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【政治】

「被爆地の犠牲繰り返さないで」 瀬戸内寂聴さん、美輪明宏さん 長崎で安保法案反対訴え

トークショーに臨む瀬戸内寂聴さん(左)と美輪明宏さん=25日午後、長崎市で

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 戦後七十年をテーマに、作家で僧侶の瀬戸内寂聴(せとうちじゃくちょう)さん(93)と歌手美輪明宏さん(80)によるトークショーが二十五日、被爆地・長崎市であり、寂聴さんは「長崎と広島の犠牲を繰り返さないでほしい」と話し、集団的自衛権の行使を柱とする安全保障関連法案に反対するよう会場に呼び掛けた。美輪さんも法案を批判、政治家の資質を見極めるよう訴えた。

 長崎県美術館で開催中の「瀬戸内寂聴展」に合わせた企画。県民ら約二千人が時折、拍手しながら話に聞き入った。

 寂聴さんは「良い戦争とか、何かのための戦争はなく、人殺しだ」と強調。日本の雰囲気が戦前に似てきているとして「このままでは『あの作家に書かせるな』という世の中になると思う。本当に怖い」と話した。

 美輪さんは長崎市に生まれ、十歳の時に被爆。出征する子どもに「死ぬなよ」とすがりついた母親が憲兵に突き飛ばされたのを目撃した状況を振り返り、「それをまた今の政府がやろうとしている」と批判した。

 美輪さんは、自民党若手勉強会での報道圧力発言にも触れ「戦時中と同じことが起きている」と懸念。国会の現状については「一番責任が重いのは選挙民。目の前の既得権益のために投票していたら、ひどい目に遭う」と指摘した。

 

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