生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんを乗せて国際宇宙ステーションに向かうロシアの宇宙船ソユーズの打ち上げが日本時間のあすに迫りました。
油井飛行士の宇宙滞在について担当は水野倫之解説委員です。
油井さんは打ち上げを控えて今、どうしているんですか。
水野⇒カザフスタンの発射場近くのホテルにいて宇宙ステーションの時間に合わせるために、まもなく就寝するところです。
日本時間の昨夜、打ち上げ前最後の会見に臨んで意気込みを語りました。
あすの打ち上げが本当に楽しみです。
そもそも油井さんはどういう方なんですか。
これまでの日本人宇宙飛行士は企業や研究者、医者出身が多かったんですが油井さんは自衛隊の戦闘機のパイロット出身という日本では異色の経歴です。
みずからを中年の星と話して常に上を目指して自信に満ちあふれているという印象です。
なぜ宇宙飛行士になろうと思ったんでしょう?原点は出身地の長野県川上村にあります。
星空が非常にきれいで子どものころからよく星を見ていたといいます。
この写真が、そうですね。
きれいですね。
望遠鏡がほしかった油井さんですがお小遣いだけでは買えませんでした。
そこでお父さんに相談したところすぐに買ってくれただけでなく望遠鏡を軽トラックに乗せて畑までよく星を見に連れて行ってくれたということです。
まさに子どものころの夢をかなえたということですね。
ただ、とんとん拍子というわけではありません。
大学進学にあたって両親の経済的負担を考える必要があり油井さんは授業料がかからない防衛大学校に入学します。
その後、航空自衛隊に入隊します。
一見、宇宙飛行士からは遠ざかったようにも見えますが決して夢を忘れたわけではなくチャンスさえあれば挑戦したいという思いをずっと抱えていたんです。
そのころ見た1本の映画が一層その思いをかきたてました。
「ライトスタッフ」という映画です。
当時のソ連に対抗するためアメリカで空軍のテストパイロットが宇宙飛行士として招集され宇宙へ行くというストーリーです。
ビデオテープがすり切れるくらい見たということです。
そのときに、これだとテストパイロットこそ宇宙飛行士への近道だと思い宇宙飛行士になるために自衛隊でテストパイロットに志願します。
ちょうどそのころ、宇宙機構が宇宙飛行士を募集してテストパイロットとして培われた能力が高く評価され963人の中から見事選ばれたわけです。
高い倍率の中から選ばれたんですね。
実は、私もこの963人の中の1人でした。
水野さんも宇宙飛行士に応募されたんですか?ずっと宇宙の取材を続けていましたので宇宙ステーションからリポートをすることを希望して熱意だけは持って臨んだんですがこれといった技能があるわけでもなく、テストパイロットにかなうはずもなかったということです。
そして今、こうして宇宙や原発の解説をしています。
宇宙を目指していたんですね。
今後も諦めずに目指してほしいですね。
油井さんにとって宇宙飛行士への近道となった自衛隊のテストパイロットはどういうものなんでしょう?戦闘機に乗ってその性能の限界を試験するパイロットです。
日本では航空自衛隊岐阜基地に養成コースがあり油井さんもここを卒業したということで当時の上司に話を聞いてきました。
テストパイロットは高度な操縦技術はもちろん性能を設計者に伝えるコミュニケーション能力など優れた能力が必要でごく少数の選ばれた隊員しかなれないということです。
油井さんは戦闘機や輸送機など25機種を乗りこなし見事合格。
その後、戦闘機の装備品の開発などに携わりました。
訓練では墜落寸前の戦闘機をどう立て直すかということもあったということですが当時の上司はこのように話しています。
こうして油井さんが培った能力というのは宇宙でどう生かされるんでしょうか。
今回の主な任務は宇宙ステーションの日々の運用と宇宙の環境を利用した実験です。
中でも宇宙ステーションの運用の1つ、ロボットアームの操作で油井さんの能力が発揮されそうです。
ロボットアームの操作ではつかむ物との距離を正確に見極めるなど高度な空間認識能力が必要で油井さんはテストパイロットにつながるものがあると話しています。
来月16日には食料などを積んだ日本の補給船こうのとりが打ち上げられる予定で油井さんがロボットアームでつかむということが決まりました。
成功すれば日本の存在感がさらに高まると期待されています。
さらに油井さんが行う宇宙での実験はどんなところに注目が集まっているんでしょうか。
星が大好きだった油井さんがいちばん期待していると話しているのが宇宙の暗黒物質の正体を探る実験です。
これは宇宙のあらゆる場所に存在し宇宙の成り立ちに関係していると考えられていますが直接見ることも感じることもできず解明できればノーベル賞級とされています。
油井さんは日本が開発した観測装置をきぼうの船外に設置します。
またマウスの飼育実験に向けた準備も行われます。
人工的に重力をかけたマウスと無重力のままのマウスを飼育して無重力の生物に与える影響を調べます。
油井さんはこの装置の機能の確認を行う予定です。
このように日本の実験はまだまだ基礎的なものが多いんですがアメリカやロシアは、すでに将来の火星有人探査を見据えて宇宙ステーションの利用を始めています。
どんなことをしているんですか。
米ロの飛行士2人が宇宙ステーションでの1年間の滞在をこの春から始めています。
通常は半年間滞在というパターンが多いんですが油井さんも今回5か月の滞在です。
火星への往復となりますと2年から3年かかりますので人体への影響を事前に見極めて対策をいろいろと考えておく必要があります。
骨や筋肉がどれだけ衰えるか視力がどうなるのかなどが詳しく調査されることになっています。
アメリカは2030年代以降に有人の火星探査を行う計画ですでに専用の宇宙船の試験飛行にも成功するなど着々と計画を進めています。
今後、宇宙探査は国際協力で進められることになりますのでこれに日本が参加するかどうか日本政府としての方針はまだはっきり決めています。
ただ宇宙機構としてはいつでも参加できるようにテストパイロット出身のように即戦力のある飛行士を募集してきました。
油井さんも、ぜひこの探査に参加したいと話していまして今回、100%以上の結果を出せば、有人宇宙開発の重要性を関係者の方に知ってもらえるはずだと話していました。
あすから5か月間の油井さんの活躍ぶりに注目したいと思います。
いよいよ打ち上げは日本時間のあすですね。
午前6時2分です。
NHKでは午前6時からのニュースの中で打ち上げの様子をライブでお伝えする予定にしています。
ご覧ください。
見事打ち上げ成功してほしいですね。
水野倫之解説委員でした。
この番組では皆さんからのご意見・ご質問を募集しています。
NHK解説委員室のホームページ上、もしくは郵便でも受け付けています。
2015/07/22(水) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「油井さん まもなく宇宙滞在へ」[字]
NHK解説委員…水野倫之,【司会】岩渕梢
詳細情報
出演者
【出演】NHK解説委員…水野倫之,【司会】岩渕梢
ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療
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