英国人のプライド、FTが日本の手に

 「世界の経済紙は英フィナンシャル・タイムズ(FT)と米ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)を最高峰とする」という長年の常識が崩壊した。今後は「日本のFT、米国のWSJ」と呼ばなければならなくなる。

 日経が買収するFTグループは、世界有数の日刊経済紙であるFTとその電子版、50%を出資する経済週刊誌エコノミストなどで構成されている。その中核となるFTは「シティー」と呼ばれる英金融街でエコノミストとともに1世紀以上高い信頼を得てきた。大西洋の向こうのウォール街では白い紙に印刷されるWSJを読むが、シティーではオレンジ色の紙に印刷されるFTを読まないと朝が始まらないというのが英国の経済人長年プライドだった。

 読売新聞など日本のメディアは、日経グループがFTグループ買収を契機に世界的に事業を展開することを目標にしたではないかと報じた。朝日新聞は「(FTの親会社)ピアソンは今後メディアよりも(本業の)教育・出版に集中する見通し」と伝えた、。

 ピアソンは昨年の純利益4億7100万ポンド(約905億円)のうち90%以上をメディア以外の教育・出版事業で上げた。ピアソンはこれまでも米ブルームバーグ、金融情報専門のトムソン・ロイターなどとFT売却について交渉したが、最終的に日経を譲渡先に決めたとされる。

 日経グループの主力は日本経済新聞だ。日経ビジネスなど多くの経済誌を発行しているほか、テレビ東京などの放送局も保有している。経営者、一般人を対象にした講演ビジネスも活発に行っている。昨年の売上高は3006億円だった。

 日経グループの看板である日本経済新聞の場合、朝刊の発行部数は約273万部(日本ABC協会調べ)だ。今回買収したFT(21万部)は発行部数では日経の10分の1にも満たない。しかし、英語を武器に長期間全世界に読者層を構築してきたメリットがある。インターネット版の有料読者は50万人に達する。

 ピアソンのジョン・ファロン最高経営責任者(CEO)は「我々がFTを60年近く保有してきたことは非常に誇らしいが、新たな環境でFTがメディアの役割を果たし、商業的にも成功するためには、(ピアソン傘下に残るよりも日経傘下となり)世界企業、デジタルニュース企業の一員となるのが望ましい」と述べた。

 ただ、今回の譲渡後もFTの本社ビルとエコノミストの半数株式はピアソンが継続保有する。ピアソンのマージョリー・スカーディーノ元CEOはかつて「自分の目が黒いうちはFTは売らない」と話していた。

東京=キム・スヘ特派員 , パリ=李性勲(イ・ソンフン)特派員
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