身近な歴史の証人である祖父母らから、第2次世界大戦中や戦後混乱時の体験を聞き取り、歴史学習に生かす取り組みを、市川市の昭和学院中学校が続けている。今年で15年目を数え、協力してくれる人は延べ2千人を超える見通しだ。

 今月2日、2年1組の教室で生徒36人がテレビを見つめた。戦時中の広島県で、現在の中学1年生にあたる少女たちが原爆投下の時までを過ごした学校生活を描いた再現ドラマだ。

 生徒は今の時代と違うところとして「国民学校」「疎開」「空襲警報」「防空壕(ごう)」などとメモを取った。担当の神山知徳教諭(49)は「普段の生活が完全に戦争に動員されている。まともに授業できていない」など説明した。