授業で、「2次関数」に入りました。
数学の授業というのは、最初「定義」をやることが多いですね。
これは「これはそもそもなんなのか」ということになるわけですが、ウチは進学校ではないので、数学は苦手な生徒が多いわけです。でも、対話型アクティブラーニングをうまく取り入れることによって、中学校で数学を、いわば「捨ててきた」生徒達が、目を輝かせて、自分なりの意見をガンガン出してくるようになってきます
今回は「2次関数」の授業の最初の1時間をご紹介しましょう
対話型アクティブラーニングとは?
「アクティブラーニング」というのは、「生徒の頭がアクティブになる」ことを言いますが、別に、机をくっつけてグループ学習させなくても、こっち側の質問をうまく調整することで「講義型」なのに「生徒がアクティブ」になることができます。
これを、今年度2回ですが「私の授業を外部に公開」等をして、偉い方々に「対話型アクティブラーニング」と名付けていただいたんですね。大学側からも「教員を目指す院生にぜひあなたの授業を見せたい」といわれまして、夏休み明けにまた、私の授業を外部一般公開する予定です。
今度、(11月)に私の授業実践について、大学で150人位を相手に研究発表することにもなっております。緊張するな〜
対話型アクティブラーニングスタート!最初は「関数」とは何か、聞いてみたよ!
生徒は「ただ板書して、ただ説明する授業ではない」ことを入学してからの3ヶ月でよくわかっているので、私がチョークを置いて生徒の方を見ると、「ワクワク」しているように見えます。
そこで、いつも通り、ハイテンションで言ってみました
「今日もやってきたアクティブタイム!イェア!」
「計算だけが数学じゃない!暗記しても意味が無い!頭を使って、今日も考え、自分の意見を自由に出してみようぜ!」
そして、質問を開始しました
「関数って何だ?」
「え?」
生徒は、中学で数学を苦手としています。関数そのものを全く受け付けていない生徒もいますが、そこそこやれる生徒もいます。
そこに、この質問をぶつけます。
生徒は困惑しますが、いつものことなので、一生懸命考えて、私に自由な意見をぶつけてきます。
中学時代、ジッと時間が過ぎるの待っていた「数学が大嫌い」な生徒達が、今、高校でこうやって生き生きと授業に参加し、意見を発表しているのです
「ax!」
「違う!x分のa!」
「いや、a分のx」
これらを聞いていると、彼らが「関数=式」という覚え方をしていることがよくわかります。が、関数というのは、式ではありません。
でも、この話をしようかと思ったら、面白い意見が出てきました。男子からでした
元気いっぱいにその生徒は答えました
「関数とは「放物線」です!」
うーむ。なるほど。そう来たか
「面白そうなことを生徒が言ったら、一気に授業の方向性を変えて、路線を変更してやり取りを深めていく」
ここで、対話型アクティブラーニングの真骨頂!
質問を急展開して、授業の方向性を一気に変えました!
教員主導のアクティブラーニングだからこそできる芸当です!
「放物線」って何?
次の質問は、
「放物線って何?」
でした。
中学数学を苦手としていれば、これに答えることはほぼ不可能です。それをあえて質問して、頭を使わせます。そうすることで、思いもよらない回答が出て、全員の理解につながることが多々あるのです
「わからないだろうから、全て説明してあげよう」
というのは一見優しい先生に見えますが、生徒に考えさせる時間をどれだけ作るか、これが私は重要だと思っています。それが間違っていても良いんです。自由に考え、自分なりに答える。それができる時間が数学の授業だと私は思います
生徒は様々なことを言ってきました
「放物線は、y=ax+b」→ちなみに、これは一次関数の直線のグラフの式
「放物線は丸い!」
「放物線は、グラフのこと!」
「放物線は、まっすぐじゃない!」
こんな感じでバンバン意見が出ます。それを全部黒板に書いて、どれが良いかみんなで考えます。
ヒントは「遠目」に出して、ますます生徒を「思考の渦」に巻き込む
「漢字から想像してみたら、どうなんだろうね?」
私がヒントを出す時は、結構遠目のヒントを出すことを生徒は知っています。すぐわかるようなヒントは出しません。ここで生徒はまた頭を使い
「放」「物」「線」なんだから・・・
そこで、生徒が、中学で完全に捨ててきた「放物線」の意味を想像するのです
「先生!「物を放る(投げる)時にできるフワッとした感じの線」じゃないですか?」
うーむ。正解(笑)。スゴいな、君たち。本当に数学苦手だったのかね?
