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 沖縄本島北部から西へ9キロの離島・伊江島。大きな穴があいた建物は戦前の公益質屋跡だ。穴は海側に集中しており、「鉄の暴風」と呼ばれる米軍の艦砲射撃の激しさを物語る。

 1945年4月16日、米軍はこの島に上陸し、軍人と住民合わせて約3500人が亡くなったとされる。戦後は強制的な土地接収があり、今も米軍の補助飛行場などが残る。伊江村によると、昨年度は53日間、オスプレイの訓練が確認された。

 民家の塀、記念碑の裏側、工場の煙突、琉球王朝の石積み。県内各地には今も沖縄戦が残した弾痕があり、地中には多くの不発弾が眠る。

 沖縄県によると昨年度は約18トンの不発弾を処理した。現在のペースで進めば、処理を終えるまであと68年程度かかるという。戦後70年は折り返し地点に過ぎないのかもしれない。(おわり)(写真・文 嶋田達也)