「今日は私、本当に腹が立ってここに来ました」。安全保障関連法案が衆院特別委員会で可決された15日夜、学生たちがJR大阪駅近くで行った緊急行動で、関西学院大学(西宮市)4年、寺田ともかさん(21)の訴えたスピーチが反響を呼んでいる。インターネット上で拡散し、12日間で3万7千人が自分のフェイスブックにシェア(共有)した。一人の女子学生の声が世代を超え、多くの人の心を揺さぶっている。
寺田さんは大阪府出身。小学2年生のとき、米同時多発テロがあった。飛行機がビルに突っ込むテレビの映像に「アメリカの人がかわいそう」と思った。
だが、米国はアフガニスタンを報復攻撃し、その後はイラク戦争も始めた。正義を掲げた戦争で多くの子どもが犠牲になった。「正義というものが分からなくなった」
高校生のとき、平和学習で広島を訪問。被爆者のおばあさんがこう言った。「勉強はね、真実を見抜く目を養うためにするのです。戦時中、お国の言うことは正しいと思っていたが、真実ではなかった」。重い言葉だった。「自分の頭で考え、見極めなくちゃ」と思った。
今年5月、友人に誘われ、安保法案に反対する「シールズ(自由と民主主義のための学生緊急行動)関西」の結成に加わった。仲間と学習会を開き、理解を深めた。
7月15日。大阪へ向かう電車で、スピーチを考えた。理論的なことより、どこにでもいる人間の、当たり前の言葉で伝えよう。スマートフォンを握り、あふれる思いを一気に書き上げた。
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寺田さんのスピーチ動画は今もネットで拡散を続ける。「沈黙している人たちに読んでほしい」など共感のコメントが多い。
一方で「これで好戦的な相手を抑止できるのか」などの反論も寄せられている。
法案は27日、参院審議入りした。寺田さんは反響の大きさに驚きつつ「今、自分にできることに最善を尽くすだけ。審議を注視し、これからも自分の頭で考え、自分の言葉で発信していきたい」と話す。(木村信行)