(甲斐享)いない…。
まだあったかい…。
(角田六郎)いい読みだねぇ…。
やっぱりここですか…。
今回はなんの事件ですか?聞こえてますか?杉下さん。
(杉下右京)聞こえてますよ〜。
聞こえてるなら返事してくださいよ。
(米沢守)昨日銀座であった宝石強盗事件の防犯カメラの映像です。
銀座の宝石強盗…。
ええ総額1億円相当の宝石類が奪われました。
えー!?
(米沢)店から客がいなくなり店員と警備員が奥に入った時でした。
ガラスケースの下から突如煙が上がりました。
(米沢)何者かが遠隔操作装置付きの発煙装置を仕掛けた模様です。
で店内が煙で覆われている間に宝石が奪われた。
ええ。
(ガラスが割れる音)
(警報音)
(米沢)店員と警備員の証言では煙で何も見えなくなり全員店の奥から動けない状態になったようです。
(増田直由)どこにいます?大丈夫ですか!?大丈夫…?
(咳)大丈夫ですか?
(増田)出口ですよ出口!
(米沢)店員と警備員が店から出てくる3分ほどの時間に外から入ってきた何者かがガラスケースを破壊し宝石を奪ったのではないかと。
なるほど…。
(携帯電話)あっ米田からメールだ。
よ…米田?なるほど。
どうもありがとう。
いえいえ。
マジかよあいつら…!どうかしましたか?いや…箱番時代の俺の後輩からだったんですけど。
おぉ。
以前問題を起こした女子高生に説教したら妙になつかれちゃった事がありまして…。
で俺を呼んでるらしいんですよ。
おぉ!交番時代にJKとお知り合いに。
なんすか?JKって。
知らないんですか?JKは女子高生の意味ですよ。
すいません…。
それで?カイトくん。
とにかく事件だからって大騒ぎしてるらしくて俺に来てほしいって。
行ってみましょうか。
行くんすか!?君が交番時代にどのような警察官だったか上司として知っておきたいじゃありませんか。
いや過去よりもここからの俺を見てくださいよ。
あの…強盗事件のほうはこれ…。
ああ。
店内に煙が充満して店員と警備員が外に出るまでに3分。
では警察が来るまでは何分でしたか?警報が鳴ってから6分でした。
そうですか。
おそらく犯人は…内部の人間だと思いますよ。
(2人)えぇ!?
(米田)左手に見えてきますから。
わかりました。
どうもありがとうございます。
お気をつけて。
(加藤樹里)ねえ!ちゃんと仕事しないと税金払わないかんね!君らまだ税金払ってないでしょう。
払ってるよ!消費税払ってます!払ってるんです〜!
(米田)わかったわかった…!もうわかったよ…。
来た−!ねえ甲斐来たよ!はいはいはい…。
ねえもう話聞いてよ〜。
はいはいはいはい!はいはいはい…。
とにかく…ん?どういう事。
昨日うちらが学校帰りに神社の階段のところ通ってたの。
(樹里)お腹すいた。
(アミ)駅前に新しく出来たとこ美味しいらしいよカフェ。
(男性の叫び声)
(人が階段から落ちる音)ちょっと…。
(アミ)えっちょっと何?あれ。
(ユミ)やばくない?やばい…やばいやばいやばい。
やばいやばい…。
えっ大丈夫ですか!?大丈夫ですか?救急車呼びます?
(滝浪正輝)大丈夫大丈夫…。
大丈夫だから。
(ユミ)無理しないでください。
大丈夫…。
(ユミ)やばいやばい…。
(樹里)ダメじゃん!アミ電話して!救急車。
あっ救急車…はい。
あぁ!
