日本の参議院は27日より、衆議院で採決された安保関連法案の審議を開始した。安倍内閣と自民党の議員は、審議開始から1−2日目に「中国の脅威」を誇張し、国民の「危機感」を煽ることで、違憲の疑いがある安保関連法案に新たな「正当性」を持たせようとした。
しかしメディアと識者は、他国の脅威論を誇張し国民感情を煽っても、安保関連法案の合法性を高めることはできず、安保関連法案を強行採決しようとする安倍政権の危険な動機と腹づもりに対する日本人と国際社会の懸念を深めるばかりだと指摘した。
衆議院では法案が違憲か否かに関する議論が中心だったが、参議院では「日本周辺の安保環境が日増しに悪化」に焦点が絞られ、かつ中国に矛先が向けられた。2日間の審議において、自民党の参議院議員、安倍首相、閣僚らは質疑応答を利用し、「二人芝居」を打った。
27日の審議で質問者側に立った自民党の山本順三議員は、「現在の日本周辺の安保環境を正確に認識する必要がある」と述べ、朝鮮と中国を例として挙げた。答弁側の安倍首相はすぐにこの話題を受け、「中国が東中国海で日本の領海侵犯を繰り返している」と名指しし、それゆえ日本は安保関連法案によって抑止力を強化する必要があると述べた。
28日の参議院平和安全法制特別委員会の審議において、自衛隊OBの自民党の佐藤正久議員は「悪玉」を演じ、沖縄県石垣市の安保環境の変化を実感しているとし、中国脅威論を誇張した。安倍首相は答弁で、中国の東中国海のガス田開発は「合意に背く」と、謂れ無き批判を行った。中谷元防衛相も答弁の中で、中国の東中国海・南中国海の活動を例として挙げ、「中国側の活動が、日本の安保環境に影響を及ぼしていることは否定できない」と称した。
日本メディアは、安倍政権の閣僚は衆議院での答弁で、中国をほのめかすこともあったが、基本的には直接名指しすることを避けていたと指摘した。大多数の国民が安保関連法案の憲法に背く性質を意識し始めると、反対の声が日増しに高まった。安倍内閣の支持率は、衆議院の安保関連法案の強行採決後に、急激に低下した。各メディアの世論調査の結果を見ると、安倍内閣の支持率は35−40%の間に低下しており、不支持率がほぼ50%を上回っている。