「 新国立競技場、どんなスタジアムを建てるべき?」という記事がありました。
新国立競技場、どんなスタジアムを建てるべき?:朝日新聞デジタル
はてなでは専門家からの真摯なエントリーも話題になっていました。
新国立競技場をみんなで考えよう的な気運? が少しずつ高まっているようです。
新旧メインスタジアムを調べてみよう
建築の新しい計画をプランニングする場合、専門家の方たちでも、普通は過去の事例を調べますので、同じように過去10件分ぐらいのメインスタジアムの事例を調べてみました。
古いものから新しいものへ順々に見て行きますと、スタジアムの傾向らしきものは見えてくるようです。どんどんデザインはダイナミック(派手? )になる傾向があり、ザハ・ハディド案が選ばれたというのも、その延長上にあったのかなと思いました。結局、ザハ・ハディド氏の案は予算が大幅にオーバーし白紙化されてしまいました。*1
1980年のモスクワオリンピックは日本は出場辞退して馴染みがないため、1984年のロス五輪からのメインスタジアムの事例からにしました。
A.オリンピックメインスタジアム新旧10選
1.1984年ロサンゼルス(アメリカ) / ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム(Los Angeles Memorial Coliseum)
概要
種類:既存改修
設計者:John & Donald Parkinson
収容人数:76,000人(1923年)、101,574人(1932年)、92,516人(1995年~現在)115,300人 (ドジャース移転50周年記念試合)
現在:主にアメリカンフットボール場(ドジャー・スタジアム建設中は野球場)
屋根:なし
サブトラック(現状):(敷地周辺トラックにトラックを確認)
航空写真:https://goo.gl/maps/AxnaD
建設費:95万4873ドル
工事期間:約17カ月(1921年12月21日~1923年4月)
開場:1923年5月1日
呼称:"The Grand Old Lady"
エピソード:"オリンピックを複数回開催している都市は他にもあるが、開・閉会式会場を同じ施設で行ったのはメモリアル・コロシアムが唯一である。"
ロサンゼルス・メモリアル・コロシアム - Wikipedia
公式サイト
上空から見た写真です。向こう側が聖火台のある正面になります。
このスタジアムは古代コロシアムの列柱とあわせてデザインされた聖火台に特徴があります。これは外側から見た写真です。アメリカで特別な出来事や事件があった場合、現在でも点火されます。911でも灯されました。
手前のアスリート像に頭がないのは、人種を特定しないということを意味しているようです。銅像の頭を切り落とすことで、オリンピックが広く開かれて大会であることを意味しているわけです。ロサンゼルスらしい発想ですね。
2.1988年ソウル(韓国) / ソウルオリンピック主競技場
概要
種類:既存改修
設計者:金壽根
収容人数:[オリンピック時]100,000人 / [オリンピック後] 69,950人
現在:競技場
屋根:一部
サブトラック:あり
航空写真:https://goo.gl/maps/4fuUt
建設費:1025億ウォン
工事期間:(1977年~1984年)
開場:1984年9月29日
エピソード:"映画『シュリ』のクライマックスシーンである、サッカー南北親善大会の舞台となっているのも、このスタジアムである。"
公式サイト
上空から見ると独特の形状です。韓国青磁をモチーフとしたデザイン。設計は韓国建築の第一人者 金壽根(キム・スグン)。丹下健三の代々木体育館を意識したような感じもします。キム・スグンは東京芸術大学で建築を学んだんですね。
外観はやはり日本の近代建築と共通点があるようです。
3.1992年バルセロナ(スペイン) / エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス(Estadi Olimpic Lluis Companys)
概要
種類:既存改修
設計者:-
収容人数:[オリンピック時]100,000人 / [オリンピック後] 55,926人
現在:競技場
屋根:一部
サブトラック:あり
航空写真:https://goo.gl/maps/jBk7U
建設費:
工事期間:(1989年~1992年)
開場:1929年
呼称:"所在地の名をとり単に「モンジュイック」と呼ばれることも多い。"
エスタディ・オリンピック・リュイス・コンパニス - Wikipedia
