〜《五郎:水天宮はと…。
あっちだな》
(メールの着信音)
(ジョセフィーヌ)ハーイ五郎。
マイベイビーだよ。
《ジョセフィーヌ。
フィンランドのインテリアショップで働いている彼女と仕事で知り合ってもう10年以上。
日本贔屓の彼女お母さんになるのか…》《しかしいくら日本贔屓だからって水天宮の腹帯まで知ってるとは思わなかった》あのすみません。
はい。
安産の腹帯をいただけますか?はい。
知り合いに頼まれたもので。
《何を言い訳してるんだろう俺》初穂料は4,000円になります。
お大事になさってください。
ありがとうございます。
《よし》《いかんやっぱり照れる》
時間や社会にとらわれず幸福に空腹を満たすときつかの間彼は自分勝手になり自由になる
誰にも邪魔されず気を遣わずものを食べるという孤高の行為。
この行為こそが現代人に平等に与えられた最高の癒やしといえるのである
さて次はどうするか…。
《ジョセフィーヌからの頼まれごとは出産関係だけではなかった》ダーリンのオフィスに日本のもの置きたいね。
ジャパニーズカルチャー感じるものお願い。
《日本の文化を感じるもの…。
浅草あたりに行こうかとも思っていたが人形町も名前からしてすでによさげだ。
とりあえず歩いてみるか》《ジャパニーズカルチャー。
ジャパニーズカルチャー。
ジャパニーズカルチャー。
ん〜。
んっ?甘酒横丁。
グッとくるじゃないか…》《ここなら何かありそうだ》《お茶の香り…》《お茶ってありかな…》いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
《うわっ!こんなにいろいろあるのか。
ど素人が出る幕なしの世界だ》《ちょっと高めのお茶に急須をつけたらカルチャーじゃないかな…。
2階は甘味屋さんか。
小腹も減ってるしちょいと1人作戦会議でも開催するか》あの〜。
はい。
2階は?空いてますよどうぞ。
どうしよう止まんないよ〜。
抹茶ビールってどういうのだろうね?お待たせいたしましたクリームあんみつで〜す。
わぁ〜おいしそう!《どれどれ…》《冷たいぜんざいか…。
そそるな〜》すみません。
はい。
お決まりですか?この抹茶ぜんざいの冷たいほうをお願いします。
抹茶ぜんざいの冷やしですね?かしこまりました。
《ほぉ〜ほうじ茶。
ほぉ〜》やっぱりおいしいね〜。
お待たせいたしました抹茶ビールです。
《抹茶ビール…想像もつかん。
苦いのと苦いの。
酔わせたいのか酔わせたくないのか…》ねぇそれちょっといい?いいよ。
私も1個ちょうだい。
いいよいいよ。
《パフェ…2人だとそれができる》
(唾を飲み込む音)お待たせしました。
冷やし抹茶ぜんざいです。
《漬け物…こういうの嬉しい》いただきます。
〜《おぉ…小豆。
すばらしいジャパニーズスイーツ》《うまい。
やっぱりうまい》〜《おぉ…白玉》〜《いい。
いいぞ白玉》〜《ここらでこいつの出番だ》《う〜んいい感じにしょっぱい。
甘さ一色にだらけ気味の口の中が塩気でキュッと締まる》〜《う〜ん小豆の甘みが改めておいしい》《俺は所帯じみたお新香のおかげで逆に小豆に何度でもときめく》《何度でも恋ができる》あぁ…。
《あぁ…うまかった…。
肝心の作戦会議を忘れていたがジャパニーズマインドが注入された》すみませんほうじ茶のおかわりいただけますか。
はい。
《さて…ジョセフィーヌのためにもうひと頑張りしようか》《う〜んどっちだ?》《こっちか》《つづら屋…。
いまや珍しいな。
お祝いも兼ねてつづらにお守りと腹帯を入れて贈るのも悪くない》ごめんください。
あはい。
あの…小さいサイズとかもありますか?あありますよ。
まっこちらのサイズになりますけども。
《うんちょうどいい》家紋なんかも入れられますけど。
《惹かれるけど…。
ジョセフィーヌん家の家紋って…。
そうだ!子供の名前を入れてやれば喜ぶだろう》名前なんか大丈夫ですか?あ入れられますよ。
で何ていうんです?お名前は。
えっと…。
《いかん…まだ生まれてもいなかった》あいや…できるかどうか聞いてみただけで。
ただ…すべて手作りでやってますんでね出来上がりがだいたい半年後ぐらいになってしまうんですが…。
すべて手作業なもんですからね。
半年後…。
あぁそうですか…そうですよね。
ありがとうございます。
《つづら…。
いいことを思いついたと思ったんだけどなぁ》ん?《におうぞにおうぞ》《時代劇に出てきそうな物がいっぱいだ〜。
今どきこの手のおひつは珍しいなぁ。
日本の伝統文化には違いないがオフィスに飾るんだもんなぁ》《三味線か…》《これなら…》うん。