(樹里)えっ何?今誰かいた…。
絶対いた!逃げた人影…。
怪しいっしょ!?そんな通り魔みたいにさ人を階段から突き落とすような奴がいたらもうホラーだし。
(米田)落ちた本人が階段を踏み外したって言ってんすよ。
大丈夫ですか?痛みは強くなってませんか?頭少し…。
ああ階段を踏み外しちゃって。
だったらなんで逃げたりすんだよ!普通さあうちらみたいに救急車呼んだりすんでしょう。
その誰かいたっていうのは本当かなあ?何それ…。
何うちらが嘘ついてるっていうわけ!?ねえ甲斐…私ら頭悪いけどさ嘘つかないよ。
うんまあ…そうだよなあ。
(米田)嘘っていうか見間違いとか。
いやいやいや…!私ら目だけはいいから!ちゃんと見たし。
どうします?カイトさん。
はいはいはい…!ちょっと静かに。
どうします?杉下さん。
まあせっかく乗りかかった船ですからねぇ思いきって乗ってみましょうか。
乗ってみます?
(ノック)
(滝浪)はい…。
ちょっとよろしいですか?あっどうぞ。
検査結果聞きました。
頭を強打されたようですが大したケガじゃなかったそうで何よりでした。
病院の方?あっこれは失礼…。
警視庁特命係の杉下と申します。
同じく甲斐です。
なんでなんで?なんで警察?実は昨晩あなたが何者かに突き落とされたんじゃないかって証言している人物がおりまして。
それでお話を…。
いやいや昨日は階段を踏み外してしまってそれで…。
ええ。
救急車の中でもそうおっしゃってましたよね。
ええ。
そうですか。
どなたかお迎えにいらっしゃるんですか?え?ああ…あの…僕独身なんで。
それに身寄りがないもんですから。
仕事のほうは?個人でシステムエンジニアをしているものですから。
まあ特には…はい。
でもまいりましたよ。
仕事柄普段家から出ないものですから。
運動不足ですね。
階段を踏み外すなんて…。
痛たたた…。
海外にはよくいらっしゃる?え?こちらパスポートですよねぇ。
拝見してもよろしいですか?何よ何よ〜。
見たきゃどうぞ。
失礼。
「滝浪正輝」さん。
パスポートはいつも持ち歩いてらっしゃるんですか?ああ…運転免許証を持っていないもので普段身分証として持ち歩いているんです。
ああそういう事でしたか。
ええ。
おやこちらの名刺は…お仕事関係ですか?えぇ?ああそうですよ。
人材派遣会社にNPO法人。
ええお客さんです。
NPO法人でシステムエンジニアのあなたが何をなさっているのでしょう?だってこれもえぎ色の会でしょう。
この恵美ちゃんですよ。
就労困難者を支援する団体で僕そこのホームページの作成をやらせてもらったんです。
ああそういう事でしたか。
お住まいどちら?は?車でお送りしましょう。
迎えに来る方もいらっしゃらないようですしお1人でお帰しするのは我々としても心配です。
ええ…甘えちゃってもいいのかな〜?もちろん。
甘えちゃってください。
あっそう…。
ああありがとうございます。
このマンションです。
ちょっとすいません。
失礼しました。
では甘えちゃってすいませんでした〜。
では…。
お大事に。
失礼します。
杉下さん。
はい?なんか彼の事気になってますよね。
腕の日焼けのあとです。
普段は仕事柄外に出ないと言っていたにもかかわらずなぜ日焼けのあとがあるのでしょうねぇ。
俺も気になりました。
なんかあいつおどおどしてて怪しいっすよね。
俺思うんですけどああいうタイプって…。
ん?いない…。
行きますよ。
言ってくださいよ…。
(エレベーターの到着音)あれ?なんでなんで?あの…まだ何か?無事に着いたか心配になりましてね。
