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小型機が住宅街に墜落 3人死亡5人けが 東京
7月26日 18時20分

小型機が住宅街に墜落 3人死亡5人けが 東京
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26日午前11時ごろ、東京・調布市の住宅街に小型機が墜落して住宅3棟が焼け、警視庁によりますと、小型機に乗っていた2人と住宅にいて巻き込まれた女性1人の合わせて3人が死亡しました。
また、小型機に乗っていた3人と住宅にいた女性2人の合わせて5人がけがをして病院に運ばれました。警視庁は業務上過失致死傷の疑いもあるとみて捜査を始めました。
26日午前11時ごろ、東京・調布市富士見町の住宅街に小型機が墜落しました。
東京消防庁によりますと、現場付近では黒い煙が上がり、小型機のほか、住宅3棟と車2台の合わせて220平方メートルが焼けました。
また、周辺の住宅6棟も被害を受けました。警視庁によりますと、小型機に乗っていた男性2人と、住宅の2階にいて巻き込まれた女性1人の合わせて3人が死亡しました。
また、小型機に乗っていた男性3人がけがをし、亡くなった女性と同じ住宅にいた女性1人と、隣の住宅にいた女性1人の合わせて5人がけがをして病院に運ばれました。
警視庁によりますと、5人のうち小型機の1人は重傷とみられ、残る4人は意識ははっきりしているということです。
墜落した小型機の機体の整備や管理を行っている「日本エアロテック」や搬送先の病院によりますと、小型機には、横浜市港北区の川村泰史機長(36)と東京・練馬区の早川充さん、東京・港区の森口徳昭さん(36)と東京・文京区の花房剛さん(35)、それに名前の読み方は分かりませんが、埼玉県三郷市の田村康之さん(51)の合わせて5人が搭乗していたということです。
午前11時に調布飛行場を離陸して伊豆大島に向かい、日帰りで調布飛行場に戻る計画だったということです。
会社によりますと、川村機長は操縦士の養成事業などを行う会社の社長をしていて、これまでの飛行時間は600時間から700時間だということです。
ふだんは、小型機の操縦士を目指す人たちを後部座席に乗せて飛行することが多いということです。
小型機が墜落した現場は東京・調布市富士見町の住宅が建ち並ぶ地域で、周辺には商店や中学校、それにテニスコートや少年野球場などの運動施設があります。
また、現場から500メートルほどの所には調布飛行場があります。
調布飛行場では26日午後1時半すぎ、警視庁捜査1課の腕章を付けた捜査員数人が飛行場の管理事務所やターミナルビルに入りました。
また、飛行場の近くにあり、墜落した小型機の運航・管理を行っている「日本エアロテック」の事務所にも、午後2時すぎから警視庁の捜査員数人が出入りしています。
関係者から墜落した小型機の運航状況などについて説明を求めているものとみられ、警視庁は業務上過失致死傷の疑いもあるとみて捜査を進めています。

小型機操縦の機長は

墜落した小型機の運航・管理を行っている、「日本エアロテック」によりますと、小型機を操縦していたのは、川村泰史機長(36)です。
川村機長は、調布飛行場の敷地内に本社を置く小型機のパイロットを養成する会社、「シップ・アビエーション」の社長を務めていて、大阪の関西空港のウェブサイトによりますと、おととし関西空港で開かれた、パイロットを目指す子どもたちに向けた講演会で講師を務めていました。
このイベントの案内文に掲載されたプロフィールによりますと、川村機長は、アメリカと日本で訓練し、パイロットの資格を取得したあと、墜落した小型機の運航会社の「日本エアロテック」に入社し、おととし4月には飛行訓練の会社を設立して、社長に就任するとともに「主席飛行教官」を務めていると記されています。

調布市の対応

小型機が墜落した事故を受けて調布市役所では、総合防災安全課の職員が事故現場の周辺を回るなどして被害状況の把握に努めています。また、今回の事故で住宅が被害を受けた住民から要望があった場合には、近くに避難所を設けることも検討しているということです。

専門家「高度上がらない段階でトラブルか」

全日空の元機長で航空評論家の樋口文男さんは、今回、墜落した小型機について「このクラスの小型機は仮にエンジンが止まってもグライダーのように滑空できるので、パイロットは非常時には滑空しながら飛行場に引き返したり、河川敷など安全な場所を探して不時着したりする訓練を受けている」と話しています。
そのうえで、「離陸直後に住宅街に墜落している状況からすると、高度が上がっていない段階でトラブルが起きたのではないか」と分析しています。現段階で考えられる事故の原因について、「エンジンの不調や燃料が行き渡らないといったトラブルのほか、パイロット自身の体調に緊急の事態があった可能性もあると」と話しています。

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