東芝歴代3社長まとめて辞任「チャレンジ」指示は否定
2015年7月22日6時0分 スポーツ報知
1562億円利益を水増し 東芝は21日、組織的な利益水増し問題に関し、同日付で田中久雄社長(64)、佐々木則夫副会長(66)、西田厚聡相談役(71)の歴代社長経験者3人が辞任し、22日から室町正志会長(65)が暫定的に社長を兼務すると発表した。
田中社長は21日夕、東京・港区の本社で会見し「株主をはじめ、全ての皆さまに心よりおわびする」と深々と頭を下げて辞意を表明。今回の不祥事を「当社140年の歴史の中で最大ともいえるブランドイメージの毀損(きそん)」と表現し「一朝一夕では信頼を回復できない。従業員や経営陣が一日一日全力で取り組む姿を理解してもらうしかない」と、淡々と話した。
会計問題を調査していた第三者委員会は報告書で、09年3月期から14年4~12月期までに1518億円の利益水増しがあったと指摘。社内調査分を含めると1562億円まで膨らむ。新国立競技場の当初の建設予定費1625億円に匹敵するほど巨額となった。
報告書は歴代3社長が「チャレンジ」などと称して、実現困難な高い収益を強く求めたことが裏目に出たと指摘。各部門での利益水増しにつながったとされるが、田中社長は「直接的な指示をした認識はない」と述べた。
室町会長は9月に開く臨時株主総会まで社長を務める見通しで、その間に新たな社長を含めた本格的な人事刷新を検討する。社外取締役の伊丹敬之東京理科大教授が会計をチェックする監査委員会の委員長に就任するなどの再発防止策も発表された。