土曜ワイド劇場「おかしな刑事」 2015.07.25


(警笛)
(西澤愛子)気持ちいいねえ。
おお元気!今日も元気!キーくん!
(愛子)わあ〜!走ったねえ!おうち帰ろう〜。
あ〜キーくん。
(吠える声)あっキーくんちょっと待って!ちょっと待ってどこ行くの?キーくん!キーくん!あっそっち入っちゃダメ!どうしたの?キーくん!ああ!そっち入っちゃダメ!
(吠える声)失礼致します。
(吠える声)
(吠える声)失礼します〜。
(吠える声)
(愛子)何?これ…。
(吠える声)
(岡崎真実)新しい弁護士事務所はどう?うまくいってる?
(姉小路行人)ええ。
今度初めて仕事を任されました。
すごいじゃない!どんな案件?えっ?ああ…いやあれですよ。
ほら簡単な…ね!フフフフ…。
え?簡単なあれって…。
何よいきなり…。
(サイレン)あれ?真実さん何かあったみたいですよ。
本当だ。
(大崎通夫)何か変わった様子はありませんでしたか?いつもはいい子のキーくんがねピューッて入っていっちゃってワンワン吠えたんです。
ちょっとすいませんちょっとすいません。
(警察官)あっちょっと…。
あっお疲れさまです。
あっお疲れさまです。
大崎刑事。
岡崎警視。
(大崎)おい話伺って。
(刑事)はい。
もう情報が届きましたか?ううん出勤途中。
事件?ええこの家の住人が寝室で…。
そう…。
ええ。
ああ〜なんかゴミ屋敷みたいですね。
ちょっと君。
ダメだよ勝手に入ってきちゃ。
そうよ部外者は入っちゃダメ。
そんな真実さんまで…。
一緒に行くから。
じゃああとの事お願いします。
あっご苦労さまです。
いいのこんな事しなくて。
はい!危なっ!危ないのは君だ。
その歩きながら…やめなさい。

(和田一朗)お疲れさまです。
カモさん足元気をつけてくださいね。
はい。
どこ?
(鈴木秀樹)こちらです。
ん。
ご苦労さまです。
(和田)ガイシャは金子千里さん66歳。
(鈴木)一人暮らしでした。
ああ外も中も…。
おい。
洋服ダンス開いてたの?はい。
(和田)ホステスさんが着るようなドレスですよね。
そうなのか?いや違いますかね?頭か…。
凶器は?まだ見つかってませんがその前にこのゴミなんとかしないと。
ゴミの中に凶器が紛れているか犯人が持ち去ったか…。
厄介だな。
(木村新)凶器が鈍器である事は間違いないですね。
(工藤)特定出来るか?傷の形状から解析してみます。
昨夜11時頃近所の住人が男と言い争う声を聞いています。
押し込みですかね?こんなところにか?シッシッシッ。
(和田)出た…。
(鈴木)あっ。
恒例のカモさんダンス。
眠っていた金子さんは何者かの気配に…布団をはねのけ右腕を伸ばしその何者かの腕をつかもうとする。
一方その何者かはつかまれた腕をふりほどこうとしてよろよろっとなる。
ん…?おいここ何か置いてあったな。
四角い跡がある。
もしかするとその何者かがその四角いものをとっさに取って金子さんをガツン!どうだ?あそこに凶器があったんだ。
(木村)本体あるいは台座が四角い形状のものですね。
凶器を特定する材料になります。
ありがとうございます!さすがカモさん。
(工藤)犯人が凶器をこの中に捨てていった可能性が…。
それはどうかな?よし。
じゃあ大崎と和田は周辺の聞き込み。
はい。
(工藤)でカモさん。
このゴミなんですがお願い出来ますか?ゴミ担当?
(工藤)はい。
まあいいけど。
じゃあ聞き込み行ってきます。
うん。
はい。
この辺りで不審な人物は見かけませんでしたか?民生委員が時々様子を見にきてたらしいんでそっちを当たってみます。
「猪苗代湖観光」…。
(鈴木)カモさん!全部運び出していいですか?いやまだだ。
遺留品が紛れ込んでるかもしれん。
撤去する前に私がチェックする。
わかりました。
うん。
じゃあまず…ここからいきますか?ああ。
はい。
(藤原弘子)いつ…?いつですか?昨夜11時から12時の間。
今日もこれから様子を見に行こうと思っていたんです。
犯人は…。
いえまだ。
はあ…。
めったに金子さんから連絡はないんですが2日前に行った時は会えなくて…。
なんとなく気にはなっていたんです。
2日前の何時頃ですか?ええお昼頃です。
大体どれぐらいの割で?月に2回は顔を出すようにしていました。
金子さん食事など身の回りのものは自分で買い物してたんですかね?はい。
でも最近は息子さんが買ってきてくれるから助かるって。
息子さんですか?近所の人も若い男がうちに出入りしているのを見ているんですが息子さんに間違いないですか?はい。
金子さんはそう言ってましたけど。
会った事は?ないです。
写真は一度…。
2人で写っている写真です。
息子さんの名前とか職業とかは?いいえそこまでは…。
カモさんに。
それであのゴミなんですけどいつ頃からあのような状態に?私が担当したのは去年の今頃ですがその時にはもうかなり…。
写真?息子と?うんわかった。
写真か…。
(工藤)金子千里66歳。
本籍は福島県猪苗代町。
7年前現住所に移転。
それ以前は十条駅近くでスナックちさとを経営しておりました。
少なくとも1年以上前から自宅にゴミを溜め込んでいたようです。
鴨志田く〜ん!彼はゴミの担当でお疲れなんだから…。
次にガイシャの息子金子正春なんですが…。
おお見つかったか?非嫡出子である正春は3年前にアメリカで事故死しております。
何?それは間違いないのか?はい。
確認は取れています。
え〜担当の民生委員及び近所の聞き込みから30前後の男がガイシャ宅に出入りしており2人で撮った写真もあったと。
その写真は見つかったのかね?どうなんだ?大崎。
いやあの…カモさんが探してたはずなんですが。
(机を叩く音)あ…写真はまだ見つかっておりません。
だったらそれ早く〜。
寝てないで〜。
決して熟睡をしていたわけではありません。
今夜は徹夜になりそうなので20秒ほど仮眠を。
なんかうまいんだよなあ言い訳が。
は?
(三浦由紀子)ああこれ行人さんの大好物。
あれ全部叔母さんが?とんでもない。
買ってきたんですよ横浜ですから。
ああそうだよね。
ええ。
何そこでごちゃごちゃ言ってるの?あっ叔母様ご飯は普通盛りで?ちょっと少なめにして。
はい。
うわ〜。
うわ〜うまそう〜!でしょ?真実さんお父さんは?ああ鴨志田さん今日は泊まりになるかもです。
じゃあ頂きましょう。
では乾杯!
(真実・姉小路)乾杯!う〜ん。
ああ…。
今日は行人さんの弁護士としての初仕事のお祝いですから中華街でも一流中の一流店で買いました。
フフフフ。
ありがとうございます。
さあ召し上がれ!
(真実・姉小路)はーい。
いただきまーす!あっそれはそのまま食べて。
味がついてるから。
あっはい。
フフフ。
でもすごいわねえ。
いきなり離婚の調停だなんて!初仕事って離婚の調停だったの?はい…。
美味しいですね叔母さん。
でしょ?一流中の一流ですもの。
フフフフ…。
調停って事は話し合いがつかなかったって事よね?はい。
結婚もしてないのにすごくない?そんな事ないですよ。
(由紀子)あっそれおしょう油つけていいのよ。
あっはい。
やっぱり鴨志田さんにも少しとっておこうかな。
ああそうですね。
真実さん前から気になっていたんだけれどどうしてお父さんの事を鴨志田さんって言うの?それは…。
それはね叔母さん同業者ですからお二人は。
まあ何かと…。
ああそういう事ね。
このエビチリが絶品なのよ〜。
ああすいません。
(由紀子)はいたくさん食べてね。
(姉小路)は〜い。
(姉小路)わあ一流だ〜。
(由紀子)ウフフフフ。
(大崎)ああもう!それにしてもどうしたらこんなゴミ溜まるんだよ。
え?なあ!これはいいですよね?スリッパはいいんじゃないか?はい。
待て。
とりあえず台所。
(鈴木)はい。
これどうしましょうか?雑誌か。
とりあえず台所でいいですか?ああ。
はい。
ふう…カモさん。
写真とか手紙1カ所にまとめてる可能性ありますね。
そうだな。
はあ〜。
叔母さんがいないとこんなに静かなんですね。
コーヒーいれますね。
うんありがとう。
よいしょ。
どうぞ。
行人くんって基本的に優しいんだ。
何がです?私に気を使ったんでしょ?さっき叔母さんに。
ああ…。
ひょっとして今回の案件の夫婦に小学生の娘さんでもいたわけ?ハハ…実はそうなんです。
鴨志田さんとお母さんが離婚した時真実さんは小学校3年生でしたよね?うん。
全く同じなんです。
ふ〜ん…。
なかなか出てこねえな。
うん。
はあ…カモさん。
今日はこのぐらいにしておきますか?いや見つかるまでは…。
本当に徹夜するつもりですか?今のところ唯一の手掛かりだから。
係長はどうぞ。
いやそんなわけいかないじゃないですか。
さてと始めますか。
おい次向こうの段ボール。
はい。
(工藤)よし頑張ろう。
(工藤)これ運んで。
お願いします!はい。
おいここは俺たちでやるから鈴木向こう探せ。
わかりました。

(掛け時計の時報)あった…!写真です!
(鈴木)ありました!これだ…。
見つかりました。

(ため息)
(工藤)この男の特定に全力をあげる。
(3人)はい!うんご苦労だった工藤係長。
署長。
あの息子を名乗っていた男は何者なんですかね?名乗っていたというのはおかしいだろ。
ガイシャ本人が息子だと言ってたわけだから。
ああ〜そうですねああ…。
もしかして息子業かも…。
(坂下)ん?何か言ったか?息子業です。
財産目的で後妻に入るヤマがありましたね。
あっちが後妻業ならこっちは息子業。
何が息子業だよ…。
ねえ?工藤係長早速息子業の線で洗ってくれ。
はい!おい行こう!
(3人)はい!
(大崎)当たるか。
(和田)よし。
あっなるほど…息子業ですか。
あっさすが署長ですねえ!あの…鴨志田くん!鴨…。
坂下くん。
ゆうべは遅かったんだから少しぐらい。
いやでも…。
はい。
はいはい。
はい。
(坂下)あっ鴨志田くん。
みんなどこ行ったかわかるよね?はい。
でも私はガイシャの部屋の片付けがありますのでそっちのほうを。
それはそうだ。
大変だろうがよろしく。
扱いづらいよなあベテランは。
(電話)
(坂下)はいはいはいはい…。
(電話)武井弁護士?武井?ご無沙汰しております。
弁護士の武井です。
どうも。
行人くん何かやらかしました?うーん今のところはまだ…。
どうもフフ。
鴨志田くん知り合い?ええええ。
1年ほど前の事件でちょっと。
ああ…。
実は金子千里さんの事で…。
ああ…。
刑事課の坂下です。
署長の星田です。
さあどうぞお座りください。
あっ。
それで…?実は私金子さんの遺言作成の相談を受けておりまして。
本当ですか?詳しくお願いします。
守秘義務があって全てをお話しするわけには参りませんが…。
話せる範囲で結構です。
はい。
相談に見えたのは今年の初め頃です。
(武井)全財産どこかに寄付したいという事ですね。
(金子千里)そうです。
でもどこに寄付したらいいのか…。
(武井)わかりました。
こちらでいくつかの団体のリストを作りましょう。
はい。
息子さんの話は出ませんでしたか?息子さんは3年前にアメリカで…。
ええそうなんですが…この写真の男が息子のような存在だったらしいんです。
(武井)ああ〜そんな話は聞いてませんね。
相談は一度だけでした?いや2カ月ほど前に電話で。
全額寄付するのを迷っていると。
でその財産というのは家と土地の事ですか?あと現金で500万。
えっ…。
あっ!しゃべってしまった。
ダメでしょう!何が?私はもう何もしゃべりませんよ。
ああっ!失礼します!え?え?え…?
(ドアの開閉音)じゃあなんで来たんですかね?情報提供がしたかったんだろうが弁護士としてのプライドがあるんだろう。
とにかくまあいいネタが取れたんだから。
はい。
犯人はその500万が目当てという事ですねうん…。
(篠原康正)ああ…。
ゴミ屋敷らしいねこの家。
お知り合いですか?ああいやいやたまたま通っただけでね。
ああ。
ハハハ。
500万もの大金がこの部屋に…?
(引き出しを開ける音)
(ノック)失礼します。
お呼びでしょうか?
(田中孝典)この事件知ってるね?あ…はい。
被害者の金子千里さんという女性実はかつて大物政治家と深〜い関係にあってね。
深〜い関係とは?ラマ〜ン。
日本語で言ってください。
何を怒ってるんだね?別に。
あっこの間の飲み会の事か。
しょうがないだろ向こうのご指名だったんだから。
そんな話はいいです。
その大物政治家って誰ですか?元文部科学大臣の河合敏夫。
え?7年前に亡くなってるけどね。
その元大臣の愛人だったっていうんですか?そう。
その事と今度の事件が…?実はね…旧河合派飛鳥山会の何人かの議員に不正献金疑惑が持ち上がって東京地検特捜部が動いてるんだ。
はい。
特捜に恩を売るチャンスだ。
君お父さんに張り付いて不正献金に関わる事実が出てきたら教えてくれ。
嫌?いえ。
やらせて頂きます。
はあ…高いんだろうなあ。
(物音)おっと…。
あっ。
え?なんでお前が?なんか手掛かり見つかった?おい勝手に触るんじゃないよ。
ここはちゃんと私が一人で計画立ててやってるんだから。
うわっすご〜いこれ!1着20万はするんじゃない?おいいいのか?警察庁の仕事。
このタンスの中は割ときれいよね。
自分が一番輝いていた頃を大事にしたかったのかな?そもそも片付けられないっていうのは俺にはわからん。
無気力ってのもあるみたいよ。
ん?何かがきっかけで。
ああ…。
息子がアメリカで死んだのが3年前だ。
それがきっかけかもしれないわよ。
大事な人を亡くした喪失感孤独感…。
その孤独を埋めるためにわざわざゴミを拾ってきたりする人もいるみたい。
それがこれか?そうね…。
うわ〜!あっちの部屋まだ全然片付いてないわね。
ここはまるで…物置だな。
ねえ鴨志田さん。
ここにあるものってなんか女性の持ち物って感じがしないけど…。
ん?ほら見て。
あの服だって男物だしスーツケースも鞄も…。
これみんなアメリカで亡くなった…。
息子の物?きっとそうよ。
全部ここに運んだのよ。
それをいつまでも捨てられなくて身の回りを物で埋め尽くす事によってなんとか心のバランスを保ってたんじゃない?さすがなんとか!って言わないの?お前本当にいいのか?仕事。
いいのよ。
まさか上司と…。
うんまあそんなところ?やっぱ…えっ?ねえ十条でスナックやってたのよね?その時代に来てたお客の名刺とかなかった?何よボーっとしてないで。
こういうところにあったりする…。
(工藤)金子千里さんがスナックちさとを閉めたのが7年前の7月。
あなたが働いていた時期は?
