きょうの健康「歯の自家移植」 2015.07.22


「きょうの健康」です。
今日は「歯の自家移植」です。
歯を失ったあるいは歯をこれから抜くという時などこの治療法を選択できるかもしれないという事なんですね。
お話をして下さる方をご紹介致します。
歯の矯正がご専門でいらっしゃいます。
どうぞよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
歯の自家移植初めて聞きましたけれどもどういうものなんでしょうか?まずはこちらをご覧下さい。
これは自家移植を行った20代の女性の治療後の写真です。
実は1か所ご自分の歯を1本移植してるんです。
どの歯だと思われますか?いや全く分からないといいましょうかきれいですしねでも強いて言えばこの前歯が非常に形もきれいですしこちらかなという気がしましたがどうでしょうか?正解はこちらです。
もともとこの歯はなかったんですか?そうです。
こちらをご覧下さい。
この方は実はもともとここに永久歯がありませんでした。
乳歯が残っておりました。
これが乳歯なんですね?そうですね。
このまましておきますと乳歯が抜けてしまったりあるいは歯並びが悪くなる可能性がありました。
そこで奥に出ていました親知らずを抜いて移植致しました。
こちらをご覧頂きますとここに乳歯が残っておりましてこのあとに生えてくるべき永久歯がありません。
親知らずは?親知らずはこちらですね。
小さい親知らずが口の中に生えておりましたのでこれを抜きましてこちらの乳歯の代わりに移植したという事です。
このように歯を失った所に別の自分の歯を埋める治療これを自家移植といいます。
これは矯正治療の一環として行われております。
でも先ほどのように本当違和感なく移植ができるものなんですね。
そうなんです。
そこできょうのポイントです。
それではお話よろしくお願い致します。
まずはきょうのポイントの1つ目ですけれども「どんな時に移植が可能なのか?」という事ですが移植が検討される理由のうちで多いのがこちらです。
こういった時に歯が失われますがそういった時の治療の選択肢の一つとして自家移植が考えられます。
また先ほどご覧頂きました患者さんのように先天的に永久歯がない場合そういった時も移植が検討されます。
こうして見ますと虫歯ですとか歯周病どれも本当に起こりそうなものばかりですよね。
そうですね。
ではどのように自家移植が行われているか実際に歯が折れてしまった方のケースを使ってご説明致します。
こちらご覧下さい。
こちらはですね40代の女性の治療前の写真です。
この方は片側の歯でしかかめないという理由で受診されました。
こちらでしかかめないという事ですね。
実は10年以上前にここにありました奥歯が折れましてそれで抜歯をされたという事です。
歯が1本なくなるだけで随分影響が出るんですよね。
そうですね。
歯と歯の間に1本分隙間ができた訳です。
そうしますとこちらのレントゲン写真をご覧頂きますと分かりますが時間がたちますと隣の歯がこのように倒れてきます。
相当斜めに傾いてますね。
そうですね。
このように倒れてきますと上の歯とのかみ合わせが悪くなりますしここがうまく手入れができなくなるという事になる訳ですね。
この隙間を埋めるためにこちらの親知らずを移植したいんですがここも既に歯が倒れ込んでおりますのでこのままでは自家移植ができません。
そのためにまず移植をするためのスペースを作るというところから治療を始めました。
それがこちらです。
こちらは移植直前の画像です。
歯の隙間を広げるためにこのようにワイヤーとバネを使いまして9か月かけて起こしましてそれで自家移植をする準備を整えた訳です。
相当9か月長いような気が…違和感はないんでしょうか?個々のケースで状況は変わりますけれども早い方ですと3〜4か月程度でスペースができる方もあります。
準備ができるといよいよ自家移植という事なんでしょうけれども移植できる条件というのはどうなんですか?そうですねこちらをご覧下さい。
まずは健康な親知らずがあるという事です。
そのほか抜歯をする予定の歯がある。
これは矯正治療などでこういった抜歯をする予定の歯があるという事が条件となります。
親知らず完全に埋まっているものでは駄目なんですか?できるんですか?生えているというのが基本的に条件ですね。
それからあと親知らずの根っこがまっすぐなってませんと抜く時に折れたりとかそういった事が起こりますのでまずはそういった事が起こらないような親知らずであるという事が条件になります。
親知らずって割と大きいですがそれでも大丈夫なんですか?形ですとか大きさが適切であるかどうかという事は事前にレントゲン写真ですとか歯科用のCTを撮りまして総合的に診断をしていきます。
また移植の時に歯並びや一番合う向きや角度を決めるという事ができますしあるいは形を整えるという事ができますので問題はございません。
この方はこちらの親知らずをスペースを作りましてここが親知らずを移植した所ですけれどもこのように90度ねじる形で移植を致しました。
90度ちょうどねじって?そうですね。
このねじった理由はここの歯の支える骨の幅ですとかそれが親知らずの根っこを収容しきれるという事が重要ですしあとこのスペースにちょうど合ったようなサイズの状態で移植できるとそういった事を考えたからであります。
本当に全く見ても分かりませんけれども歯を失った時の治療としては自家移植のほかにもいろいろありますよね?はいそうですね。
他の治療との違いについてご説明致しますけれども…。
例えばこちらですね。
自家移植のほかには例えば…こういった治療法があります。
それぞれ詳しくお願いできますか?入れ歯というのは取り外しの装置を使いまして歯がない所を補う治療法ですね。
歯が1本失われた時は部分入れ歯とそういった形になる訳です。
その時は留め具を奥歯とか前歯に掛けましてその入れ歯を固定する必要がある訳ですね。
こちらのブリッジですけれどもブリッジは失った歯の両側の歯を削りましてそこに固定を致します。