なんで中に入らないんですか?あっ鍵がないとか。
いや鍵はありますよこちらに。
あのね僕よくなくしちゃうんで持ち歩かないようにしてるんですよ。
ほら。
ありますでしょ。
(富田明美)ちょっと…何してんのよ人んちの前で。
おぉお帰り!はあ?あんた誰?おい明美何言ってんだよ亭主に向かって。
あんたなんか知らないわよ…。
なんなの?警察呼ぶわよ。
あっ警察ならここに。
はあ?警視庁特命係の杉下と申します。
同じく甲斐です。
(滝浪)そうだよ警察の人たちも一緒なんだからお前ちょっと中入ってよもうとにかく…なあお前は。
あんたを知らないってば!なんか…お見苦しいところを申し訳ないです。
連絡取る人いたんですね。
ええあの…女房です。
籍は入れてないんですけどね。
ああ…富田明美って言います。
でもあなたの事を知らないとおっしゃってましたねぇ。
いやあの…これちょっとお恥ずかしい話なんですけど今ちょっとケンカしておりまして。
それで病院でね連絡するのもちょっと…。
ああそういう事でしたか。
ええ…。
あいつもう怒ると…。
こいつすいません。
(チャイム)ちょっと…!何をしてるんです?これ。
奥様にちょっとお話を伺いたいと思いまして。
何よ。
滝浪正輝さんの事をちょっと伺いたいのですがよろしいですか?だから知らないって言ってるでしょう!すいません。
いえいえ。
あれだな…そっかそれじゃあ僕こいつの頭が冷えるまでちょっとその辺ぶらついてきます。
ハハ…いつもの事です。
(エレベーターの到着音)それでは失礼致します。
滝浪正輝さん。
はい?あなた…本当に滝浪正輝さんですか?ちょっと待ってください…。
何いきなり言い出すんですか。
奥さんあなたの事を知らないって。
ああいやだからあれは怒ってただけなんです。
今見たでしょう!?それにね…。
ちょっと待ってください。
これこれ!パスポートだってあるじゃないですか。
本物ですよ。
なんだったら調べてもらっても構いませんけど。
ではそうさせてもらいましょうか。
え?カイトくん。
はい。
(カメラのシャッター音)角田課長に調べてもらいましょう。
そうしましょう。
どうも。
ああ…。
あの本当に疑ってるんですね。
疑っているというよりも訳がわからないといったところでしょうか。
ああ…わかりました。
それじゃあ僕が滝浪正輝本人だって事を証明してみせますよ…うん。
(滝浪)ねえ大将。
俺ここの店よく来るよね。
ええ毎度どうも!ほらね。
ほらねって…。
ご主人こちらのお名前は?さあ…名前まではわかりませんね。
ちょっと…!いや…まあそば頼む時に名前言わないですもんね。
しまったな…。
自分が自分である事を証明するというのは案外難しい事なのかもしれませんねぇ。
ああ!はい?先週の金曜日に滝浪正輝…ああつまり俺がねあそこで『トラック野郎』と『まむしの兄弟』と『さらば愛しのやくざ』を借りたんで調べてくださいよ。
警察ならそれくらい出来るんでしょう?いえ警察だからといっていつも出来るわけではありませんよ。
ああ…個人情報ですからね。
え?そうなの!?あくまでお店の方の協力が必要です。
行ってみます?せっかくですからね行ってみましょうか。
はい。
行きますよ。
(滝浪)はい。
(店員)確かに滝浪正輝さんという会員さんが借りてますね。
ほらね。
ではその金曜日の防犯カメラの映像を拝見する事は可能でしょうか?はい。
嘘!?あんの?
(店員)このお客さんですね。
はい。
顔がわかりませんねぇ。
ねえ…いや残念だなあ。
あっ振り返る。
(滝浪)え?あぁ!