(棚橋早苗)いたわよ閉めるまで。
働き出したのはその3年前。
2005年から2008年まで。
店を閉める理由はなんだったんでしょう?な〜んだったかしらねえ…。
あ…。
あっ。
そう…疲れたって言ってた。
この世界長いからママは。
疲れた?だって上野でホステス始めたのが18の時よ?それから池袋銀座でしょ?そのあと十条でスナックやり始めてやめた時が59だから…何年?41年。
そんだけやりゃあ疲れて当たり前よね。
金子さんに最後にお会いしたのはいつでしょう?え?まさか私を疑ってるんじゃ…。
ああいや…。
何か恨まれてる様子はなかったか知りたいだけです。
それはないと思う。
だっていい人だったもん。
面倒見よくてさ。
で最近お会いしたのは?最近も何も正春さんが亡くなった時よ。
ふらっとうちの店来て…。
その時が最後…。
武井先生と被害者の金子さんはそもそもどういう関係なんでしょう?
(武井)弁護士と依頼人の関係ですよ。
民生委員の藤原さんの紹介でしたね。
もうよろしいですか?
(大崎)いやあの…金子さんと最後にお会いになったのは?うん時間がもったいない。
事件当夜はどこにいたか聞いて頂けますか?
(せき払い)どこにいたんですか?うん一昨日の夜はここで一人金にもならない案件の資料を…。
(姉小路)ただいま帰りました。
あっお客さん…。
(せき払い)
(武井)姉小路くん!
(姉小路)はい。
(武井)東王子署の刑事さんたちだ。
お茶を頼む。
私にね。
はい。
あれ?どこかで…。
(和田)ん?あっ!どうしました?一つ思い出しました。
教室!ああカモさん。
パソコン教室の何かありませんでした?パソコン教室?ええ。
あの…例のあの息子業の男ですよ。
勝手に触るな!え?ちょっとどうしたの?そんな大きな声出して。
あっ警視。
今日は…?ああ…いやあの警察庁もこの事件に関心を示してるの。
それで何か?あっはい。
ガイシャがふた月ほど前からパソコン教室に通っていた事がわかりまして。
パソコン教室?あっ…教材だったら見たな。
えーと雑誌類雑誌類…。
え〜…。
あっ…これだ。
ガイシャはこの教室の誰かと親しくなった可能性が。
それが例の息子代わりの男ね。
恐らく。
特定を急いで。
はい!
(ため息)あっそうだ…。
食べる?はい。
いらん。
何よ〜!あっ…手柄取られたのがそんなに悔しいんだ。
2カ月前だ。
教室に通い出した時期と一致する。
何が?ガイシャはその頃遺言の事で弁護士に電話してるんだよ。
(和田)これなんですが…。
(弘子)あ…はい。
(弘子)私が見たのはこの写真です。
(和田)金子さんはパソコン教室に通っていたみたいなんですがそれについて何か?いえ何も。
ところで遺言の件で武井弁護士を紹介したのはあなたですか?はい。
武井先生とは?以前相談センター主催の法律セミナーでお世話になったもので。
なるほど。
遺言を作成したいというのは金子さんのほうから?はい。
心配だったんでしょうね財産の事が。
でもタンス預金が500万もあったなんて驚きました。
そうですか。
(携帯電話)あっちょっとすいません。
(携帯電話)もしもし?写真の男特定出来たぞ。
パソコン教室の講師だ。
行くぞ。
はい。
こちらが安田さんの部屋です。
すいません。
ありがとうございます。
お前奥見てこい。
はい。
隣の部屋にもいません。
(工藤)安田晴男37歳。
表向きはパソコン教室の講師。
本業はデイトレーダー。
(工藤)自室にあったパソコンを解析中ですが株為替の取引で1000万近い損失を出している事が判明しました。
(工藤)安田晴男が交際している女性です。
二宮裕子31歳。
逃走したとみられる安田が彼女になんらかの方法で連絡を取ってくる可能性大とみて現在捜査員を張り込ませています。
お待ちどおさまでした。
ごゆっくりどうぞ。
へえ〜これが茶の間にね。
河合敏夫の秘書か…。
なあ警察庁が関心を示してるって本当なのか?まあね。
それよりその人今は政治評論家になってる。
え?この男…。
お知り合いですか?ああいやいやたまたま通っただけでね。
知ってるの?
(ドアベル)どうぞ。
まだ客は来ませんから。
かけてください。
何か飲みます?いや。
早速なんですが金子さんは正春さんを女手一つで育てたわけですよね?はい。
その辺の事ってなんか聞いてます?少しはね。
多分正春さんのお父さんとは亡くなるまで付き合ってたと思う。
その方は?知らない。
でもパパって言ってた。
パパ…。
もしかしたら…。
もしかしたら?わからないわよ。
私の勘。
ええ。
そのパパが死んじゃったんで店閉める気になったのかも。
それは十分考えられますね…。
ん?そのパパと呼ばれていた人なんですけど職業は?わからない。
ママ口が堅かったから。
ああ…。
この名刺がね金子さんの部屋で見つかったんです。
篠原…。
ああ!この人来てましたね店に。
なんかいつも大きな事言ってて…私は好きじゃなかった。
この人がパパって事は…。
ない。
100パーない。
ママのタイプじゃないもん。
でも男と女の関係なんてのは…。
何?いやそういう表面的な事だけじゃなかなかわからんもんじゃ…。
この方河合代議士の秘書をやってたんですよね?よくは知らないけど俺は政治家になっていずれ大臣になるとかしょっちゅう吹いてたわ。
冗談じゃねえよまったくよ…。
あっ!もう…。
政治家なんてのはいい加減なもんだよ。
え〜?先生と呼ばれて大きな顔したい!公費でもっていい思いして荒稼ぎしたい。
そんなスケベ野郎ばっかだよ。
そんなのになりたいの?篠原さんは。
そんなのだからなりたいの。
ハハハハハ!ねえママ。
へえ…あの人が評論家に?なんだか笑っちゃうわね。
(チャイム)いないか…。
現れないですね。
ああ…。
(ため息)あ〜。
よいしょっと。
(鈴木)あっ!どうした?ん?
(鈴木)お風呂だ。
お前ちょっとどけ。
イテッ!僕が見てたんですよ?うるせえなちょっと黙れお前。
これ僕の担当じゃないですか。
おい!全然見えねえぞ…。
(鈴木)見せてください。
(大崎)双眼鏡出せ!双眼鏡。
(大崎)貸せ貸せ…。
貸せってんだよお前!ちょっと返してくださいよ…。
おい!何もめてんだ?あっ!カモさんいつの間に…。
ご苦労さまです。
動きはないか?
(2人)はい。
差し入れだ。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
おい。
あっはい。
どっこいしょ。
あの…カモさん。
昼間はどうもすいませんでした。
いや…俺もついカッとなった。
ハハ…。
ハハ…。
でもいいよな…エアコン付きでさ。
ハハ。
昔はさ扇風機もなんにもない蒸し風呂みたいな部屋で1カ月張り込んだ事があったよ。
(2人)うわ〜!交代するか。
はい。
ああすいません。
はいどいて。
あっはい。
今はお風呂に入ってます。
あっそう。
(大崎)いただきます!うん。
おい。
あっ…。
よし。
うん…。
おっ出てきた。
えっ!?嘘だよバ〜カ。
ちょっとカモさ〜ん。
あとはもうやりますから。
いいわよ行人くんだって仕事してるんだから。
すみません。
離婚調停はうまくいってる?それが思ったより複雑で…。
原因はなんなの?夫のモラハラです。
モラルハラスメントね。
ええ。
でも夫はそんな事した覚えはないと。
ああ…証拠がないんだ。
ええ。
言った言わないで。
そう…。
それは大変ね。
鴨志田さんの場合どうだったんですか?え?あ…。
真実さんその辺の事は…。
ああ…。
聞いてるわよもちろん。
とにかく全然家に帰ってこなかったみたい。
ああ泊まり込みですか。
うん…。
昔はほら刑事が足で稼ぐ時代だったし。
鴨志田さんああ見えて真面目だし。
だから遊んでもらった事も家族で旅行した事も…。
父親失格ですね。
真実さんがお父さんと呼べないのは当然です。
(大崎)昔は恐ろしい先輩がウジャウジャしてたらしいですね。
ああ。
ちょっとでもヘマやらかしたらバシッ!って。
口答えなんてしようもんならバシッ!バシッ!う〜わ…。
じゃあ辞めたいと思った事も?そりゃあ…。
フッ…。
(セミの鳴き声)
(風鈴の音)おいカモ奴はまだ現れねえのか?はい。
ちゃんと見張ってろよ。
はい!
