【ソウル聯合ニュース】韓国銀行(中央銀行)が23日発表した4~6月期の実質国内総生産(GDP、速報値)は前期比0.3%の増加で、5四半期連続して0%台の低成長にとどまった。
韓国銀行は9日に今年の成長率見通しを2.8%に下方修正していた。4~6月期については0.4%と予想したが、速報値はこれより0.1ポイント低い。
GDPの実質成長率は2012年7~9月期の0.4%から2013年4~6月期には1.0%に拡大した。続く2四半期は連続で0.9%、2014年1~3月期には1.1%と多少好転したが、4~6月期は韓国旅客船沈没事故が発生し0.5%に落ち込んだ。7~9月期が0.8%、10~12月期が0.3%、今年1~3月期が0.8%と、1%未満で推移している。
4~6月期は昨年10~12月期と並び、2009年1~3月期(0.1%)に次ぐ低水準となった。消費と輸出が伸び悩む中、予期せぬ中東呼吸器症候群(MERS)と干ばつまで重なり、成長率が鈍化した。
4~6月期の前年同期比の成長率は2.2%で、前期(2.5%)に比べ鈍化した。また、実質国民総所得(GNI)は前期比1.3%増加した。
4~6月期のGDPを部門別にみると、民間消費は準耐久財とサービスが振るわず、前期比0.3%減少。1年ぶりにマイナスに転じた。
設備投資は機械類が減少した一方で輸送装備が増え、0.4%増加した。建設投資は建物建設を中心に1.7%増加した。
輸出は前期比0.1%、輸入は0.5%、それぞれ増加した。
業種別では、干ばつの打撃を受けた農林漁業の生産が前期比11.1%急減。1年ぶりのマイナスとなった。サービス業生産の増加率は、MERSの影響で0.1%と大きく鈍化した。
卸小売・飲食宿泊業は0.5%減、病院を含む保健・社会福祉は1.7%減で、それぞれ前期のプラスからマイナスに転落した。
4~6月期の成長率が低調なことから、景気回復がずれ込み低成長局面が長引くのではないかという懸念が広がっている。韓国政府は11兆8000億ウォン(約1兆2680億円)の補正予算をはじめ総額22兆ウォンを投入し景気回復を後押しすることにしたが、国会での成立が遅れている。
延世大の成太胤(ソン・テユン)教授(経済学)は韓国経済について、「生産や消費、投資が振るわない中で輸出が急減するなど、デフレ現象が加速している。円安対応も失敗した」と指摘。補正予算を迅速に成立させ、さらなる通貨政策で景気回復を下支えする必要があると話した。