辺野古埋め立て:協議書取り下げ 沖縄知事が要求

毎日新聞 2015年07月30日 00時09分(最終更新 07月30日 00時09分)

 沖縄県の翁長雄志(おなが・たけし)知事は29日、米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設計画を巡り、防衛省が埋め立て工事に向けて県に提出した協議書の取り下げを求めた。協議書には工事の一部の設計図しか示されていないため、海底ボーリング調査完了後、全体の設計図が整った段階で改めて提出すべきだとしている。那覇空港で記者団に明らかにした。

 翁長氏は「事前協議は全体の詳細設計が終了した時点で行うべきだ」と述べ、ボーリング調査が完了していない段階での協議書提出に疑問を呈した。同省には8月10日までに回答するよう求めた。

 早期に埋め立てを開始したい同省は24日、ボーリング調査を終えた一部区域の護岸の設計図を前倒しで県に提出した。翁長氏の要求に対し菅義偉官房長官は29日の記者会見で「工事は段階的に実施されるので、段階ごとに協議するのは問題ない。政府として取り下げる考えはない」と明言した。

 一方、翁長氏は29日、東京都内でのシンポジウムで「私は基地はつくらせない。つくれないと思っている。その視点から第三者委員会の指摘した法律的瑕疵(かし)を認識すべきだ」と述べ、県の第三者委が16日に提出した検証結果を踏まえ埋め立て承認を取り消す考えを示唆した。【佐藤敬一、高本耕太】

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