台風11号:暴風域なくなり、17日午後には日本海側へ
毎日新聞 2015年07月17日 13時04分(最終更新 07月17日 13時44分)
台風11号は17日、四国を縦断した後、午前6時過ぎに岡山県倉敷市付近に再び上陸し、中国地方を北上した。暴風域はなくなったが、紀伊半島や四国を中心に大雨となり、降り始めからの雨量が多い所で600ミリを超え、場所によっては平年7月の1カ月雨量の2倍近くになっている。気象庁は引き続き大雨や土砂災害などに厳重な警戒を呼びかけた。
気象庁によると、台風は午前11時現在、鳥取県米子市付近を時速15キロで北上した。中心気圧は990ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は23メートル、最大瞬間風速は35メートル。午後には日本海側に抜ける見込み。
毎日新聞の17日正午現在の集計では、兵庫県で2人が死亡し、大阪、山口など14府県で計40人がけがをした。京都、徳島、岡山、高知など14府県で一時、24万8000世帯55万8000人を超える住民に避難勧告が出され、避難指示も徳島など5県の1万5000世帯3万8000人以上に及んだ。
16日に埼玉県桶川市で用水路に流されるのを目撃された人は依然見つかっていない。県警は姿が見えなくなっている近くの女子高校生の可能性があるとみている。住宅被害も出ており、大阪、岡山両府県で計19戸が一部損壊した。
また和歌山県などによると、同県新宮市熊野川町日足(ひたり)で17日未明、熊野川が氾濫して建物3棟が床上浸水した。住民は避難して無事だった。徳島県阿南市加茂町の加茂谷中学校では、近くの那賀川があふれ、早朝に最高で約3メートルの高さまで浸水した。
空の便は中四国地方の空港を発着する便に影響が出ており、全日空と日本航空によると午前11時現在で計94便が欠航した。
17日午前11時40分までの主な各地の48時間雨量は、奈良県上北山村739.5ミリ▽三重県大台町695ミリ▽高知県馬路村662.5ミリ。24時間雨量は西日本を中心に23地点で7月の地点観測史上最高を記録した。台風の動きは遅く、今後も広範囲で雨雲がかかり、18日正午までの24時間予想雨量は多い所で、東海300ミリ、北陸、近畿、関東甲信、中国100〜200ミリ。【狩野智彦、竹内良和、山本将克、藤原弘】