ご要望にはお応えできてるとは思うんですが…。
すみません。
はい。
ちょっと見せていただいてもよろしいですか?どうぞどうぞ。
ゆっくり見てってください。
ありがとうございます。
なかなかちょっと苦労しましてね。
どんなものか。
《三味線もいろいろあるんだな。
三味線いいかも》
(三味線)〜《いい音だ。
三味線の音ってこんなにいいもんだっけ。
歩いているときに見かけた路地の情景が浮かんでくる。
この音を聞きながら人形町で食べるとしたら何だろう?寿司かウナギか…すき焼きもあったな。
そば…。
いや天ぷらだ。
サクッと揚がったエビの天ぷら。
ダメだ。
考えてたら腹が減った》すみません。
また来ます。
はぁ。
《天ぷら天ぷら…。
天ぷら…》《この町にないはずがない》《天ぷら天ぷら…。
ダメだ。
ないのか?なくなったのか?あきらめるか?天ぷら。
いやあきらめるな。
必ずある。
どこかに1軒昔ながらの店が。
だって人形町だぞ。
あ〜空腹が加速していく。
ん?この匂い》《掘り当てたぞ。
この店名からして間違いない》いらっしゃいませ。
いらっしゃいませ。
いらっしゃい。
いらっしゃいませ。
《家族でやっているのか。
間違いない。
自分を信じて人形町を信じてよかった。
三味線の音もばっちり似合う雰囲気だ。
この木の札の品書き。
品数多ししかも安い。
さあ何から攻めよう。
エビはお楽しみにとっておいて…》すみません。
はい。
めごちにはすと玉ねぎを。
あとお新香ください。
はい。
《う〜ん耳と鼻から食欲がたきつけられる》はいお新香。
いただきます。
《う〜ん。
あぁ…この時点で俺的に名店確定。
この店やっぱり間違いない》はい天ぷらお待たせ。
《まずはめごち》〜《うまい。
小さいのに身がふっくらとしてる。
サクッとして中はフワッ。
王道のサクフワだ》《最初にめごち大正解。
う〜ん次は軽く玉ねぎだ》《こいつは塩でいってみようか》〜《おぉ…いいじゃないか。
塩で正解》《タネといい衣といい本当に三味線の音が聞こえてきそうな天ぷらだ》いらっしゃいませ。
いらっしゃい。
今日は天丼で。
天丼です。
お父さんの具合どう?ようやく昨日退院したんだよ。
あぁよかったわね。
ここのかき揚げが早く食いたいってさ。
揚げ物はまだ無理でしょう。
《ん?かき揚げ?》あの…かき揚げもあるんですか?えぇ。
かき揚げは夜だけのメニューなんですよ。
あぁそうですか。
すみません。
あ…いえ。
《いかん気を遣わせてしまった》絶対夜も来てみたほうがいいっすよ。
ここのかき揚げマジうまいっすから。
えぇ。
《そんなふうに言われたらますます気になるじゃないか。
今夜来たくなってしまう》《さて…はす》《ん〜いい食感だ。
うまい》《さて次はいよいよエビとアナゴいこう。
もう一度玉ねぎもいいなぁ》あの…。
ごちそうさん。
ありがとうございます。
1,150円になります。
はいどうも〜。
ありがとうございました。
ありがとうございます。
いらっしゃい!俺は天丼ね。
俺は天ぷら定食で。
ちょっと待ってね今片づけますからね。
終わった?は〜い天丼お待たせ。
どうも〜。
《ん?何だあれ?》すみません天丼お願いします。
はい天丼ね。
天丼もう1つ追加お願いします。
はいよ。
やっぱここの天丼うまいな。
ありがとう。
子供の頃から食べてるからね。
クセになるんだよねこの味ね。
(唾を飲む音)《地元の人に愛される店のクセになる味》〜《来るぞ…来るぞ…》あがったよ。
は〜い。
来た来た。
はい天丼。
と…はい天ぷら定食ね。
《忘れてた。
向こうが先だった。
慌てるな。
待て…。
俺はまるで犬じゃないか》《お新香食べて初心にかえるんだ》ごちそうさまでした。
お父さんによろしくね。
いえいえ…お前だけずるいって悔しがるから。
はいじゃあすみません。
これで。
どうもありがとうございました。
ありがとう。
あがったよ。
はい。
はい天丼お待たせ。
《待ってました。
俺にしっぽがあったら今ちぎれんばかりに振っているところだ。
どれ…》《く…黒い…黒い天丼…。
何なんだこの黒さは…。
どれ…。
これはしっぽがついているからエビだな。
天ぷらにされてなおブラックタイガーだ》《おぉこれは見ための印象と全然違う。
キリッとした醤油味というかめちゃくちゃいいじゃないか》《アナゴか。
こんなにタレがしみているのにまだサクッとしてる。
よしこいつは半分とっておこう》〜《うん…天丼に漬け物。
これでいい。
いや…これが嬉しい。
味噌汁は…》《しじみか…。
ありがたい。
ホッとするなぁ》《次はこいつ》《やっぱりキスだ。
