- 2014-1-18
- ブログ
2年ぶりの米国での滞在を終え、帰国しました。6日間、滞在することができましたので、収穫の多い訪米となりました。
政府関係では、ポネマンエネルギー省副長官、ズムワルト国務次官補代理、昨年まで国務次官補を務めていたキャンベル氏。共和党政権で外交の中枢を担ったドブリアンスキー元国務次官、アジア政策のキーマンであるマイケル・グリーン氏。同じくアジア政策の専門家では、パトリック・クローニン氏、シーラ・スミス氏とも率直に議論してきました。
安全保障では、重鎮スコウクロフト氏、ダンジク氏、ウェルチ氏。中国専門家の権威フィンケルシュタイン氏、原子力政策の権威メザーブ氏とはじっくり話をすることができました。
議会関係では、ジョセフ・ケネディ下院議員、スコット・ブラウン前上院議員と交流を深めることができました。
日系人協会のゲーリー森脇氏、佐々江大使をはじめとした大使館関係者には、大変お世話になりました。
その他にも、名前を出すのを控えた方も含め、多くの人たちとお会いすることができました。その多くは、これまで何度もお会いしてきた友人たち、原発事故関連で一緒に仕事をして来た人です。無役の私のために、時間をつくって下さったことに、感謝したいと思います。
訪米を通じて感じたのは、日本に対する関心の高さです。オバマ大統領の支持率の低下や議会の機能不全など米国との比較。アジアの環境変化を受けて日本の重要性が高まっていること。普天間問題の前進や、日本経済が力を取り戻しつつあることも影響していると思います。公平に見て、安倍政権に対する評判は総じて高いと感じました。
その中で、総理の靖国参拝についての評価は極めて厳しいものでした。私自身、靖国についての言及する際は「外交は水際まで」との考えに基づき慎重な表現を心がけました。「靖国参拝によって日米同盟が揺らぐようなことはない」という考えを伝えた上で、国務省が「失望した」と表現したことについては、「米国内にやりすぎ」との声があるのではないかと聞いてみましたが、全く賛同する声はありませんでした。むしろ、日本を大切に考えている人ほど、総理の靖国参拝に失望しています。
米国政府は安倍政権に対して、事前に靖国参拝が及ぼす悪影響を明確に伝えています。にも関わらず、安倍総理は突然の参拝を行いました。政府に近い関係者は、今回の参拝を「trust issue」だと表現していました。
改めて指摘するまでもなく、我が国は、日米同盟を深化させ、アジア外交を進めていかなければならず、このことについて、与野党の違いはありません。安倍総理の靖国参拝は、マイナスに影響することはあっても、プラスに働くことはないでしょう。今回の訪米を通じて、この問題の影響を甘くみない方がいいと感じました。
米国では、中国、韓国の存在感が高まっています。ワシントンDCにおける人の数では、日本を大きく上回っています。このことに象徴されるように、我が国が世界で量で勝負することは難しくなりました。今回の訪米は、我が国の目指すべき方向を考える機会ともなりました。
我が国の安全保障における最大の懸念は、やはり朝鮮半島有事でしょう。私が年末に韓国を訪問したのは、そのことに備えて何ができるかを考えるためです。安倍政権は集団的自衛権の議論を提起しています。私は個別的であれ集団的であれ、我が国の現実的な脅威に対して必要なことは、できるようにすべきとの立場です。自国の安全を守る意思のない国を助けてくれる国はありません。これは、私が原発事故を通じて骨身に染みて感じたことです。民主党内でも、そうした議論を徹底的に行っていく必要があります。
一方で、安倍政権が進める「積極的平和主義」については慎重に考えたいと思います。戦後の我が国の歩み、米国との関係、中国・韓国との関係を考えても、軍事面での存在感を高めて「マッチョな国」になる必要はありません。
大切なことは、我が国の安全保障機能を総合的に高め、世界に貢献することです。エネルギーは死活問題です。シェールガス、再生可能エネルギーはもちろん、原発、廃炉、使用済み燃料の取り扱い技術などは重要です。宇宙、海洋、サイバーなどのグローバル・コモンズにおいて、我が国が世界で果たすべき役割は大きなものがあります。科学技術で言えば、何といっても環境が重要ですし、再生医療、ロボット(無人化技術)も鍵を握っています。人間の安全保障という観点からみると、災害対策、ヘルスケアで我が国は貢献できるでしょう。「困ったときに頼りになる」日本でありたいと思います。また、長い目でみると、文化面での存在感を高めることも、国益につながります。
国柄で表現するならば、特定の価値を押し付ける「強い国」を目指すより、多様な価値を認め、「したたかに」「しなやかに」、存在感を高めることを考えるべきです。日米同盟は間違いなくその基盤となります。次回の訪米の際、私なりの外交の考え方を提示したいと思います。
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