でも、それをイメージできるのか、続けて聞いてみます
「手で、空中に書いてみな」
生徒は自分で考え「放物線であろう」線を空中に書き始めます。ほとんどが「指数関数」のような、右上がりにズーッと延びていく線を書きました。そうなんです。生徒のほとんどは「放物線」すなわち「2次関数」のグラフを全く理解していないのです。
それでも、こうやって、やり取りで考えさせることができます
身近にある「放物線」ってなんだろう?
最後に「身近にある放物線」について聞いてみました
ただ、2次関数=放物線の「頂点が出せる」とか「最大・最小値が出せる」とか、そういう授業をしても何も面白くないし、生徒はすぐ忘れます。生活の中にそれが役立っていることを知ることで、数学が面白くなるし、計算の意味が生まれるのです。
ですから、それを最後に考えさせました
ただ、これは難しいので、ヒントを与えました
「一戸建てには必ずあるけど、マンションはあったりなかったりだな〜」
2〜3分やり取りをして、「あー、これは無理かな・・・」と思って、「んじゃ、答えを先生が言おうか・・・」と言いかけた時
ボソッと男子生徒が喋ったのを私は聞き逃しませんでした
「アンテナ・・・」
そう!正解!「アンテナだ!」
ざわめき建つ教室。
「え?あれって放物線なの?」と不思議がる生徒達。
「2次関数ってアンテナって何?」と意味不明な事が次々出てきます(笑)
正確に言うと、アンテナは「2次関数(放物線)の一部」なので、その切り取る場所によって、ちょっと話は変わるんですが、
「電波が来て(簡単に「テレビ番組の情報だね」と補足しました)、アンテナにぶつかると、反射しますが、その反射した先が「焦点」と呼ばれる一点に集まります。バラバラに来る電波が、反射すると1点に集まるんです。
これで、情報を集めて、映像がテレビに出て来るという仕組みなのです。2次関数、すなわち、放物線というのは、「1点に情報を集める」という点において優れた曲線なんですよ」
生徒は口々に「初めて知った!」「2次関数すげー!」「反射して、なんで1点に集まるの?」と言います。まさにアクティブ!
まあ、専門的に言うと、足りない説明だと思いますが、ポイントは「数学が苦手な生徒にも、身近な物を用いて、数学的な説明をすることは可能」ということと
「生徒が興味を持った」
これです。これに尽きます。
生徒はアンテナを見る度、今後「ああ、2次関数」と思うでしょうし、これがきっかけで数学に興味を持ってくれれば、「ただの計算」ではなく、「意味のある計算」ということで、テストの点数もひょっとしたら上がるかもしれません
たった15分くらいのやり取りでしたが、全く「関数」「放物線」を知らない生徒達にとって、刺激的な時間となったようで「今日も楽しかった!」と生徒達は言ってくれました。
頭を使って、考え、自分なりの意見を言う。
これこそが「アクティブラーニング」だと、多くの先生方が私の授業を褒めてくださいました。
生徒も楽しいと思いますが、私ももの凄く楽しいんです。
「考えること」
さあ、皆さんも、「疑問に思うこと」を、ちょっと考えてみませんか?
子供に「これって何?」って聞かれたとき、簡単に説明せずに「どうしてだと思う?一緒に考えてみようか」と言ってあげてください。考えることは、子供にとって大きな成長のきっかけとなります。
私は授業でそれをやっていますが、それは、自宅でもできるんです。
また、面白い授業ができたらお知らせしますので、「対話型アクティブラーニング」のおもしろさが皆さんに少しでも伝わればと思います
来週は夏課外ですけど、課外でも対話型アクティブラーニング全開で頑張ります!入試数学でも概念は重要なんです。来週も対話型アクティブラーニングの記事にご期待ください!