(ツクツクボウシの鳴き声)バカ野郎!何寝てるんだよ!すいません!ちゃんと見とれと言っただろうが。
はい。
しっかりしろ!はい!
(鴨志田五月)「お疲れ様。
あなた忙しいでしょうからしばらく真実を連れて実家に帰ります」「五月」
(カメラのシャッター音)カモさん。
どうした?現れました。
安田か?
(大崎)恐らく。
おう。
(カメラのシャッター音)ああ間違いない。
(安田晴男)走ってました。
(工藤)ジョギングですか?はい。
何時頃?部屋を出たのが11時すぎです。
大体1時間くらい…。
証明出来ますか?途中で誰かと会ったとか…。
どうなの?
(安田)誰にも会ってません。
金子さんと知り合うきっかけは?僕が講師をしているパソコン教室で。
それはいつ?2カ月ぐらい前です。
僕はやってませんよ何も。
じゃあどうして姿を消したんですか?こういう事になるのが嫌だったからです。
犯人が捕まったら警察に…。
警察に…?あなた何か知ってるんですか?どうなんだ?事件の3日前だったと思うんですが頼まれた食料品を持って家に行った時…。
(物音)大丈夫ですか?あっ…買ってきてくれたの?ありがとう。
今の男誰ですか?昔の知り合い。
いいのいいの気にしなくって。
昔の知り合い?それだけですか?はい。
その男の特徴は?いやわかりませんよ。
「後ろ姿をちらっと見ただけですから」
(坂下)嘘だな…。
苦し紛れの作り話だなありゃ…。
なあ?鴨志田くん。
いやまだなんとも…。
え?私の心証はクロだなあ。
(工藤)部屋のパソコンを調べたが株と為替でかなりの損失が出てるね。
約1000万円。
最初にマイナスを出したのが3カ月前。
関係ありません!そのあと金子さんに近づいてる。
あんた…金が欲しかったんだろ?僕はやってません!あれはクロだな。
真っ黒だ。
君はどう思う?で金なんですが…。
おお…金な。
それは確かに気にはなるんだ。
デイトレの穴埋めにまだ使われていないし女の部屋からも見つかってない。
どこかに隠してほとぼりが冷めるのを待ってるんじゃ…。
でどうなんだよ?君の心証は。
うんうんうん…。
わかりません。
えっ!?張り合いないな〜!
(チャイム)
(篠原)「どちらさま?」あっ!東王子署の鴨志田と申します。
ああ…あなた昨日会った刑事さん。
参ったなこりゃ…。
どうぞ。
何が参ったんですか?いやたまたま通っただけなんて言っちゃったからさ疑われちゃったね。
ねえ疑ってるんでしょ?失礼しまーす。
どの辺まで知ってるの?まあまあ…。
コーヒー飲みます?いや結構です。
あの…金子さんのお宅には何度ぐらい?何言ってるの?昨日初めてだよ。
ああ…。
しかし金子さんの部屋からねこんなものが出てきたんですよ。
え?
(篠原)いつの名刺だよ…。
あっ店だ!十条の…。
秘書をやってた時に何回か行ったからね。
ああ…。
パパ。
え?なんて呼ばれてました?誰?ですから金子さんに。
ハハ…ご冗談を。
え?違うんですか?秘書なんか愛人囲えるほどもらってませんよ。
あっそうなんですか…。
それでいて政治家の尻ぬぐいはいつも秘書…。
割に合わないよね。
パトロンがどなたかは…。
さあ?いた事はいたんでしょうが…。
なるほど。
言えませんよね誰かなんて。
ハハ…。
金子さんとはどういう?ただの客ですよ私は。
最後に会われたのは?彼女がスナックをやめてからは一度も会ってません。
新聞で事件を知ってそれで昨日…。
お悔やみに。
そりゃ昔通ってたスナックのママだからね。
通ってたんですか。
ええまあ。
さっきは何回かって言ってましたから…。
言葉尻つかむね。
ああ…仕事なんで。
通ってたってほどじゃないね。
月に1〜2回か。
はあ。
「月に1〜2回」と…。
それとこれは事件関係者誰にでも聞いてる事なんですがね…。
ああアリバイね。
えーその日はね…。
ああ!池袋で区会議員と飲んでましたね。
ちょっと飲みすぎて気がついたらこのソファで寝てました。
その区会議員の名前は?娘ですよ河合敏夫の。
河合みどり。
へえ〜区会議員をやってらっしゃるんですか。
そう。
次の選挙の相談をされましてね。
ほうそういう仕事も。
また疑ってるねその顔は。
すいません。
職業病でしょうか。
別に違法な事を伝授していたわけじゃありませんよ。
はい。
ちょっとしたテクニックをね。
親父さんには世話になったからその恩返し。
はいありがとうございました。
ああそれと…。
なんです?心当たりは?犯人の。
私が知るわけないでしょう!本当に?しつこいねえ…。
ああ先生の息子に聞いたら何かわかるかもね。
河合さんの息子?ええ。
赤坂で流行らないバーやってるよ。
そのバーの住所と妹さんのほうも…。
すいません。
(河合みどり)ご苦労さま。
明日もよろしくね。
(2人)はい。
(みどり)ありがとう。
すいませんねお忙しいところを。
ああいえいえ。
3日前の夜ですか?はい。
どうぞおかけください。
あっ…。
えー顧問の篠原先生と池袋の料亭で会ってました。
それは何時頃でしょうか?えっと…私は12時頃までいましたけど篠原さんは10時頃帰られました。
10時…。
帰りはタクシーで?はい。
タクシー会社はわかりますか?まさか…篠原さんを?いやいや関係者には事情を聞いてるんです。
えっと確か…。
あ…。
このお店に聞いてみて頂けますか?どうもありがとうございました。
いいえ。
父が生きてた時はこんな事なかったのに…。
お前何か知ってるんじゃないのか?知らないわよ。
ガイシャのパトロンの河合代議士のこれ関係してるんじゃないの?今はまだ何も話せません。
口が堅いねえ誰に似たのか。
誰でしょうねえ?あっところで今行くところ俺たちはただの客だからな。
わかってます。
河合久仁雄48歳。
実業家を目指すも3度会社を倒産させ…。
うん。
(河合久仁雄)どうぞ。
では…。
聞いてたとおりだわ。
スコッチが似合う大人のバー。
恐れ入ります。
マスターは河合敏夫さんの息子さんよね。
あ…よくご存じで。
まあ不肖の息子ですが。
私もこちらも北区に住んでるのよ。
ああそうですか。
いやあ立派な親父を持つと息子は大変ですよ。
ですよね。
おい…。
いやいや本当ですから…。
息子だけじゃない親父がかわいがっていた議員も今は世間を騒がせています。
まあまあ私も後を継いでいたらこっちの口だったかもしれません。
ハハハハ…。
でもお父さんは本当にクリーンでしたよね。
スキャンダルなんて一つもなかったし。
ん〜…。
えーっ!なんかあったんですか?いや…私は何も知りませんが息子としては少しぐらい財産を残してほしかったですがね。
それはそうよねえ。
あっ…。
家も土地も全部抵当に入ってましたから私がもらったのは親父が集めていた骨董品ぐらいなものですよ。
ほう骨董品ですか。
ええ。
まあ大したものはありませんがね。
そうそう。
あの壺もそうですよ。
まあ1億ぐらいは…。
えっ!?1億?本物ならね。
ハハハハ…。
ああ。
なんだ…。
ハハハ…。
なんでまたここに来たの?お前は帰っていいよ。
それにしても事件の3日前に安田が見た男って誰なんだろう?何を探してるんですか?うーん…わからん。
ええっ!?闇雲に手掛かり探してるわけ?河合代議士の息子が言った事が気になってな。
何?財産だよ。
ガイシャのパトロンだったら何かを残してるかもしれんだろ。
河合代議士が千里さんのパトロンって決まったわけじゃないでしょ。
このガラクタ何?ああ…。
床に落ちてたものを集めただけ。
すご〜い!ねえねえねえねえ。
フフッ。
入っちゃった。
お見事。
ん?かわいい子もいるじゃない!叔母さんの気持ちもわかるわ。
この中で決めたら?冗談じゃないですよ!他人事だと思って…。
あれ?その駒どこにありました?探してたんですよ。
これは君のじゃない。
被害者の家にあった駒よ。
ちょっと見せてください。
いいけど?あっ!これは随分いい駒ですね。
え〜?行人くんわかるの?いい駒かどうかなんて。
わかりますよ。
言ってませんでしたっけ?僕中学高校と将棋部ですよ。
そのわりに弱いよね。
将棋は間を置くと棋力が落ちるんです。
そんな話よりそれはどこがいい駒なの?どこがって専門家じゃないからよくわかりませんが字体といい色の感じ…これはかなりの年代物ですよ。
年代物?古いって事か…。
私が見つけたのよ。
何度も言うな。
ここ!
