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【社会】

「安保法案」参院審議 「反対」広がり多彩

安保法案に反対する集会に参加しメッセージボードを掲げる人たち=28日、東京都千代田区の日比谷野外音楽堂で(淡路久喜撮影)

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 安全保障関連法案に対する草の根の抗議は、参院で審議が始まった後も広がりをみせている。学生、非政府組織(NGO)関係者、弁護士、学者−。さまざまな立場の市民が「廃案に追い込もう」と声を強めている。 (辻渕智之、鷲野史彦、森川清志)

 金曜夜に国会前デモを続ける学生グループ「SEALDs(シールズ)」は、簡易投稿サイト「ツイッター」のフォロワーが三万六千超に増え、グループは東北でも結成された。東北大法学部二年久道瑛未(えみ)さん(19)は「津波で家が流されたメンバーもいて、日常が壊れるつらさが身に染みている。だから戦争に近づくような法案への危機感は強い」。

 海外紛争地域などで支援するNGO関係者が結成した「NGO非戦ネット」は三十二団体に。日本イラク医療支援ネットワーク事務局長佐藤真紀さん(54)は「日本が戦争に加担し、中立的支援ができなくなるとの危機感がある」と話す。

 明日の自由を守る若手弁護士の会(あすわか)共同代表黒沢いつきさん(34)は、衆院特別委員会で強行採決された十五日、ファクスやメールで与党議員らに声を届けようと、交流サイト「フェイスブック」で提案した。現在は参院特別委の委員の連絡先を載せており、「来夏の参院選で改選される与党議員に声を届けて」と呼び掛ける。

 法案に反対する学者の会のアピールには研究者ら一万二千人超、市民二万六千人超が賛同。衆院通過後、早稲田大や独協大の有志らが抗議を表明した。立教大でも反対の会設立集会の準備が進む。

 憲法研究者有志は六月三日に廃案を求める声明を発表し、七月十四日までに二百三十五人が賛同した。二十八日にあらためて声明を発表し、これまでに二百人超が賛同した。東海大の永山茂樹教授(55)は「法案が憲法九条などに反することが、国会審議で鮮明になった」と強調した。

 

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