから大規模データの処理に対応し、あらゆるデバイスやアプリケーション、サービスを変革させる可能性を秘めています。現在、その技術に基づく製品の量産化が進む 3D XPoint™ テクノロジーは、1989 年の NAND フラッシュ・メモリーの登場以来となる、画期的な製造プロセス技術であり、新しい種類のメモリーとなります。

 

 今日、ネットに接続されるデバイスやデジタル・サービスが爆発的に増加し、膨大な量の新しいデータが生み出されています。データの有効活用には、データの保存と分析を極めて迅速に行えるようにする必要があり、メモリーやストレージのソリューションを設計するサービス・プロバイダーやシステム・ビルダーは、コスト、消費電力、性能のトレードオフを勘案したベスト・バランスのソリューションを実現させるという新たな課題の解決に迫られています。3D XPoint™ テクノロジーは、性能や集積度、消費電力、不揮発性、コストなど、現在すでに市場で確立されているメモリー技術のあらゆる優位性を兼ね備えています。この技術は、NAND テクノロジーと比較して、高速化と耐久性 *3 が最大で 1,000 倍に向上し、また従来型メモリーのテクノロジーとの比較で集積度も 10 倍向上しています。

 

 年間に生成されるデジタル・データの量が、2013 年の 4.4 ゼタバイトから 2020 年には 44 ゼタバイトに達すると予測される*4、成長著しいデジタル社会において、3D XPoint™ テクノロジーは膨大なデータを、ナノ秒(ナノは 10 億分の 1)で価値ある情報へと変質させます。同テクノロジーの活用により、例えば、小売店では顧客の決済時に即座に不正パターンを検出でき、また医療研究者はリアルタイムで大規模データの処理、分析を行い、遺伝子解析や疾病追跡など複雑な処理を高速に実行できるようになります。

 

 性能面での 3D XPoint™ テクノロジーの利点は、PC の利用体験にも広がり、PC 利用者はインタラクティブなソーシャル・メディアやコラボレーション・ツールをより円滑に利用でき、ゲームも今まで以上に夢中になって楽しめるようになります。また、デバイスの電源を切ってもデータが消えないという不揮発性メモリーの技術的特性により、3D XPoint™ テクノロジーはさまざまな低遅延のストレージ・アプリケーションへの応用が可能です。

 

革新的なメモリー・テクノロジーに向けた新しい製造方法とアーキテクチャー

 

 3D XPoint™ テクノロジーは、不揮発性のストレージやメモリーに対する高い性能や耐久性、大容量、低コストなどのニーズに応えるために、10 年以上にわたる研究開発を経て、ゼロから開発されました。同テクノロジーは、遅延を大幅に短縮できる新しい不揮発性メモリーの到来をもたらし、プロセッサーのそばにこれまで以上に大容量のデータを保存可能にするとともに、従来の不揮発性ストレージでは不可能だったスピードでメモリーにアクセスできるようになります。

 

 3D XPoint™ テクノロジーに採用されている革新的なトランジスターのないクロスポイント・アーキテクチャーにより、ワード線とビット線の交差部分にメモリーセルが配置される 3D チェッカーボードを作成できるため、それぞれのメモリーセルに個別にアクセスすることが可能になります。その結果、データを小さな容量で読み込み/書き込みできるようになるため、より高速かつ効率的な読み込み/書き込みプロセスを実現します。3D XPoint™ テクノロジーの詳細は以下の通りです。

 

  • クロスポイント配列構造:垂直に配置されたコンダクターは 1,280 億の高集積度メモリーセルと接続。それぞれのメモリーセルには 1 ビットのデータを格納可能。このコンパクトな構造により高性能かつ高いビット集積度が実現
  • 積層可能な構造:高密度のクロスポイント配列構造に加え、メモリーセルを複数の層に積層。3D XPoint™ テクノロジーを採用した最初のメモリーは 2 層で、容量はダイあたり 128 ギガビット(Gb)。今後予定される将来世代のメモリーでは、メモリーの積層数の増大に加え、従来のリソグラフィ技術による微細化により、システムの容量のさらなる増大も可能
  • セレクター:メモリーセルはそれぞれのセレクターに送られるさまざまな電圧でアクセスや読み込み/書き込みが可能。これにより、トランジスターが不要になるため、容量の増大と同時にコストの削減が可能
  • 高速なセルの切り替え:小型のセル、高速な切り替えが可能なセレクター、低遅延のクロスポイント配列、高速な書き込みアルゴリズムなどにより、3D XPoint™ テクノロジーを採用しメモリーセルは、既存のあらゆる不揮発性メモリー・テクノロジーよりも高速にステートを切り替え可能

 

 今年後半の 3D XPoint™ テクノロジー製品のサンプル出荷に向け、インテルとマイクロンでは、3D XPoint ™ テクノロジーに基づく製品をそれぞれ開発しています。

 

 3D XPoint™ テクノロジーについての詳細な情報は、以下をご覧ください。http://newsroom.intel.com/docs/DOC-6713

 

インテルについて

 

 インテルは、コンピューティングの革新を世界でリードする企業です。世界で使用されるコンピューティング機器の基礎となる重要な技術を開発、製造しています。また、企業の社会的責任と持続性をリードする企業として、商用のマイクロプロセッサーとして世界で初めて“コンフリクト・フリー”に対応したマイクロプロセッサーを製造しています。インテルに関する情報は、http://www.intel.co.jp で入手できます。また、コンフリクト・フリーについての取り組みは、http://www.intel.co.jp/content/www/jp/ja/corporate-responsibility/conflict-free-minerals.html で紹介しています。

 

マイクロンについて

 

 マイクロン テクノロジー社は、先進的な半導体システムを提供する世界的大手企業です。DRAM、NAND、NOR フラッシュを含むマイクロンの幅広い高性能メモリテクノロジーポートフォリオは、ソリッドステートドライブ、モジュール、マルチチップパッケージ、その他のシステムソリューションの基礎になっています。35 年以上にわたるテクノロジー分野でのリーダーシップにより、マイクロンのメモリソリューションは世界で最も革新的なコンピュータ、コンシューマ、エンタープライズストレージ、ネットワーキング、モバイル、組み込みおよび車載アプリケーションを実現しています。マイクロン テクノロジー社の普通株式は NASDAQ にて MU のコード名で上場取引されています。マイクロン テクノロジー社に関する情報はwww.micron.com  をご覧ください。

 

以上

 

注 1:パフォーマンスの差は、3D XPoint™ テクノロジーと業界の他の NAND テクノロジーとの比較

注 2:密度の差は、3D XPoint™ テクノロジーと業界の他の DRAM テクノロジーとの比較

注 3:耐久性の差は、3D XPoint™ テクノロジーと業界の他の NAND テクノロジーとの比較

注 4:出典:http://www.emc.com/leadership/digital-universe/2014iview/executive-summary.htm

 

* マイクロンおよびマイクロンの軌道ロゴは、マイクロン テクノロジー社の商標です。

* Intel、インテル、Intel ロゴは、米国およびその他の国におけるインテル コーポレーションの商標です。

* その他の社名、製品名などは、一般に各社の商標または登録商標です。

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