(滝浪)あっ!?どうやら別人のようですねぇ。
これちょっとねえ…どういう事!?こっちが聞きたいよ!女房には知らない人だなんて言われて。
自分が借りたはずのDVDも他人が借りてるわけでしょう。
これなんかの陰謀でしょう!?なんだよ陰謀って…。
それがわかりゃあ苦労しないんですけどねぇ。
すいません…トイレいいですか?どうぞ。
すいません。
逃げないでよ。
逃げないですよ…。
信用されてないなあ。
杉下さん…彼逆に言えば頭の打ちどころが悪くてなんか勘違いしてるってありませんか?はい?自分が全く別の人間だと思い込んじゃったみたいな。
不思議ですねぇ。
不思議ではありますけどありえないっすか。
いえ僕が不思議だと言ったのは君の言語感覚です。
え?基本的な考えのスタンスが明示されていないにもかかわらず「逆に言えば」と言いました。
不思議ですねぇ。
俺は彼が滝浪正輝という人物になりすまそうとしているんじゃないかと考えていてその逆っていう意味で言ったんです。
なるほど。
しかしなりすましの逆が頭の打ちどころが悪かったというのも理解不能ですよ。
だから…別に「逆」って特に意味があって言ったわけじゃないんですよ。
そうでしたか。
そうでしたよ。
ところでなりすましとなると彼は滝浪正輝ではないという事になりますねぇ。
まあそういう事になりますね。
仮に彼が滝浪正輝になりすまそうとしていたとしたらその目的はなんでしょう?なんでしょう?しかし…俺たちこんな事やってていいんですかね?いいんじゃありませんか?ちょっとおもしろくなってきましたしね。
まあ俺たち特命係ですしね。
ええ。
(携帯電話の振動音)ちょっと失礼。
(携帯電話の振動音)杉下です。
さっきのパスポートだけどねもう超特急で調べたんだよ。
ありがとうございます。
でどうでしたか?モノホンだな。
そうですか。
カイトくん…!パスポートは本物だったようです。
えぇ!?本物!それとねぇあんた宛てに…富田明美って女の人から電話があってな折り返し電話を欲しいそうだ。
番号言うぞ。
わかりました。
ありがとうございました。
なんです?
(操作音)富田明美さんが連絡を欲しいそうです。
あの…うちのとまだ一緒ですか?ああやはり先ほどの人はあなたと一緒に住んでらっしゃる滝浪正輝さんでしたか。
ええ。
あの…一緒ですか?ええ。
お電話代わりましょう。
消えてる!えぇ!?いたー!ちょっと大丈夫ですか…!?滝浪さん。
うぅ…。
救急車。
ええ。
…ああ掛け直します。
(救急車のサイレン)やっぱりただの夫婦ゲンカだったって事なんすかねぇ。
はい?パスポートが本物で奥さんも彼が旦那だって言ってるわけですし。
しかしDVDを借りていたのは別の人物でした。
ああ…そうでした。
刑事さん!今検査室から連絡があって先ほど搬送された患者さんが検査室からいなくなってしまったそうなんです。
はい?逃げた…。
(2人)おぉ…!やっぱ逃げるって事はあいつなんかあるんすかね?どちらに?そもそも滝浪正輝というのはどういう人物なのか。
あっ米沢さんですか?杉下です。
実はひとつ調べて頂きたい事があるのですが。
杉下警部…今ですね大変立て込んでる状況でございましてですね。
あの…杉下警部とこうやって電話で話してるのもはばかられるような状況なんですよ。
という事は彼らがいるわけですね。
(米沢)はい…。
「我々今…」滝浪正輝という人物について調べているのですが…。
あの…杉下警部聞いてます?今大変立て込んでですね…。
え?どうかしましたか?今滝浪正輝とおっしゃいませんでしたか?「ええ」
(伊丹憲一)おい…誰と話してんだよ?
(米沢)いやいや…。
貸せ!ちょっと…!はあ…やっぱりな。
お前特命係に情報漏らしてんだろう。
いいえ。
嘘つけ。
今滝浪正輝の名前が出てたじゃねぇかよ。
ちゃんと聞いてたぞ。
それは杉下警部が…。
あぁ?どういう事だ。
知りませんよ。
ご自分でお聞きになったらどうですか?どうしたんすか?お取り込み中のようです。
(伊丹)「杉下警部ですか?」ええその声は伊丹さん。
ええ。
あのですねぇ先ほど米沢と話してる時に滝浪正輝の名前が出たようですが…。
ところで1課の方と米沢さんが一緒にいらっしゃるという事は何か事件ですね。
それも殺人事件。
ちゃんとこっちの聞いてる事に答えろよ…。
その事件に滝浪正輝が関わっているのですか?伊丹さん質問に答えてください。
ええまあそうですね。
(パトカーのサイレン)
(芹沢慶二)殺害されたのは昨日強盗事件があった宝石店の警備員増田直由さん38歳。
死因は背中から心臓を刺された事による失血死。
死後5〜6時間程度が経過しているとの事です。
宝石店の警備員ですか。
(芹沢)ガイシャは宝石店強盗に関与しているのではないかと。
だとすると殺害された原因もそれに関連して…という事になりますかねぇ。
ええ仲間割れの可能性は十分に。
滝浪正輝の名前が浮上したのは?これがゴミ箱にあった。
この住所…あのマンションですよね。
ええそのようですねぇ。
まあガイシャの関係者って事だったんだけれど…特命2人がマークしてるって事はやっぱり何かあるんだよね?やっぱり宝石店強盗の共犯者とか?だとするとこの増田という男を殺害したのは滝浪正輝という事になります。
まあこの滝浪っていうのは共犯で仲間割れを起こしたっていう事ならね。
でも杉下さん。
あいつ死亡推定時刻に俺らと一緒にいましたよね?ええ。
ですがもう1人滝浪正輝と思われる人物がいるじゃありませんか。
ん?あっ…。
あの防犯カメラの奴!おっ!はい?