(市川良雄)そうですね。
間違いなく明治あるいはそれ以前に作られた駒ですね。
そんなに古いものなんですか?はい。
作者まではわかりませんよね?ええ。
まあ玉があれば…。
ぎょく?たまご?いいから。
そうですよね。
よく刻まれてますね作者名が。
という事は桂馬だけではこの駒の価値はわからんという事ですか。
天童へ行けば日本で一二の目利きがおりますが。
天童…。
あっ将棋の駒で有名な山形の…。
そうなの?なんにも知らないんですねお嬢さんは。
歩きながらのそれはやめなさい!それがもしすごい駒だとしたら出どころは河合敏夫?骨董品が趣味だって息子が…。
お前やっぱり知ってたのか。
ごめんなさい!口止めされてたの…。
ホシの狙いはこの駒かもしれんな。
うん。
今から出れば3時には天童に着くわ。
まあ行きたいのは山々だがあの課長がな…。
私を誰だと思ってるの?あっ!そうだ。
じゃあここはどうかひとつ。

(工藤)部屋にあった金子さんが使っていたパソコン。
このパソコンは息子さんがアメリカで使っていたものです。
見た事あるんだね?ええ。
金子さんはこのパソコンを操作したくて教室へ行ったという事ですか?はい。
(安田の声)息子さんの写真が保存されてましたから…。
ここ?はい。
クリックして頂いて…。
(安田)アップするところがあるんですよ。
これで?そうです。
クリック…。
(大崎)金子さんあなたの事周りには息子だって言ってたんだよね?その事についてどう思ってたの?時々本当の母のように思った事も…。
(机を叩く音)そんな人をあなたは…。
違います!僕は本当に…何も…。
ここが天童か…。
まずは将棋資料館に寄ってから行こう。
えっと駅前だって言ってたんだけど…。
あれだ!あっ本当だ。
駅中だ!ハハハ!そうだね。
ほう!これが…へえ〜。
お侍がねえ…。
鎌倉時代だって。
うん。
…の中将棋。
あっ!これ室町時代ので130枚の大将棋だって。
おい。
ん?こっちは354枚だ。
えーっ!泰将棋だってさ。
すごいね!「勝負がつくのは2年後といわれている」ええっ!?嘘だよ。
やられた…。
もう!「織田信長の次男」へえ〜。
ほう…。
武士の手慰みか…。
大橋宗桂か…。
ねえそろそろ行こう。
うんそうしよう。
ほほう路上詰将棋か。
珍しいな。
え〜難物だな。
まずは1六金。
同桂馬か。
鴨志田さん何やってるの?「何やってるの?」って詰将棋だよ。
そんな遊んでないで行くわよ。
いやでも…。
ほらほら!同桂馬じゃ…。
あっあそこだ。
ここね。
ああ。
ごめんください。
いらっしゃいませ。
彫師の峰さんはいらっしゃいますか?警察の駒の鑑定の方ですね?そうです。
あちらです。
ああ…。
失礼します。
お仕事中のところ申し訳ありません。
ほう…。
(峰恭平)ちょっと待ってくださいね。
はい。
駒の鑑定でしたかね。
はい。
これなんですが…。
お願いします。
ほう…珍しいですね。
薩摩黄楊ですね。
(峰)これは11代大橋宗桂が彫った駒ですね。
あの大橋宗桂の11代目ですか?はい。
間違いありません。
誰なの?あとで。
これをどこで?いやそれは…。
事件に関係してるかもしれないので…。
私が最後に見たのは昭和38年…いや41年の大山・升田の…。
名人戦?そう。
確か4勝2敗…いや4勝…。
また見られるとは思わんかった。
そんなに貴重なものなんですか?はい。
幻の駒とも呼ばれております。
幻の…。
それではこの価値は計り知れないですね?でもまだ売買はされていないでしょう?1枚欠けてますからね。
ねえなんの話かさっぱり…。
資料館にもあっただろ?初代の大橋宗桂という人は名人を名乗った最初の将棋指しなんだよ。
あ〜…じゃあ江戸時代の人?もっと前。
あの信長秀吉家康に仕えて将棋を披露したとも伝えられている。
えーっ!?その11代目が彫った駒?いやはやとんでもないものを見つけてしまったもんだ。
私がね。
河合敏夫はどうしてそんなすごいものを彼女に…。
息子と娘には渡したくなかったのよ。
愛してたのね千里さんを。
いやしかし1枚欠けてるから…。
あれ?置いてきちゃった。
やだ!私に持ってろって…。
ああそうだった。
なくすなよ。
行こう。
え〜?大丈夫?さあ…。
怪しい。
おいちょっと待て。
あっ…何?結構そばだな。
何が?猪苗代湖。
寄っていくか。
猪苗代って金子千里さんのふるさとね。
何かつかめるかもしれん。
そうね。
うん行こう。
わあ〜きれい!ああ。
ここはあの頃と変わらんな。
あの頃?ハハッ…お前が生まれる前母さんとここへ来てるんだ。
ねえ…。
ん?私一度聞いてみたかったんだ。
なんだい?鴨志田さんが離婚した時の事。
そんな何十年も前の話…。
忘れちゃった?お母さんが私を連れて家を出る時の事はっきり覚えてる。
今でも不思議なんだけどお母さん悲しそうじゃなかったの。
むしろ楽しそうに「大丈夫絶対迎えに来るから」って…。
でも来なかった。
鴨志田さんが来たのはお葬式のあと。
どうして?事件の真っ最中だった。
お母さんが入院した時も?時間を作って行こうとしたさ。
でも仕事を優先させた。
お母さんずっと待ってたのに…。
鴨志田さんが離婚届に判を押したのお母さん知らなかったのよ。
最後まで…迎えに来るって信じてた。
向こうのお父さんにこれ以上娘を不幸には出来ないって説得されて判を押した事今でも後悔してる。
本当に?ああ。
あの時私は刑事の仕事に燃えていた。
一方で卑下もしていたんだ。
家族を犠牲にしなきゃ務まらん…。
そんな仕事だからな。
でも…あんなに早く逝くとは思わなかった。
へえ〜お母さんと来た事あるんだ。
ああ。
なんだか申し訳ないな。
手掛かりつかんで帰れば帳消し。
そうだな。
じゃあ…。
いただきます。
いただきます。
でも犯人の目的が現金の500万か幻の駒かで犯人像は変わってくるわよね。
いや両方って事もあるぞ。
でもどっちにしても殺す事…。
殺す事が目的じゃないって事ね。
盗みに入って気づかれ殺害…。
あの駒の価値を知ってる人間は?う〜ん…考えられるのは元秘書の篠原河合の息子の久仁雄娘のみどり…。
そうか…久仁雄は事業で失敗してるしみどりは選挙でお金が必要だったはず。
でもそんなすごい駒だって知ってたかな?う〜ん…。
知ってたらもっと前になんらかの方法で奪うか。
うん…。
だとすると元秘書の篠原…。
あっ安田晴男もいた。
あっ…ちょっとそこまでにしよう。
せっかくのごちそうだから。
あっ…うん。
なあ?お母さんずっと待ってたのに…。
あんなに早く逝くとは思わなかった。
すいません。
はい。
この人なんですけど見た事あります?どうですか?すいませんすいません。
この男の見覚えありません?いや…ないですね。
あっそう。
どうもありがとう。
あっおじさんすいません…。
逃げないで逃げないで。
あのねこの男見覚えないかな?暗くて見えん。
ああごめん。
