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「法的安定性は関係ない」=礒崎補佐官が発言、与野党から批判―安保法制

時事通信 7月27日(月)20時12分配信

 礒崎陽輔首相補佐官が安全保障関連法案と憲法との整合性をめぐり、講演で「法的安定性は関係ない」と発言していたことが27日分かった。
 与野党から批判する声が上がったため、礒崎氏は同日、記者団に「法的安定性は大事だ」と修正したが、法案の参院審議入りのタイミングで飛び出した不用意な発言だけに、早速波紋を広げた。
 礒崎氏は26日、大分市で講演し、「法的安定性は関係ない。わが国を守るために必要な措置かどうかを気にしないといけない」と発言。27日には記者団の取材に、「法的安定性が変わるからおかしいという議論だけで『憲法違反だ』という言い方はおかしいのではないか」と述べ、法案を「違憲」と主張する野党などに反論した。
 これに対し、民主党の枝野幸男幹事長は27日、記者団に「礒崎氏は行政に関与する資格なしと言わざるを得ない」と述べ、更迭を要求。公明党の山口那津男代表は参院議員総会で「与党の側で政府の足を引っ張るような言動をする者が現れないよう、気を引き締めて取り組んでいきたい」と、不快感を示した。
 礒崎氏の問題は、法案を審議する参院特別委員会の27日の理事懇談会でも取り上げられ、自民党が28日に事情を説明することになった。
 一方、菅義偉官房長官は27日の記者会見で「法制は憲法9条の範囲内で、法的安定性に何の問題もない」と主張。礒崎氏の交代を否定した。 

最終更新:7月27日(月)20時33分

時事通信

礒崎陽輔

礒崎陽輔(いそざきようすけ)
所属院 選挙区 政党:
参議院 大分県 自民党
プロフィール:
1957年10月9日生 初当選/2007年 当選回数/2回