【記者手帳】危険な世の中を生き抜くには

 感染症以外の災害も同じだ。これまで大規模火災が発生したケースを考えると、消防車の到着にはいつも多くの時間がかかり、その間に火の手が非常に大きくなって被害が拡大するケースをわれわれは何度も目の当たりにした。そのため火災の拡大を防ぐには、何よりも消防車の通行に大きな障害となる無責任な違法駐車の習慣にメスを入れなければならない。消火活動に必要な道路をふさぐ違法駐車に対しては、米国のように容赦なく巨額の罰金をドライバーに支払わせれば、すぐにでもこのあしき習慣は改善されるだろう。道路が狭いとか、あるいは駐車スペースが足りないといったハード面ばかり問題にしていては、もしかすると明日、あるいは1カ月後に発生するかもしれない大規模火災に対して今と同じく全くの無防備状態が続くだろう。今後新しい住宅を建設する際には、火災予防のためにスプリンクラーの設置を義務づけるべきだ。ただし今住んでいる家にそのような設備がなければ、消火器を常に手の届く所に置いておき、いつでも使えるように訓練をしておかねばならない。政府は安全対策のためにこれらを法制化し、必要な費用を支出して国民に訓練をさせなければならない。

 「先進市民社会を建設しよう」といった言葉だけのスローガンを口にするのもやめよう。むしろ「われわれは危険な世の中に住んでいる」という現実を受け入れ、それに必要な対策を考えるべきだ。これこそMERSを含む数々の災害を繰り返し経験したわれわれに必要な教訓ではないだろうか。

社会政策部=朴宗世(パク・チョンセ)部長
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