■銀行株、ロシア、ギリシャより低評価
「韓国の銀行の株価がロシアやギリシャに及ばないというのは話にならない」(トラストン資産運用のイ・ソンウォン副社長)
ウリィ銀行、ハナ金融持株、KB金融持株など韓国を代表する銀行株の株価純資産倍率(PBR)は0.52倍だ。PBRは株価と1株当たり純資産を比較した指標で、PBRが1を下回れば、株価が純資産に比べ過小評価されていることを示す。イ副社長は「大手銀行のPBRは直ちに企業を解体し、資産を分配した場合、現在の株価よりも多額の配分が受けられるほど低評価されている。韓国の銀行のPBRはロシア(0.92倍)、ギリシャ(0.55倍)を下回っており、理性的には理解不能だ」と話した。
ハナ大投証券のハン・ジョンテ研究員は「銀行業の今年の予想PBR(0.5以下)はアジア通貨危機以降で最低水準だ。金融業が大きな衝撃を受けた2008年の世界的な金融危機でも銀行のPBRは0.53倍だった」と指摘した。
銀行のPBRだけが低迷しているわけではない。金融情報業者、FNガイドによると、株価指数「KOSPI200」の構成銘柄で業績予測が示された178社のうち、1年先の予想PBRが1倍を切った企業が全体の47%に当たる84社もあった。韓国を代表する株価指数であるKOSPI200の構成銘柄の約半分が清算価値以下で取引されていることになる。例えば、ポスコは21日に19万8000ウォンで引けたが、同社株価が20万ウォンを割り込むのは2005年6月(18万3000ウォン)以来のことだ。
企業価値よりも過小評価された株式を買い、適正評価を受けるまで待つ「バリュー投資家」は、韓国を代表する企業の株価がほぼ底値だと考えて買いを入れたが、株価が一段安となり慌てている。信栄証券のキム・チャンヨン顧客資産運用部長は「韓国の製造業は品質がやや劣っても割安な中国と品質でリードし価格差も縮めている日本に挟まれたサンドイッチ状態だ。競争力強化と構造調整など企業の体質改善が進まなければ、今後の株価上昇は望めない」と述べた。