公式サイト
バルセロナの街並みとスタジアムです。外形を円形にして、周囲と馴染ませてるように見えます。実際馴染んでいますね。左下の黒い屋根は、建築家 磯崎新氏による体育館です。これもかっこいいです。
正面側を外から見た写真です。クラシックなデザインです。バルセロナという歴史的な景観との調和を考えています。
4.1996年アトランタ(アメリカ) / センテニアル・オリンピックスタジアム(Centennial Olympic Stadium)"Turner Field"
(オリンピック当時)
概要
種類:既存改修
設計者:Heery International; Rosser International; Williams-Russell and Johnson; Ellerbe
Becket
収容人数:[オリンピック時]85,000人 / [オリンピック後] 49,831人
現在:野球場
屋根:一部
サブトラック:(オリンピック時は仮設と思われる)
航空写真:https://goo.gl/maps/z3gW8
建設費:2億700万ドル(約300億円)
工事期間:約36カ月(1996年7月19日~1996年)
開場:1996年8月27日
呼称:ターナー・フィールド(Turner Field)
改修内容:"パラリンピック閉幕後、アトランタ・ブレーブスの本拠地とするために陸上競技用のトラックとフィールド、観客席の北半分を撤去し、新たに外野席やスコアボードなどを建設して、1997年シーズンにターナー・フィールドとして生まれ変わった。"
センテニアル・オリンピックスタジアム - Wikipedia
公式サイト
Turner Field Information | braves.com: ballpark
アトランタ・ブレーブスは、1996年まで手前のアトランタ・フルトン・カウンティ・スタジアムを使用していましたが、老朽化のため、向こう側のセンテニアル・オリンピックスタジアムを改修して1997年から使っています。激烈な改修をほどこしているためよく詳細が良く分からないところがあります。
外観はアメリカって感じですね。銅像はナックルボーラーのフィル・ニークロ(Phil Niekro) です。すっかりブレーブスのホームとして生まれ変わりました。
5.2000年シドニー(オーストラリア) / スタジアム・オーストラリア(Stadium Australia)
概要
種類:新築
設計者:Bligh Lobb Sports Architects(POPULOUS)
収容人数:[オリンピック時]110,000人 / [オリンピック後] 83,500人(可動席込み)、81,500(可動席無し)
現在:球技場(ラグビー、クリケット、オーストラリアンフットボール、サッカーなど)
屋根:一部
サブトラック:あり
航空写真:https://goo.gl/maps/hXv0H
建設費:6億9000万豪ドル(約510億円)
工事期間:約30カ月(1996年9月~1999年3月6日)
開場:1999年3月6日
命名権:一般的にはANZスタジアム(ANZ Stadium)の呼称
改修内容:"陸上トラックおよび一部座席の撤去、可動式スタンドの設置、両サイドの屋根の取り付けなどの改修"
公式サイト
ANZ Stadium - Sports, Entertainment & Events Venue Sydney - ANZ Stadium
(ビフォー)
オリンピック当時の上空から見た写真です。
(アフター)
現在の上空からの写真です。こちらも大胆に改修しています。内容的には、陸上トラックを撤去して、ピッチそばまで観客席を増設して球技場にしています。
アトランタの頃から現代的デザインの傾向になり、シドニーでそれがはっきりしてきたようです。
6.2004年アテネ(ギリシャ) / アテネ・オリンピックスタジアム(Olympic Stadium, Athens)
概要
種類:既存改修
設計者:サンティアゴ・カラトラバ(改修設計)
収容人数:75,000人
現在:多目的スタジアム
屋根:一部
サブトラック:あり
航空写真:https://goo.gl/maps/rWvvJ (←おすすめ)
建設費:(既設改修)
工事期間:新築時(1979年~1982年)、改修時(2002年~2004年)
開場:2004年7月
公式サイト
http://www.oaka.com.gr/default.asp
キールによる吊屋根構造にも見えます。