こっちこっち…。
この辺りを走ってたんだけど見覚えありませんかね?えっ…?あっ!み…見た。
知ってる知ってる。
千里さんの同級生で地元に残ってるのは3人。
当たってみる?そうだな。
(西野妙子)同窓会には1回も顔出さなかったね。
じゃあ地元を出てから一度も?だと思いますよ。
あっ一度千里ちゃんを見かけたって話があったね。
それはいつ頃です?もう随分前。
ホテルリステルの老人介護保険施設で。
(セミの鳴き声)すごい鳴き声ね。
ハハッ…。
ん…?ここだな。
はい。
あっ!どうした?今大崎刑事と鈴木刑事が…。
えっ?東京の東王子署の者ですが…。
この方入居希望で来られませんでしたか?おい大崎鈴木。
カモさん!岡崎警視も!ご苦労さま。
私たちも金子千里さんの故郷で聞き込みをしていたの。
あなた方は?はい。
安田がシロだと判明しまして…。
えっ?どういう事?アリバイが成立しました。
目撃者がいたのね?はい。
その安田の口からこの施設の事が…。
湖の近くにあるケアハウスの話も…。
ケアハウスがなんだって?この先他人のお世話になるならあそこがいいかなって…。
ここが開設された時一度来ているそうです。
あっ…。
(菊池明)お待たせしました。
事務長の菊池です。
どうも。
あっすいません。
あの…河合代議士は何か関係してるんですか?
(菊池)ああはい。
当時秘書をされていた篠原さんの口添えで当施設の開設にあたり大変ご尽力頂きました。
鴨志田さん…。
うん。
あの…篠原さんと隣に写っている女性との関係は何かご存じですか?ああその女性もこちらの出身で篠原さんとは同級生だとお聞きしています。
同級生?
(菊池)はい。
あの人そんな事ひと言も…。
金子さんとはどういう?ただの客ですよ私は。
篠原さんはどうして金子千里さんと同郷だって言わなかったのかな?確かに引っかかるわね。
ありがとうございました。
我々東京に戻って河合敏夫の息子久仁雄を当たってみます。
ああ。
カモさんはどうします?元秘書の篠原を洗ってもらいます。
わかりました。
失礼します。
ご苦労さん。
(田中)一向に報告が上がってこないがどうなってるんだ?現在捜査中です。
そりゃそうだろ。
君のお父さんも焼きが回ったか。
ずばり言おう!私は元秘書の篠原康正が怪しいとにらんでいる。
つまり愛人だった金子千里は旧河合派飛鳥山会の不正献金の何か重大な証拠を持っていた。
篠原はその証拠を握って飛鳥山会の議員をゆすろうとしていた。
どう?この推理。
じゃあ私もずばり言います。
(田中)えっ?金子さんが殺害された事件と飛鳥山会の不正献金疑惑とはなんの関係もありません。
これが私の報告です。
君断定したね?断定していいんだね?はい!黙って捜査のプロである刑事の仕事を見ててください!失礼します。
生意気に…。
そうですね…。
その方でしたら権現山公園で降りてます。
そうですか。
ありがとうございました。
いえ。
パソコンっていうのも覚えちゃうと便利なもんだよね。
刑事さんは?いややりません。
簡単だよ思ったより。
よしここまでにするか。
…でなんですか?ええ事件当夜のアリバイについてなんですが…。
気がついたらここで寝てたって言ったよね。
はい。
どうぞ。
あっどうも。
本当の話だよ。
池袋の料亭を出たのが10時頃。
ええ。
タクシーでここまで約30分。
あっ俺が乗ったタクシー見つけた?ああ料亭でタクシー呼んだんですよね。
すぐにわかりました。
なんて言ってた?あなたはそれほど酔ってなかったと。
そう見えたか…。
寝ちゃったからね。
それに行き先もここじゃありませんでしたよ。
やっぱり!いや俺もね途中で降りたような記憶がうっすらとあるんだ。
どこで降りた?権現山公園です。
へえ〜あんなところで。
金子さんの家まで歩いても10分とかかりません。
はっきり思い出せないがあっそうそう…。
それでベンチでしばらく横になってそれでまたタクシーを拾ってここに着いたんだ。
どこのタクシーかは…?覚えてねえな。
いや歩いて帰ったかもしれねえな。
ハハハ…なんにも覚えちゃいないよ。
金子さんと最後に会われたのは?またそれ聞くの?そこに書いてあるんじゃないの?ああそうでした。
え〜…。
あれ?書いてない。
だからスナック…彼女がやってた十条の。
そこで会ったのが最後。
書いといてよちゃんと。
はい。
「十条…スナック…最後」と。
金子さん子供の頃かわいかったんでしょうね。
なんだ?いきなり。
同級生じゃないですか小中と。
行ってきましたよ猪苗代。
ケアテル猪苗代に河合代議士とあなたと金子さんが写ってる写真が飾ってありました。
どうして何年も会ってないなんて事を言ったんですか?なんだよ刑事さん。
疑うのが仕事だからしょうがないけどさ…。
疑われるのが嫌だったんだよ。
金子さんを河合さんに紹介したのはあなたですか?そうだよ。
かみさん亡くして寂しそうにしてたからね。
そうですか。
もういいの?あっ…。
(篠原)えっ…あるのかよ。
河合さん将棋なんか好きでした?好きでしたよ。
では高価な盤だとか駒だとか…?ああ持ってましたね。
家はボロだったけどそういうものには金を使うんだあのオヤジ。
はあ…。
じゃあ有名な11代大橋宗桂が彫った駒なんか…。
何?それ。
えっ知らないんですか?いや大橋宗桂は知ってるよ。
初代名人だろ?河合さんと指した事もあるんですか?ありますよ。
時々負けてやるんだけどさ楽しくなかったね。
有段者?俺?ああまあね…。
刑事さんもやる?いや私はヘボだから…。
どう?一局。
いやいや…それはまた今度という事で。
今日はありがとうございました。
ああどうも。
せっかくだからやりましょうか…。
あれ?ああ仕事中?いやネット将棋。
えっ?相手がいない時は便利だよ。
ほう…これがネット将棋ですか。
じゃあやりますか。
はい。
よし…。
先手でいいですか?ああどうぞ。
何がヘボだよ…。
振り飛車党ですか。
あんたは急戦か。
こりゃ面白くなりそうだ…と。
(坂下)幻の駒の事を知っていた可能性があるのは河合久仁雄みどりそして…篠原。
河合みどりにはアリバイがあります。
事件当夜篠原と会っていたあともしばらく料亭にいました。
という事はこの2人か。
今の段階でガサ入れは…。
難しいね。
あっ…はい!工藤係長。
引き続き凶器と思われる角のある鈍器の捜索と近所の防犯カメラの解析をもう一度やり直しています。
何かこうビシッと打つ手がないのかね。
負けました。
鴨志田さん中盤はうまく指したんだけどね。
そうですか?ええ。
いやお強い。
いえいえ…。
では。
ああ…。
クソッ!どうしてそうなるんだよ!?もう僕にはどうしていいのか…。
はあ〜…君自分の立場わかってるだろうね?はい!奥さんの代理人です。
ああ…。
ああ〜…。
その君が…その君が…!はい!旦那の言い分を理解してどうするんだよ!?君は私の事務所を潰す気か!