キスも天ぷらの王道。
トランプでいえば絵札のジャックか。
三味線気分で入った店だがうまさに燃えてきたぞ》《日本文化の粋というよりこりゃ祭りだ》〜《うまかった〜。
おそるべし黒天丼》ごちそうさまでした。
あっありがとうございます。
1,550円いただきます。
どうもまたぜひお立ち寄りください。
おいしかったです。
夜でしたらかき揚げもご用意できますんで。
はい。
ごちそうさまでした。
(3人)ありがとうございました。
《不思議だあんなにも揚げ物をいただいたのにでもちっとももたれてない。
クセになるのがわかる。
いい店を覚えた。
さてせっかくだし人形焼でも買って帰るか。
あっ忘れてた。
三味線だ。
ごめんジョセフィーヌ》
原作者久住昌之が実際にお店訪問
日も暮れ始めた人形町。
久住さんが向かったのはもちろん…
ありましたてんぷら中山ですねここですね。
僕がねちゃんと天ぷら屋さんの天ぷらって大人になって30くらいまで食べたことなかったんですよ。
そういう店ってものすごく高い…怖いでしょ。
ここちょっとねこれがちょっと嬉しいですね。
ビール600円。
ビールの値段というのがだいたい600とか書いてあると嬉しいんですよね。
書いてないのと怖い。
入らないですからね。
天ぷら中山の魅力。
それは毎日河岸で仕入れた新鮮な食材の天ぷらの味とご覧の安さ。
100円から食べられるのは嬉しいかぎり
このなんか…テーブルがいいですねカウンターがね。
このへんがねおばあちゃん家の階段みたいな感じで。
イカとキスです。
はいどうも。
おいしそうだな。
いいですね〜。
いいですね〜。
財布にやさしいこのお値段
まずはキスを塩で。
いかがですか?久住さん
おいしい。
続いてイカを大根おろしショウガの入った天つゆでいただきます
おいしいですね。
ありがとうございます。
箸休めにオススメなのは…
女将さんが丹精込めたひと品です
ラストはこれ。
五郎さんも食べられなかった夜限定の絶品かき揚げ。
そのときの旬の食材で揚げるそう。
この日はホタテとエビと三つ葉
うんおいしい。
三つ葉がいっぱい入ってていいですね。
ここはどのくらいやられてるんですか?そうですね…60年以上。
(久住)60年以上!?ご家族で?ええ。
ウチの場合ほんとにお客さんに助けられて。
お客さんがほんとにいいお客さんばっかりでね。
楽しいじゃないですかお客さんとのおしゃべりって。
だからそれがとってもね楽しみですね。
そうですか。
2015/07/25(土) 01:23〜02:10
テレビ大阪1
孤独のグルメ Season2[再]「中央区日本橋人形町の黒天丼」[字]
異色のグルメコミックを松重豊主演で実写ドラマ化!輸入雑貨商を営む井之頭五郎は仕事で訪れた町で、ふと店に立ち寄り食事をするのだが…。今回は「中央区日本橋人形町」
詳細情報
出演者
松重豊(井之頭五郎役)
根岸季衣(女将役)
若林哲行(店主役)
元気安(息子役)
久住昌之
番組内容
井之頭五郎は仕事で知り合ったフィンランド人の女性、ジョゼフィーヌがおめでたと知り、安産祈願・子授けで有名な水天宮で腹帯を買う。また「ジャパニーズカルチャー」的なものがお祝いに欲しいというジョゼフィーヌの要望にこたえるべく、五郎は人形町の町を歩き回るのだが、突然お腹がすき…。
番組概要
個人で輸入雑貨商を営む男・井之頭五郎(いのがしら ごろう)が、仕事の合間に立ち寄った店で食事をする様子を淡々と描く異色のグルメドキュメンタリードラマ。原作は単行本・文庫本合わせて累計20万部を突破しているロング&ベストセラーコミック。登場する店は全て実在し、ドラマオリジナルの選定となる。ただ料理のうんちくを述べるのではなく、ひたすらに主人公の食事シーンと心理描写をつづり淡々とストーリーが流れていく。
原作脚本監督
【原作】
『孤独のグルメ』
作/久住昌之・画/谷口ジロー(扶桑社刊)【脚本】田口佳宏
【監督】溝口憲司
音楽
【音楽】The Screen Tones:久住昌之、フクムラサトシ、河野文彦、Shake、栗木健、戸田高弘
■オープニングテーマ「荒野のグルメ」
(作曲:久住昌之/フクムラサトシ)
■松重“五郎”豊のテーマ「Stay Alone」(作曲:久住昌之/フクムラサトシ)
■エンディングテーマ「五郎の12PM」
(作曲:久住昌之 歌:伝美)
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz
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