(伊丹)どういう事だ?芹沢。
滝浪正輝は2人いるのか?いやいやいやいや…。
いつの間にかなんか話が急展開して…知りませんよ。
(三浦信輔)警部殿どういう事か説明してもらえませんかね。
では1課の皆さんも一緒に行きましょう。
え?は?こちらはあなたの同棲相手の滝浪さんではありませんよね?こっちがあなたの同棲相手の滝浪さんですよね?そうよ。
じゃあどうしてあんな電話を?あのあと滝浪が帰ってきたのよ。
(滝浪正輝)デカが来た?何しに来たんだよ。
知らないわよ。
でもあんたの事を聞きたいとか言うから追っ払ったわ。
そうか。
なんかあんただっていう変な奴も一緒だった。
なんだ?それ。
訳わかんないけど自分が私の亭主だとか言っちゃって気持ち悪かった。
おい。
お前ちょっとそのデカに電話しろ。
なんでよ。
いいから電話しろよ。
そいつに用があるんだよ。
あなたの同棲相手どこに行ったかわかりませんか?さあね。
警部殿いい加減説明して頂けませんか?出来れば一から。
もちろん。
杉下警部。
間違いありませんねぇ。
そうですか。
米沢…お前何をさっきからこそこそこそこそしてるんだよ!いや…自分はただ杉下警部に調べてくれと言われただけですので。
あ…これ…盗聴器ですよね?盗聴器ですよ。
あいつは鍵の隠し場所を知っていました。
という事は過去にもこの部屋に侵入していてその時に盗聴器を仕掛けたと。
そういう事になりますねぇ。
でもなんのために盗聴を…?強盗事件?おそらく。
えっでもそれとあいつが…滝浪正輝になりすまそうとした事とどう繋がるんですか?米沢さん。
宝石強盗事件の現場写真見る事は出来ますか?わかりました。
なるほど。
そういう事でしたか。
警部殿〜!ああ〜!カイト坊ちゃん?ん?何がわかったの?自分たちは滝浪正輝になりすまそうとしている人物に接触したんです。
滝浪正輝になりすます?ええ。
滝浪正輝のパスポートを持っていたこの男です。
盗聴によって宝石店強盗の計画を知った彼はその宝石の横取りを思いつきました。
いやいや…しかしそんな事どうやったら出来るんです?滝浪正輝と宝石店警備員の増田の計画はこうです。
いらっしゃいませ。
(増田)ありがとうございました。
発煙装置をセットしたのは滝浪正輝でしょう。
しかしその時外から侵入者の形跡はありませんでした。
防犯カメラの映像では煙が発生してから3分後店員と警備員の増田が外に出た際に空気の流れが発生し煙が動きました。
つまり外からの侵入者はなかったというわけです。
内部犯行。
やはり宝石を奪ったのは警備員の増田でしょう。
でも…店の関係者は警備員も含めて厳重に手荷物をチェックしたっていう話じゃ…?それはこういう事です。
警備員の増田は奪った宝石をあらかじめ用意していた宅配郵便の封筒に入れ外に出た際に隙を見てポストに投函した。
(警報音)
(増田)出口出口!早く出て!