外観です。むかしのスタジアムのイメージはもうありません。航空写真がかっこいいのでおすすめです。(上記のリンクから見れます)
次の北京オリンピックでスタジアムデザインは異次元に入ります。
7.2008年北京(中国)/ 北京国家体育場 "鳥巣"( Beijing National Stadium - Bird's Nest )
概要
種類:新築
設計者:ヘルツォーク&ド・ムーロン、ArupSport、China Architectural Design & Research Group、艾未未 (芸術コンサルタント)
収容人数:[オリンピック時]91,000人 / [オリンピック後] 80,000人
現在:多目的スタジアム
屋根:客席部分
サブトラック:あり
航空写真:https://goo.gl/maps/WfRqC
高さ:69.2m
建設費:4億2300万米ドル(約540億円)
工事期間:約60ヶ月(2003年3月~2008年3月)
開場:2008年6月
公式サイト
鸟巢,鸟巢官网,国家体育场,国家体育场,奥运-国家体育场官方网站
上方からの写真です。ものすごい迫力です。ザハ案を選んだのも、この「鳥の巣」の圧倒的なデザインや存在感を意識してしまってのことではないかと思います。
外観です。設計はヘルツォーク&ド・ムーロン。なぜかドルチェ&ガッバーナを思い出してしまいます。それぞれの分野で登場の仕方にすごいインパクトがあったんですね。表参道のプラダの設計者です。
公式サイトです。(もっとも進んだ感覚です。)
鳥の巣の内部です。
ライトアップした鳥の巣です。このインパクトに並ぶためには、ザハ案を持ってくるしかなかったようにも思えてきました。
8.2012年ロンドン(イギリス)/ オリンピックスタジアム (Olympic Stadium)
(陸上トラックとサッカー場等がいかに相反するか良く分かる写真です。トラックがあるとフィールドが客席から遠くなるんですね。ロンドンオリンピック時は陸上競技のみ行われました。この形式はサッカーファンには不評なんです。)
概要
種類:新築
設計者:POPULOUS
収容人数:[オリンピック時]80,000人 / [オリンピック後] 60,000人
現在:競技場(主に陸上、サッカー)
屋根:客席
サブトラック:あり
航空写真:https://goo.gl/maps/kLR8q (←おすすめ)
高さ:(半地下)
建設費:4億8600万ポンド(約610億円)
工事期間:約48ヶ月(2007年~2011年)
開場:2011年
公式サイト
London 2012 Venues - Top Stories, Videos & Photos | Olympic.org
建設中の上空から見た写真です。敷地の形状をうまく利用してつくっています。
設計はスタジアム建築のエキスパートPOPULOUS(ポピュラス)です。シドニーにも関わっているようです。新国立競技場デザインコンペにも出場しましたが、ポピュラスの提出した案はある意味ザハ案よりも斬新であったかもしれません。
ウェブサイトを見ると、手堅い作風なのでおすすめです。
POPULOUS公式サイト
9.2016年リオデジャネイロ(ブラジル)/ エスタジオ・ド・マラカナン(Estádio do Maracanã)
概要
種類:既存
設計者:Waldir Ramos他
収容人数:78,639人
現在:サッカー場
屋根:客席
サブアリーナ:(陸上競技はアベランジェを使用)
航空写真:https://goo.gl/maps/zDXoR
建設費:3億8000万レアル(約550億円)
工事期間:(1948年8月2日~1950年)
開場:1950年
エピソード:世界最大規模のサッカー専用スタジアム。"2016年8月に開催される予定の第31回夏季オリンピックリオ大会の開会式/閉会式とサッカー競技も、エスタジオ・ド・マラカナンで挙行される。サッカー専用競技場がメインスタジアムに使われるのは初である。"
公式サイト
開会式はマラカナンでやって、陸上競技はアベレンジェでするようです。サッカーと陸上に要求されるスタジアムの性格は違いますので、合理的な考えとは言えそうです。
(陸上競技開場) / エスタジオ・オリンピコ・ジョアン・アベランジェ(Estádio Olímpico João Havelange)
概要
種類:既存
設計者:カルロス・ポルト
収容人数:[現在]46,931人 / [オリンピック時] 60,000人
現在:競技場
屋根:客席
サブトラック:あり
航空写真:https://goo.gl/maps/Ui2cC
建設費:3億8000万レアル(約550億円)
