台風11号:高知・室戸付近に上陸 厳重な警戒呼びかけ
毎日新聞 2015年07月16日 23時16分(最終更新 07月16日 23時33分)
大型で強い台風11号は16日、四国と紀伊半島を暴風域に巻き込みながら北上を続け、午後11時ごろ、高知県室戸市付近に上陸した。台風の上陸は今年初めて。台風の動きは遅く、暴風雨や高波などの影響が長時間続くとみられ、気象庁は厳重な警戒を呼びかけた。
気象庁によると、台風11号は午後8時現在、高知・室戸岬の南南東約60キロを時速20キロで北に進んだ。中心気圧は960ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は35メートル、最大瞬間風速は50メートル。風速25メートル以上の暴風域は中心の南東側190キロと北西側150キロ。西日本を縦断し、17日午後には日本海側に抜ける見込み。
毎日新聞の16日午後9時現在のまとめでは山口、群馬両県などで計10人がけが。高知、香川、山梨など8県で12万1100世帯27万1600人を超える住民に避難勧告が出された。高知県安芸市では6世帯13人に避難指示も出た。
山口県宇部市の県立高校では、男子生徒(16)が風で倒れたサッカーのゴールポストに右足を挟まれて骨折。群馬県千代田町でも工場の雨漏りを修理していた男性(66)が屋根から落ちて肋骨(ろっこつ)を折った。また、埼玉県桶川市で「人が用水路に落ちて流された」と通報があり、消防や警察が捜している。
16日午後8時40分までの主な各地の24時間雨量は、奈良県上北山村431.5ミリ▽神奈川県山北町327ミリ▽山梨県上野原市256.5ミリ。高知・室戸岬では午後4時過ぎに最大瞬間風速42.6メートルを観測した。17日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、四国、近畿、東海600ミリ▽中国、関東甲信300ミリ。西日本では最大風速30メートル以上、波の高さ10メートルが予想されている。
交通機関にも乱れが出ている。空の便は16日午後9時現在、全日空と日本航空の国内線計177便が欠航。中日本高速道路によると、雨や高波の影響で、東名高速道路下り線の富士インターチェンジ−清水ジャンクション間など最大7区間が通行止めになった。【狩野智彦、竹内良和、山本将克、山寺香】