安保特別委:対中国「対話を継続」…首相が強調
毎日新聞 2015年07月29日 12時20分
安全保障関連法案を審議する参院平和安全法制特別委員会は29日午前、総括的質疑を行った。安倍晋三首相は中国の軍拡への懸念を表明し法案の必要性を強調する一方、「外交を通じて平和を構築することが重要だ」と指摘。「さまざまなレベルで対話を積み重ねながら、安定的な友好関係を発展させていきたい」と述べ、外交努力を続ける考えを強調した。
首相は中国に関し、国防費の大幅な伸び▽沖縄県・尖閣諸島周辺での公船による領海侵入▽東シナ海での一方的な資源開発−−などを指摘し「既存の国際秩序とは相いれない、力による現状変更」と批判。「関係改善により、事態をエスカレートさせないよう対応していきたい」と強調した。日米同盟などを念頭に「パートナー国との関係を深めることで紛争を未然に防ぎたい」とも述べ、米国など関係国との連携強化を図る必要性を示した。
また、礒崎(いそざき)陽輔首相補佐官が関連法案に関し「法的安定性は関係ない」と発言した問題について「法的安定性は極めて重要なことだ。誤解を与えることがないよう気をつけなければいけない」と改めて釈明した。これに関連し、自民党の谷垣禎一、公明党の井上義久両幹事長らが29日午前、東京都内で会談。井上氏が問題視したのに対し、谷垣氏は「申し訳なかった」と陳謝した。【青木純、影山哲也】