工事期間:(2007年~2011年)
開場:2007年
エスタジオ・オリンピコ・ジョアン・アベランジェ - Wikipedia
公式サイト
サブトラックが手前に見えます。練習用ですね。
新国立競技場の敷地ではサブトラックをつくるのはスペース的には難しいので、近くに仮設でサブトラックをつくる方針です。
次は、白紙になったザハ・ハディド案のふり返りです。
B.2020年東京(日本)/ 新国立競技場(New National Stadium)
10.アンビルドとなったザハ・ハディド案の計画概要
出典元:http://www.jpnsport.go.jp/
概要
種類:建替え
発注方式:国際デザインコンペ
設計者:ザハ・ハディド(デザイン監修)
収容人数:(最大)8万305 席、(陸上)7万2168 席
オリンピック後:多目的スタジアム
屋根:固定式+開閉式
サブアリーナ:仮設
航空写真:https://goo.gl/maps/IazFW
高さ:外苑西通りレベルから) 70 m
建設費:2520億円
工事期間:約42ヵ月(2015年10月1日~2019年3月31日)
開場:2019年ラグビーワールドカップ
エピソード:白紙化
出典元:http://www.jpnsport.go.jp/
今年、日本人がもっとも見た(見ることになる)建築デザインになると思われます。
11.政府検討中の計画概要
種類:建替え
発注方式:デザインビルド(予定)
設計施工者:(今後決定)
収容人数:(サッカーW杯 招致基準の80,000人?)*2
オリンピック後:(7/29)使用目的からコンサートを除外することも検討 *3
屋根:(7/29)開閉式屋根見送り *4
建設費:(7/29)財務相が1300億円が一つの目安と発言 *5
工事期間:約51ヵ月(2016年1,2月~2020年春)
開場:2020年東京オリンピック
エピソード:これから *6
公式サイト
トップページ | 新国立競技場 | JAPAN SPORT COUNCIL
C.新国立競技場、どんなスタジアムを建てるべき?
1.なにが問題だったのか
新国立競技場で問題になったポイントとしては、①建設費、②デザイン(構造も含めて)、③オリンピック後の在り方、④収容人員、⑤屋根、⑥サブトラックなどの問題でしたが、過去のオリンピックメインスタジアムの事例をこうして調べますと、オリンピック後の在り方が一番重要な問題ではないかと思いました。③の在り方が決まりますと、④、⑤、⑥の問題は必然的に答えが見えてくるのではないかと思いました。*7
幻になったザハ・ハディド案の基本設計条件(案)を見ますと、冒頭に「新国立競技場に求める姿」がきっちりと書かれています。
2.JSCが考えた新国立競技場に求める姿
・新しく整備する競技場では、スポーツ基本計画で謳われている大規模競技大会が開催できる競技場であるとともに、スポーツ利用のない時でも文化的利用を行うことができる大規模集客施設であること、また、神宮外苑という地域性への配慮と環境性能にも優れた、世界に誇れるスポーツ・文化の拠点となることが求められる。
・既に開催が決定したラグビーワールドカップ及びオリンピック・パラリンピック競技大会が様々な面において最高の大会となるような競技場であること。
・第2回有識者会議(平成24年7月)においてとりまとめられた新競技場に求められる要件(目指すスタジアムの姿)は以下のとおりである。
○大規模な国際競技大会の開催が実現できるスタジアム
・国家プロジェクトとして、世界に誇れ、世界が憧れる次世代型スタジアムを目指す
・アスリートやアーティストのベストパフォーマンスを引き出す高性能なスタジアムを目指す○観客の誰もが安心して楽しめるスタジアム
・世界水準のホスピタリティ機能を備えたスタジアムを目指す
・開閉式の屋根や、ラグビー、サッカー及び陸上いずれの競技の開催においても、競技者と観客に一体感が生まれる観覧席を備えた、快適で臨場感あふれるスタジアムを目指す
○年間を通してにぎわいのあるスタジアム
・コンサート等の文化的利活用を楽しめる工夫が施され、特に音響に配慮された多機能型スタジアムを目指す
・各種大会や文化利活用がない時でも気軽に楽しめる商業・文化等の機能を備えたスタジアムを目指す
○人と環境にやさしいスタジアム
・最先端の環境技術を備え、緑あふれる周辺環境と調和するスタジアムを目指す・震災等の災害発生時にも安全で、避難・救援等に貢献できるスタジアムを目指す
・スタジアム内外及び周辺駅からのバリアフリーに配慮されたスタジアムを目指す