(ドアの開く音)お取り込み中すいません。
鴨志田さん!将棋の駒?はい。
非常に高価なものです。
金子さん何か言ってませんでした?言ってませんでしたね。
そんな価値のあるものだとは知らなかったんじゃ…。
なるほど。
あっそれとタンス預金の500万その事を知っているのは武井先生だけでした?ええそうですね。
相談されたのが今年の初めでなぜその時に遺言書の作成までいかなかったんでしょうか?それはこの間も言いましたが迷ってたんでしょう。
よくあるケースです。
遺言書が仮にない場合金子さんの財産はどうなるんですか?その場合は家庭裁判所が相続財産管理人を選び…大抵は弁護士や司法書士ですが被相続人の遺書や借金がないかを調べ一定の期間を過ぎても何もない場合財産は国庫に納められます。
合ってます?…はい。
本妻の息子は関係ないですね?はい。
土地建物の名義は金子さんですから。
でも鴨志田さん養子縁組すれば相続人になれますよ。
養子?ええ実印一つで簡単に。
ねっ?「ねっ?」って君ね…。
(姉小路)あっすいません。
君はもういいから自分の仕事に戻りなさい。
はい…。
はい。
養子縁組の話なんか聞いた事ないですね。
そうですか。
ただその話かどうかは知りませんがしつこい電話があって困ってました。
その相手が誰かは?本妻の息子さんって。
ありがとうございます。
どうも。
(久仁雄)はい電話しました。
養子にしてくれたらあとは全部面倒見てやるからって。
何回ぐらい?電話じゃらちが明かず家に乗り込んだ?いや家には行ってませんよ。
1回も?ああ…昔一度。
そりゃ見たくなるでしょどんな家だか。
俺にはなんにも残してくれなかった親父が愛人に買ってやった家なんですから。
お父様は金子さんとの再婚は考えてなかったですか?考えてたんじゃないですかね。
私と後援会の反対がなかったらしてたかもしれません。
今思えば再婚させてやればよかったかもしれません。
彼女は最後まで親父に尽くし秘密を守ったんですから。
親父との事を本にするって話もあったんですよ。
いわゆる暴露本ですか?ええ。
出版社に持ち込んだのは篠原です。
あいつは食わせ者ですよ。
利用出来るものはなんでも利用する。
ええ。
秘めた恋…。
河合敏夫との20年…か。
そういう生き方も…。
なんだよ?私は嫌だけど…あるのね。
河合久仁雄も篠原もアリバイはないに等しい。
2人を任意同行で引っ張る?乱暴な事言うな。
だって…。
今日はちょっと遅くなる。
どこ行くの?ガイシャの家だ。
えっ?見落としがあるかもしれん。
それじゃあ。
え〜っ?あっちょっと!会計また私?ねえタンスの上の靴ケース見た?見た!よいしょ…。
よいしょ…。
なんかある!ん?なんかって?小さめの箱。
えっ…?写真が入ってる!見せろ。
私が見つけたのよ。
わかってる。
はいはいはい…。
若い!あっ!これ!2人とも30代?なんか希望に満ちてる。
でもどこかで歯車が狂ってしまったのね。
人生の終盤か…。
将棋もおんなじだ。
終盤に逆転される事が多い。
そうなの?一手のミスが命取りになる。
工藤係長最後に君の意見を聞きたい。
ここは篠原をずっとマークしてきたカモさんに任せませんか?
(坂下)鴨志田くんに?よしわかった。
…任せよう。
(篠原)今日は3人?私も暇じゃないんだがね。
まあいいや。
どうぞ。
ああ…恐縮です。
ええ…こんな写真が金子さん宅から見つかりまして。
ハハハ…こんな写真よく取っておいたねえ。
どう?若い頃少しはイケてたでしょ?ここに日付があります。
(篠原)うん?1988年。
そうこの頃はバブルだからね。
札束も宙を舞ってたよ。
この頃ですね?金子さんを河合さんに紹介したのは。
そうだよ。
何?他に怪しい奴いないの?時間の無駄だと思うけどねえ。
『秘めた恋河合敏夫との二十年』。
あなたが出版社に持ち込んだ本のタイトルですよね?それがなんだ?だが金子さんは執筆を拒否した。
ああ。
あの時は頭にきたねえ。
印税の半分をもらう算段だったからなあ。
あなたは代議士になる夢を諦めた。
河合さんに「政治家の器じゃない」と言われて。
あのバカ息子がそんな事言ってたか。
そうだよ。
フッ…。
それが何?お前ら俺をバカにしに来たのか!?まあまあ…。
おい!でかい口叩く前に札見せろ。
逮捕状をよ。
秘書として長年尽くしたのになんの見返りもない。
そこであなた将棋の駒に目をつけた。
何言ってんだ?こいつ。
教育がなってないね鴨志田さんよ。
続きは署でゆっくり。
ご同行願います。
待て。
え?若い者は気が早くていかん。
物証の一つも持ってこい…そういう話ですよね?フッ…見つかりませんよ?いくら探しても。
何?失礼致しました。
さあ。
(大崎)カモさん…!
(大崎)どういう事ですか?いいんだよ中盤はこのくらいで。
(大崎)中盤…?詰み手順を間違えると逆転されるぞ。
でもあいつ間違いなくクロですよ。
手は打ってある。
え?へえ〜私も知りたい。
どんな手?じっと待つ。
攻めるだけが能じゃない。
なんの話よ?
(携帯電話)おっ来た。
もしもし。
うん。
かかってきたか。
ああわかった。
すぐに声紋鑑定に出してくれ。
声紋鑑定?これはあなたの声ですよね?「本当に大橋宗桂の桂馬だったら買いますよ」「向こうの言い値で」こんな声珍しくはないでしょう。
大橋宗桂作の桂馬が1枚見つかったという情報をあなたがよく利用しているネットの掲示板に流したのは私です。
「詳しくは下記の番号へお電話ください」あの番号はここ東王子署の刑事課です。
声紋鑑定の結果も出ています。
あなたが欲しがっていた桂馬はここにあります。
これはね金子さんの部屋で見つけました。
ゴミの中に。
今あなたの事務所と自宅を捜索しています。
この桂馬以外の駒を見つけるために。
その間一局指しますか。
はい。
いやこの間はうまく指されました。
私の先手でよろしいですか?どうぞ。
取り調べ中に将棋を指すなんて前代未聞だなこりゃ。
(坂下)あっ…すみません本当にもう。
ほう。
今日はゴキゲン中飛車ですね。
この間の戦法は研究済みでしょ?えっ?ハハ…。
さすがですね。
え…。
いやこりゃまずいな。
飛車金両取りですか…。
両取り逃げるべからず。
やるねカモさん。
(鈴木)ありました!
(大崎)どれだ?はあ…。
(舌打ち)またお前か…。
やりました!やった。
はい!
(携帯電話の振動音)ああ。
(携帯電話の振動音)あなたの番です。
この勝負長引くけどいいの?そうですね。
では指し掛けという事で後日。
はい。
駒…事務所で発見されました。
どこから話しましょうかね?うーん…池袋の料亭を出た辺りから。
そこからねはい。
(篠原)お察しのとおり権現山公園でタクシーを降りて彼女の家に行きました。
11時ちょっと前かな?
(ドアを叩く音)
(篠原)俺だ。
開けてくれ。
(ドアを叩く音)大事な話があるんだ!あ…。
(千里)なんなのよこんな夜中に。
片付けろってあれほど言ったのにまだこんなゴミの山か。
十条の店閉めたのは河合のオヤジが死んだって事もあるけど本当はさアメリカへ行って息子と暮らすつもりだったんだよ。
その息子が死んで一時は廃人同然だった。
俺はなんとかしてやりたかった。
本を出す話もそう。
金だけが目的じゃない。
あんたの前だから言うけど…。
千里が好きだった。
初恋の人よ。
恩義も感じてた。
恩義?再会したんだ。
上野のキャバレーで。
(篠原の声)あるんだよこんな偶然が。
俺は福島弁丸出しで一生懸命接客する千里を見て声かけられなかった。
当時の俺は学生運動に挫折して何もかもが嫌になっていた。
何やってるんだ俺はって千里は思わせてくれた。
そのあと業界紙の記者をやりながら政治の勉強をし河合のオヤジの鞄持ちになった。
彼女その頃…千里は銀座のホステスになっていた。
(篠原の声)河合のオヤジと千里が勤めている銀座のお店に行ったら河合のオヤジすっかり千里の事を気に入って千里のほうも…。
あなたは金子さんに自分の思いを伝えなかったんですか?伝えたいと思ったよ。
あれは猪苗代に行った時だ。
(千里)ここは変わらないわね。
(篠原)ああ…んだなあ。
篠原くんも。
いやあ俺は変わったぞ。
千里おめえのおかげだ。
フフ…私も変わった。
河合先生のおかげ。
(篠原の声)俺はどうしても自分の思いを千里に伝えられなかった。
千里は河合のオヤジに惚れきっていた。
結婚なんか望んでいなかったがね。
それが河合敏夫の秘めた恋。
河合のオヤジも千里の息子をかわいがっていた。
だから俺は一度は諦めたんだ。
しかし…。
7年前その河合代議士が亡くなった。
そして3年前千里の息子もアメリカで事故死したんだ。
千里はどうしようもないぐらい落ち込んで家もゴミ屋敷になっていった。
であの日は?そう。
俺はあの日田舎へ…猪苗代へ一緒に帰ろうと言ったんだ。
金子さんも猪苗代で暮らしたいと思っていたみたいですよ。
1人でね…。
なんでだよ!そんなに俺が嫌か?俺はよ千里…ずっとおめえの事が…。
忘れられねえか?河合敏夫を。
んだけんじょ先生もなおめえがこんな暮らししてたら悲しむぞ!一緒に帰れ。
(千里)お金ならここに…!金の話なんかしてねえべ!なんだ?これ。
え?オヤジの形見…?まだ忘れられねえのかおめえはよ!嫌…!何するのよあんたは!そんなに大事か。
(泣き声)そのあと駒を奪い…。
帰りました。
帰った?帰りましたよ。
「あんなところに長居は出来ないでしょ?」嘘だろ?
(篠原)「しかしあの駒がそんなすごい駒だなんて…」あんたに聞くまで知らなかった。
急に金がチラつき始めてあんたの罠にまんまと引っかかってしまった。
犯人は俺が帰ったあと…。
もう少しいればよかったんだ…俺…。
(篠原の泣き声)秘めた恋って篠原さんのほうだったんだね。
うん…。
でも切ない話よね。
好きだった人を上役に差し出したわけでしょう?もうどうしたんだよ鴨志田くん。
まさかあいつの言ってる事を…。
課長。
ホンボシは他にいます。
何?カモさんもう少し粘ってみませんか?そうだよ鴨志田くん。
犯人の目的がそもそも現金の500万だとしたら?その事を知っていたのは弁護士の武井さんと…。
篠原も知っていたと思いますよ。
(和田)あれっ?なんだ?和田。
いや…どこかで聞いたような…。
えっ?なんだお前…思い出せ!はい!あっ…。
藤原さん。
ああ…。
ちょっとお話よろしいですか?はい。
こちらへどうぞ。
おかけください。
はい。
こんにちは。
鴨志田と申します。
どうも…。
あなたは金子さんが500万持ってらしたとおっしゃいましたよね?ええ。
弁護士の武井先生のお話だとその事を知っているのは自分以外にはいないはずだという事なんです。
あっ…。
あの…テレビのニュースで…。
この男があなたからその話を聞いたのは事件の翌日の5月20日です。
でもタンス預金が500万もあったなんて驚きました。
でもね500万が盗まれたという報道は翌々日の21日なんですよ。
(鈴木)逃げられませんよ。
失礼。
(弘子)特別養護老人ホームなんて応募者が多くて何年先になるか…。
それまで私が面倒みていたら共倒れです。
世の中変です。
真面目に働いてきた夫が突然リストラされて慣れない仕事に就いて体を壊してしまいました。
満足な介護を受けるには頭金700万払っても月々20万もかかるんです。
500万円の現金がある事を知った経緯は?たまたま見てしまったんです。
あの日金子さん宅へ行ったのは?殺すつもりなんてなかったんですよ刑事さん。
魔が差したんです。
弘子さん?何やってるの?
(弘子)ああ…!ああっ…!
(殴る音)すみませんでした…。
ご苦労さん。
カモさん凶器の置き時計発見しました。
供述どおり権現山公園の茂みに捨てたようですね。
ホームレスが拾って大事に飾ってましたよ。
そうか。
ご苦労さん。
あっ行人くん?ごめんね晩ご飯どこかで食べてきてくれるかな?それはいいんですが初仕事うまくいきました。
はい。
いや〜夫婦ってわからないものですね。
奥さんに鴨志田さんと五月さんの話をしたんですよ。
そしたら奥さん泣き出しちゃって。
夫と真剣に向き合ってみるって。
へえ〜。
よかったじゃない。
じゃあそっちはそっちで祝杯ね。
うん。
そんなに遅くならないわよ。
はいはーい。
調停うまくいったんだ。
ある事がきっかけでね。
ある事って?いいのいいの。
ねえここ覚えてる?ああ…。
立派になったんだ。
お母さんと何回来たの?回数までは覚えてない。
ちょっと待ってお父さ…。
早く来い。
2015/07/25(土) 21:00〜23:06
ABCテレビ1
土曜ワイド劇場「おかしな刑事」[デ][字]

居眠り刑事とエリート警視の父娘捜査 美しき死体〜ゴミ屋敷殺人事件・幻の将棋の駒と消えた数億円の財産の謎!

詳細情報
◇番組内容
人気シリーズ第12弾!ゴミ屋敷に住む女性が殺害された!凸凹父娘コンビが執念の捜査でゴミに埋もれた真実を見出していく!被害者がたどった切なくも悲しい人生とは…!!
◇出演者
伊東四朗 羽田美智子 石井正則 佐藤B作 姿晴香 田島令子 小倉久寛 正名僕蔵 佐渡稔 上杉祥三 飯田基祐 伊東孝明 鷲尾真知子
◇スタッフ
【脚本】水谷龍二
【音楽】吉川清之
【監督】梶間俊一
◇おしらせ
☆番組HP
 http://www.tv-asahi.co.jp/dwide/

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz

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