(一同の咳き込み)確実に受け取るために配達員から直接受け取るこの方法を選んだ。
それを知ったパスポートの滝浪は滝浪正輝になりすましてその荷物を受け取ろうとしていた。
そういう事でしょうねぇ。
でもどうして仲間割れを?奥さんの話では滝浪正輝は今日大阪に行っているそうです。
宝石が届くという大事な日におかしいと思いませんか?じゃあそれもこいつの仕業?おそらく。
自分が受け取るために滝浪正輝を大阪に行かせた。
でもどうやって?パスポートの滝浪が警備員の増田を装って宝石の送り先を大阪のホテルの一室に変更した。
そこで落ち合おうと連絡したのでしょう。
東京ではやばいとかなんとか理由をつけて。
なるほど。
ところが大阪のホテルに増田は現れず宝石も届かず当然滝浪正輝は増田が宝石を独り占めしたと勘違いし東京に戻り殺害した。
繋がりますね。
ええ。
じゃどうも。
(伊丹)ああ〜。
これ以上余計な真似はしないでくださいよ。
どうも!どうも。
どうも。
(杉下・享)どうも。
(ため息)ただひとつだけまだわからない事もあります。
なんです?パスポートの滝浪はどうして滝浪正輝の部屋を盗聴していたのでしょう?だからそれは宝石強盗の情報を得るために…。
あれ?ええ。
この場合流れから見て盗聴をしていたら宝石強盗の計画を知った。
…と考えるのが自然でしょうねぇ。
確かに。
ええ。
そこで今ある可能性について確かめてもらっています。
確かめてる?警部殿。
調べてやったぞ。
お待ちしていました。
全ての仕事を止めて調べたんだよこの口座情報。
口座情報って銀行口座の?
(角田)そう。
昼間調べたパスポートの男の。
しかしそいつ相当悪いぞ。
悪いって?この2年で8つも口座を作ってそれらがマネロンに使われた疑いがある。
マネーロンダリング?なるほど。
これで全て繋がりました。
課長。
ん?ああ…ごめんね。
はい?かみさんとメシ食う約束しちゃっててさ。
仕事も残ってるし。
話また今度ゆっくりと。
ね?そうですか。
杉下さん。
はい?このパスポートの滝浪はもう宝石を手に入れちゃったんですかね?彼とあのマンションに行った時に彼はポストから配達員の入れた不在票を手に入れていました。
おそらくあれが宝石の入った荷物だったのでしょうねぇ。
こいつはパスポートで郵便局に戻ってきた荷物を受け取る事が出来る。
ええ。
じゃあまた…まんまとやられちゃったって事ですね。
パスポートの滝浪がシステムエンジニアだというのは嘘でしょうねぇ。
でカイトくん。
もえぎ色の会ですが…。
はい調べました。
就労困難者を支援するNPO法人で名刺にあった皆本恵美さん確かに実在しました。
行ってみる価値がありそうですねぇ。
ええ。
行ってみましょう。
やはり出てくると思ってました。
ちょっ…なんでなんで?刑事さんどうして…?おととい銀座で起きた宝石強盗事件その際に奪われた宝石は現在あなたが持ってらっしゃいますよねぇ。
何何?いきなり〜。
とぼけますか?えっとぼけるも何もなんの事だかさっぱり…。
そうですか。
あなたは滝浪正輝になりすましてあの部屋で荷物を受け取るつもりでした。
しかしあんたにとって誤算だったのは階段から落ちた事。
それがあった事であなたは配達時間に滝浪正輝の自宅にいる事が出来ませんでした。
配達人は不在票を残し荷物を持ち帰ってしまった。
あんたは一刻も早く郵便局からその荷物を受け取りたかったが俺たちについて回られる事態になってしまった。
だからあんたは自分が滝浪正輝であると証明して早く俺たちから解放されたかった。
まあ結局証明する事は出来ず病院から逃げるという手に出るしかなかったわけだけど。
ふーん。
いやだからねなんの事だかさっぱりわかんない。
これ…あんただ。
(滝浪)それは…。
持ってらっしゃいますよね宝石。
でもなんで俺がここに来る事を…。
もえぎ色の会。
え?皆本恵美さん。
あ…。
ええ。
皆本恵美さんに協力してもらいました。
もえぎ色の会はあんたの仕事の関係先なんかじゃない。
そこであなたは立野尚人という名前で生活支援を受けていたそうですねぇ。
彼女が全部話してくれたよ。
(皆本恵美)神社の階段で立野さんを突き落としてしまったのは私なんです。
ああーっ!