出典元:http://www.jpnsport.go.jp/newstadium/Portals/0/shinchokujokyo/20131211_kihonsekkeijokenan.pdf
建設費やザハ・ハディド氏のデザインのみにフォーカスするのではなく、こうしたオリンピック後も含めて「新国立競技場の在り方」の説明が大事だったのではないかと思いました。 ちょっと豪華すぎる仕様ではあるようです。
3.識者・政府関係者の考える新国立競技場
識者が考える最新の新国立競技場の在り方を見てみましょう。
(ロンドン)開会前、メインスタジアムなどは実に安っぽく見え、「大丈夫なのか」と正直、思いました。でも開会式以降の演出は見事で、建築物のチープさを微塵(みじん)も感じさせない。それを見て、建築家として敗北感に打ちのめされました。 - 山嵜一也(建築家)
たしかにロンドンのメインスタジアムは安っぽく見えるようなところもあります。ザハ事務所の担当者は、初期費用をかけなかったために改修費用がかさんでいるということをニュース番組のインタビューで語っていました。
ぜいたくな五輪施設に代えて、総合型クラブを始めとした地域スポーツの拠点に予算を重点配分すべきです。五輪によって市民のスポーツ環境が整い大会を身近に感じられれば、そこにレガシーが生まれます。ぜひ「地域スポーツの振興を20年東京五輪の遺産にする」と発信してほしい。- 石坂友司(奈良女子大学准教授)
地域スポーツの振興はいいですね。 こうした考えの場合は都民の施設整備負担額を増やすべきだろうと思います。
でも、日本は夏の五輪だけでも2度目。今回は余裕を見せるのがかっこいいと思います。施設は今あるものを使って、こぢんまりと、洗練された感じで。- デーブ・スペクター(放送プロデューサー)
もともとのコンセプトがコンパクト五輪だったような……。
(耕論)あと5年、どんな五輪に 山嵜一也さん、石坂友司さん、デーブ・スペクターさん:朝日新聞デジタル
いろいろな考え方があるようです。政府関係者の意見はどんな感じでしょうか。
私は当初からあんな生牡蠣をドロッと垂らしたようなデザインを見せられて「へーっ、こんなのは嫌だなあ」と思ったけどね…。- 森元首相
【単刀直言】森喜朗元首相 「新国立競技場の経緯すべて語ろう」 (1/11ページ) - 産経ニュース
これは、ドロッと垂らすならやっぱりハチミツだよいう意味に理解させていただきました。
(競技場の)機能を三つも四つも足さないで、二つぐらいのところに絞っておきさえすれば、そんなに金がかかるはずがない - 麻生太郎財務相
大臣の発言は過去の事例から見ても具体的かつ的確な意見に見えます。
と、ここまで書いたところで、ザハ・ハディド氏がもっと低予算な案があり、ゼロベースからでも協力したいといったニュースが流れてきました。さて、どうなってしまうのでしょうか。*8
ザハ氏事務所がJSC批判「低価格な提案の用意あった」:朝日新聞デジタル
ザハ氏が新国立改良案 首相に直談判、8月にも来日 - Yahoo!ニュース
新国立競技場 菅長官、ハディド氏事務所改良案の対応検討 - Yahoo!ニュース
【新国立競技場】「建設費が高騰したのはデザインのせいではない」ザハ・ハディド氏が声明(全文)
( 市民レベルでは基礎的な情報や知識を抑えひとつひとつのニュースに流されないことが大事なのではないかと思いました。)
新国立競技場関連記事
*1: 年々プレゼンが重要になるオリンピック招致という意味でも斬新なデザインの競技場は必要なことだったのかもしれません。
*2: 日本サッカー協会会長「新国立は8万人収容に」 NHKニュース
*3: www.fnn-news.com: 新国立競技場 政府、...
*4: 新国立、開閉式屋根を断念 8万席は確保へ :日本経済新聞
*5: 麻生財務相「1300億円が一つの目安」新国立の整備費 :日本経済新聞
*6:8月にザハ・ハディド氏本人が来日するようです。
*7: オリンピック後は一部サッカーファンから新国立をサッカー専用にして欲しいという意見があがるのはサッカーファンは問題が良く分かってるんですね。陸上は味の素スタジアムがあるだろうと。政府が屋根開閉式を断念しましたのでイベントは降りました。このまま陸上と球技(サッカー、ラグビー)の争いになってしまうのでしょうか。
*8: ザハの7/28声明 http://www.zaha-hadid.com/2015/07/28/new-national-stadium-tokyo-japan-statement-by- zaha-hadid-architects/