北京=倉重奈苗
2015年7月27日19時43分
「改革はまずトイレから」――。中国の習近平(シーチンピン)国家主席がこのほど、北朝鮮との国境付近にある吉林省延辺朝鮮族自治州を視察した際、農村を中心に広く使われているくみ取り式トイレを抜本的に見直すよう「トイレ革命」を指示した。
習氏は2013年3月に国家主席に就任後、今月16日に初めて同自治州を訪問。ここには総人口約215万人(15年)の36・4%にあたる約78万人(同)の朝鮮族が住むとされる。
習氏は「農業の近代化加速とともに新しい農村建設も絶えず進める必要がある。農村の人々が衛生的なトイレを使えるようにしなければならない」と強調。経済発展に取り残された少数民族地区や辺境・貧困地域で生活の利便性向上を強化する方針を示した。
中国政府は17年までの3年間で、全国の農村や観光地に新設も含め5万7千個のトイレを改善する計画を策定。習指導部は庶民に生活の底上げを実感させることで、民族間の団結と辺境地域の安定をはかる狙いがあるとみられる。(北京=倉重奈苗)
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