(恵美)放して!ううっ…あっ…。
(樹里)大丈夫ですか?あっ…!どうしていいかわからなくなってしまって…。
本当にすみません…。
すみません!すみませんでした!このメールはそういう事だったのか。
あなたは彼女を守るために本当の事を言わなかった。
ええ。
ひとつだけわからない事がありました。
あなたがなぜ滝浪正輝の事を調べていたのか。
我々…すっかり騙されてしまいました。
本物の滝浪正輝とは一体誰なのか?ええ…。
あなたこそが本物の滝浪正輝だったんですね。
滝浪正輝名義の銀行口座を調べたところこの2年間で作られた口座がいずれも詐欺や資金洗浄の不正な目的で使用されていました。
このような口座を作る人間にはある共通項があります。
それは他の人物の身分を買った人間だという事です。
当然警察が調べても本人にはたどり着けませんからねぇ。
あなたそんな事を繰り返している犯罪者に自分の身分を売ってしまったんじゃありませんか?あなたの事ですからねぇ。
おそらくちょっとした金欲しさに。
しかしあなたはある事をきっかけに自分の身分を取り戻そうと考えた。
違いますか?理由は…恵美さんだろ?あんたらすごいね!いいから。
(ため息)もうダメだ。
ええもうダメです。
さあ本当の事を話して頂けますか?大丈夫ですか?大丈夫です。
何か困ってる事ありませんか?私たちこういうところから来てるんです。
(滝浪の声)最初はこういう施設があるので利用してくれという話だった。
(恵美)お力になれる事あると思うんですよ。
一度来てみませんか?どうもありがとうございました。
あっどうも!頑張ってくださいね!おかえりなさい!ただいま。
立野さんどうでしたか?あっ…どうだったんですか?
(滝浪の声)俺も最初はひやかし半分だった。
でも誰かが自分の事を気にかけてくれてるというそんなごく当たり前の事がなんだかやけに心地よくて…。
すごいじゃないですか!
(滝浪の声)俺はもう自分がそんな気持ちになる事なんてないと思ってたんだけどこの人のために頑張ろうなんて思ったんだ。
そして俺たちは付き合い始めた。
彼女は俺が立野尚人という人間だと思っていた。
いつか本当の事を話さなくちゃいけないなとは思ってたんだけど…。
どうした?え?うん…。
赤ちゃん出来たの。
本当に?えっ本当…。
そっか…。
じゃあ俺早く就職しないとな。
なあ?父親だもんな!ね!フフフ…マジかぁ…。
でもその前に売ってしまったものを取り戻さなきゃなと思った。
滝浪正輝として家族と暮らすために。
(滝浪の声)俺は今現在滝浪正輝として生活している矢島安彦という男を見つけ出し調べ上げた。
(滝浪の声)他人の名前を使って生活しているような人間だからどうせ犯罪に手を染めてるんだろうなと思った。
だからそれを警察に密告すれば…まあ…自分自身も少なからず責めを負う事になるだろうけど。
そうすれば失ったものを取り戻す事が出来る。
そう思ったんですね?
(滝浪の声)案の定奴らは宝石店強盗を計画していた。
(増田)で入り口がここで…俺がここ。
カメラが123台。
(滝浪)俺はここに仕込んで外からスイッチを押せばいいんだな?
(増田)ああ。
(滝浪)真っ白になるまで何分ぐらいかかるんだよ。
(増田)「1分弱」「そのあと宝石を奪うのに1分」
(滝浪)「1分で出来んのか?」
(増田)「目つぶったって出来るよ」でもその計画の内容を知って奴らが奪う宝石を横取り出来ると思ったわけだ。
でもそんな俺の様子に恵美は不信感を抱いた。
俺は矢島を調べるために職探しをやめていたから。
それで恵美は勘違いをして…。
(明美)あ〜今日も疲れた疲れた。
ねえ明日は?
(滝浪)朝から大阪に行くからよ。
(明美)あっそう。
(明美)「私は仕事だから」
(恵美)ねえ…こんなところで何してるの?
(滝浪)お前…つけてたのかよ。
もう仕事探すのはやめたの?いやいやいやそういうわけじゃないけど。
ちょっとどうしたの?また怖い顔して。
ん?もういいよ。
え?私子供は独りで育てるから。
ちょっと何言い出すんだよ。
ここのところ毎晩帰りが遅いのも私と顔を合わすのが嫌だからなんでしょう?いやいや誤解だって。
私…決めたから。
(滝浪)いやちょっと待てよ!ちょっと待てって!待て!ああーっ!
(恵美)放して!ううっ…ううっ…。
俺は金でつまずいた。
それで自分の名前を金に換えるような真似を…。
だから金さえあれば今度はうまくやれると思っちゃって。
すいません。
いいですか?今回あなたは窃盗盗聴住居侵入の罪に問われる事になります。
はい。
すいません。
自首しますか?え?自首した方が罪は軽くなるぞ。
はい…。
自首します。
ちゃんとしなきゃでしょ。
子供も出来たんだから。
ええ。
そうした方がいいですね。
はい。
ありがとうございます…。
本当にありがとうございました…!色々引きずり回して…申し訳なかったです。
本当…本当にお2人には感謝しています。
あ…ありがとうございました…!必ず立ち直ります…!頑張ります…!すいませんでした…。
おかえりなさいませ。
(伊丹)滝浪さん。
滝浪正輝こと矢島安彦だな?殺人並びに強盗容疑で逮捕する。
(樹里・ユミ・アミ)いただきまーす!ここ俺の上司のおごりだぞ。
おお〜マジ?いえいえ。
我々からのささやかな気持ちです。
あなた方のおかげで犯人を逮捕する事が出来ましたからねぇ。
うちらも社会の役に立ったんだ。
うちらやるじゃーん!甲斐いい上司持ったじゃん。
だから呼び捨てにすんなって。
(3人)はーい。
享ならいい?享も駄目!
(3人)はーい。
どうもすいませんね。
フフ…いえ。
(笛吹悦子)え?でその殺人犯の方は捕まったの?ああ。
本物の滝浪正輝がそいつの部屋を盗聴してて潜伏先を聞いてたから。
ふぅ〜ん。
宝石を手に入れたら滝浪正輝の名前を捨てて逃亡するつもりだったんだと。
そう…。
でもなんか享逆に事件解決してるよね。
逆?うん。
えっだってその特命係ってさ警視庁の陸の孤島とか言われてて捜査とかしないとこ…。
私逆なんて言った?うん言った。
そう?っていうか逆って言葉は使うよね。
うん。
使うね。
じゃあお前もつっこまれるな。
誰に?杉下右京に。
へ…?
(月本幸子)自分が自分である事を証明するって本当難しいんですね。
私なんかパスポートも運転免許証も持ってないですからどうしたらいいのか。
日本は戸籍という独自のシステムを使い続けていますからねぇ。
他の先進国のように生まれた時に番号が与えられるような制度があればまた違うのかもしれませんが。
国民総背番号制?ええ。
そうとも呼ばれていますねぇ。
うん…それは…嫌だわ。
はい?番号をつけられるのはもうこりごりですから。
これは失礼。
そんな事もありましたねぇ。
え?たまにはいいじゃありませんか。
あ…。
2015/07/24(金) 16:00〜16:58
ABCテレビ1
相棒Eleven[再][解][字]
「ID」
詳細情報
◇番組内容
杉下右京(水谷豊)の相棒(?)として甲斐享(成宮寛貴)が特命係に飛ばされてきた!父親は警察庁次長(石坂浩二)、恋人は客室乗務員(真飛聖)。
右京と享の新特命係のコンビが新たな謎に挑む…。
◇出演者
水谷豊、成宮寛貴 ほか
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
福祉 – 文字(字幕)
福祉 – 音声解説
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
映像
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語
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