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 丹羽宇一郎・前駐中国大使(76)が29日、朝日新聞のインタビューに応じた。戦後70年の安倍晋三首相の談話について「誤解のないように発表した方がよい」と述べ、村山談話など過去の首相談話に沿って、先の大戦への反省を盛り込むべきだとの考えを示した。

 丹羽氏は6月、日中友好協会の会長に就任。7月19~21日に訪中し、中日友好協会会長の唐家璇・元外相や中国外務省の劉建超次官補らと会談した。丹羽氏は訪中の印象について「日中関係の氷が解け始めているのではと思っていたが、変わっていない。互いにまだ疑心暗鬼だ」と語った。

 そのうえで、丹羽氏は70年談話について「第2次大戦の総括なり反省をして、将来進めたい方向はこうだと発言しないといけない。過去の首相や政府の発言から大きくはずれることがあれば、問題を起こすかもしれない」と述べた。「今の中国は順風満帆という国内情勢ではない。日本との間でいざこざを起こしたくないという気持ちは強い。安倍首相も、その辺りの事情をわかって発言してほしい」とも語った。

 安倍首相は、中国が「抗日戦争勝利記念日」の式典を開く9月3日前後での訪中と首脳会談を検討している。丹羽氏は「談話の内容次第では首脳会談どころではなくなる。日中関係が逆戻りする可能性もある」との見方を示した。