死亡率上昇につながるミネラル、健康のために呼びかけても必須微量元素を摂取できない
スウェーデン人とセレンを取る量との関係、国によって不足する栄養素は異なる

写真はイメージ。記事と直接の関係はありません。(写真:Douglas Scortegagna/クリエイティブ・コモンズ表示-2.0 一般)

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 死亡率の上昇にもつながるミネラルとして、セレンというミネラルを軽視できないようだ。

 数十年間の啓蒙活動にもかかわらず、スウェーデン人はセレンを取る量が少ないとして注意が促されている。

 スウェーデン、リンショーピング大学のアーバン・アレハーゲン氏らの研究グループが、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・クリニカル・ニュートリション誌において2015年6月24日に報告している。

セレン不足が問題に

 セレンは必須微量元素の1つ。

 日本ではセレン不足が通常の食生活で問題となることは、ほとんどないという。一方で、土壌中のセレン濃度が極端に低い地域において、摂取不足が起こることがある。

 スウェーデンでは、セレンを1日あたりに取る量を増やすため、スウェーデンでは数十年前から啓蒙活動が行われてきた。しかし、セレンを取る量は依然として少なく、この啓蒙活動の効果があるのかどうか疑問となっていた。

セレンの量が少なすぎて死亡率に影響

 研究グループは、スウェーデンの高齢者668人を対象として体内のセレン値を調べ、低セレン状態が死亡率に影響を及ぼすかを検証した。6.8年間追跡を行い、ちょうど4年後には98人のセレン値を再び調べた。

 その結果、668人のセレン値の平均は67.1 μg/Lで、セレンタンパク質が十分に働くには少なかった。平均的にセレンを取る量は依然として少ないと分かった。

 男性であること、喫煙、虚血性心疾患、糖尿病、慢性閉塞性肺疾患、心臓機能障害でなどの複数の要因で調整後、セレン値が低かった上位4分の1グループは全死因での死亡率が43%、心臓や血管の疾患での死亡率が56%高かった。

うまく健康に導ける?

 この結果は、啓蒙活動の効果が出ておらず、スウェーデン人は健康増進のためにセレンをとる量を増やさなければならないということだ。セレンは魚介や鶏肉に豊富なので、対策には食事の工夫が有効と見られる(あるミネラルが低いと大腸がんリスクに、結腸や直腸でがんを招くを参照)。

 日本でも健康のための啓蒙活動に効果が出ていないことが多い。どうすれば、自分の健康と向き合えるか。世界共通の問題かもしれない。

文献情報

Alehagen U et al. Relatively high mortality risk in elderly Swedish subjects with low selenium status.Eur J Clin Nutr. 2015 Jun 24. doi: 10.1038/ejcn.2015.92. [Epub ahead of print]

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26105108

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