それで補うといった方法になります。
それからインプラントですけれどもこれは歯が抜けた所に歯の根っこの代わりになるものを埋め込みます。
更にその上に人工の歯をかぶせるといった治療法です。
自家移植の場合にはそうしますとあまり人工のものは使わない?そうですね自家移植の場合はご自分の歯を使う。
つまり人工物を使わないという特徴があります。
それから隣り合う隣接する歯を健康な歯を削らないという特徴があります。
よく差し歯も聞きますけど差し歯はどうなんですか?差し歯というのはご自分の歯の根っこが残った状態の歯があるとそういった時にはその根っこを利用してそこにかぶせ物をする治療法ですので今お話ししてますような歯を失う歯の根っこがないといった場合には適応にはならないという事ですね。
先ほどもちょっと特徴を伺いましたけれども自家移植の利点といいましょうかいいところを教えて頂けますか?最大の利点は自分の歯を使えるという事ですね。
それから大きな利点としましては歯根膜これを同時に移植できるという事がメリットです。
歯根膜というのはどういうものですか?こちらをご覧頂きたいと思いますが歯の根っこの周りにはこのようにかんだ時にかたいものですとかやわらかいものそういったものを判断する膜があります。
これを歯根膜といいます。
この膜は例えば髪の毛が1本上の歯と下の歯の間に挟まった時そういった感じを感じ取れる敏感な組織なんですね。
それからあと歯に加わる衝撃圧力を和らげるクッションのような役割も果たしています。
それから歯根膜を一緒に移植できるという事はここにあります骨を壊したりあるいは作ったりするという破骨細胞あるいは骨芽細胞といった細胞も同時に移植する事になりましてそれが歯を取り巻く歯槽骨あるいは歯肉などの歯周組織を新陳代謝できるといった機能を残す事ができるという事があります。
ですからこの歯根膜を移植する事によってそのあと歯を動かす事ができると。
その結果歯のかみ合わせをよくする事ができるとそういったメリットがあります。
一回自家移植をすると一生それで大丈夫という事ですか?自家移植の治療が本格的になりましたのは1990年ごろからでして私のところでは20年近く機能している歯もありますがはっきりとは言えません。
歯周病といったような口の中の問題ですとかあるいは糖尿病それから喫煙といった全身的な問題がある場合には長くもたない可能性がありますので注意する事が必要となります。
ともかく機能を長く保つためには移植後のケアが大切になります。
日常的にはどういう注意点が必要なんでしょう?こちらをご覧下さい。
移植後のケアですけども移植直後から1週間ぐらいは樹脂でしっかり固定している事もありましてご自分ではブラッシングが非常にしづらくなります。
歯こうがたまりやすくなる訳ですね。
それから歯肉がまだ再生をしてませんのでこういった時はご自分でなさらず歯科医院に行って頂いて丁寧なケアをして頂くと。
プラークコントロールという事を歯科医院でやってもらうという事が重要になります。
そのあとは患者さんご自身で柔らかい歯ブラシを使ってブラッシングをするようにして下さい。
そのあとは通常の歯ブラシを使って頂いて構いません。
是非そのあともきちんと手入れをして頂きたいと思います。
健康な親知らずがあればという事でしたけれども自分が自家移植できるかどうかというのはどこに行けば分かるんでしょう?そうですねまずは掛かりつけの歯医者さんを受診して頂いてご相談頂ければというふうに思います。
そのあとレントゲン写真それから歯科用のCTなどを撮りまして自家移植が可能かどうか診断をしていきます。
歯の場合にはよく治療費を考えてしまうんですけれども自家移植の場合保険の適用というのはどうなんですか?歯の移植だけでしたら保険適用になりますけれども矯正治療を伴う場合は自由診療となります。
詳しい事については医療機関にご相談頂ければと思います。
ふだん先生がおっしゃってる患者さんへのメッセージというとどういう事になりますかしら?歯を失ったら是非放置する事をして頂きたくないと思います。
それから歯を失って放置しておきますと隣の歯が傾いてきたりですとかよくかめなくなってきたりします。
それから歯を支えてる骨が失われてきます。
ですので是非ご近所の歯医者さんを受診して頂いて治療の選択肢を自家移植を含めてご相談頂いて治療を受けて頂きたいそういうふうに思います。
歯は本当に大事ですものね。
そうですね。
ご自分の歯を大事にして頂きたいと思います。
どうもありがとうございました。
2015/07/22(水) 13:35〜13:50
NHKEテレ1大阪
きょうの健康「歯の自家移植」[解][字]

虫歯やけがなどで歯を失ったときの治療法として、インプラント・入れ歯・ブリッジ以外に、自分の親知らずなどを移し入れる「自家移植」がある。この治療の条件などを紹介。

詳細情報
番組内容
歯周病や虫歯・けがなどで歯を失ったときの治療法として、インプラント・入れ歯・ブリッジ以外に、自分の親知らずなどを移し入れる「自家移植」がある。この治療法は歯の矯正治療の一環として行うことが多い。虫歯でない、表面にでた「健康な親知らず」など移植する歯の条件があるが、歯を歯根膜ごと移植するので、敏感な感覚、歯周組織の新陳代謝を促す働きを残すことができる。どんな場合に自家移植ができるのかを具体例で紹介。
出演者
【講師】東京医科歯科大学大学院教授…小野卓史,【キャスター】桜井洋子

ジャンル :
情報/ワイドショー – 健康・医療
福祉 – 高齢者
趣味/教育 – 生涯教育・資格

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32721(0x7FD1)
TransportStreamID:32721(0x7FD1)
ServiceID:2056(0x0808)
EventID:17052(0x429C)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: