サブカテゴリー

PR:

“中年の星”油井さん 夢かなえ宇宙到着「地球が凄くきれい」

油井さん宇宙へ出発 ステーションの油井さん
ソユーズ宇宙船から国際宇宙ステーションに入室し、滞在する飛行士に迎えられる油井亀美也さん(NASAテレビから)
Photo By 共同

 日本人最年長の39歳で宇宙飛行士に選抜された“中年の星”油井亀美也さん(45)ら3人が搭乗するソユーズ宇宙船を載せたロケットが23日、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。約6時間かけて高度約400キロの国際宇宙ステーション(ISS)に到着。約5カ月の任務を開始した。日本人の宇宙飛行は10人目、ステーション長期滞在は船長を務めた若田光一さん(51)に続き5人目となる。

 “中年の星”はステーションに到着すると、バイコヌール基地近くの会場でドッキングの様子を見守った家族と交信した。大画面テレビに、青い宇宙服姿で登場。終始笑顔で「地球が凄くきれいで言葉がないくらい。みんなに見せてあげたい」と語りかけ、妻・恭代さん(46)に「待っててね。怒られないようにやるよ」とメッセージ。

 4月にロシアが打ち上げを失敗し、出発を2カ月延期された。次姉の恵子さん(49)が「中年の星が1等星で輝いています」とエールを送ると、「亀みたいに一歩一歩仕事ができるように頑張ります」と答えた。

 油井さんは星空の美しい長野県川上村で生まれ育った。レタス農家の父・※司(すけじ)さん(78)の農作業を毎日手伝う親孝行な少年だった。姉2人の3人きょうだいで、※司さんは「農家の後継ぎができた」と可愛がり、長姉の関口夏美さん(53)は「よく農作業を手伝った」と振り返る。

 宇宙に関心を持つようになったのは小学3年生のころ。欲しがっていた天体望遠鏡を買ってもらうと、人家の明かりが届かないレタス畑で深夜まで1人、望遠鏡をのぞき続けた。迎えに行き、誘われるまま望遠鏡をのぞいた※司さんは「土星にピントを合わせ、ずっと待っていた。きれいに輪が見えた」と懐かしんだ。小学校の卒業文集に油井さんは「(将来)火星に行く」と書いていたという。

 だが、家計を心配し、学費の不要な防衛大学校に進学。航空自衛隊に入隊後は、F15戦闘機の編隊長や高い技術を求められる軍用機のテストパイロットなどを歴任した。テストパイロットが宇宙を目指す米映画「ライトスタッフ」を見て、再び夢が再燃。08年、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が10年ぶりに実施した飛行士選抜試験に応募。油井さんは500倍近い試験を突破し、39歳で宇宙飛行士に選抜された。

 今後、ステーションに5カ月間滞在。日本実験棟「きぼう」での化学実験や、こうのとり5号機のドッキングなど多様な任務に携わり、12月22日に帰還予定だ。リーダーシップや技量が高く評価され、初飛行前から「将来の船長に」と目される大型新人。「きぼう」の存在感を高めるような活躍が期待されている。

※は言ベンに甫

[ 2015年7月24日 05:30 ]

Webtools & Bookmarks

注目アイテム

ニュース

注目アイテム

スポニチwikiランキング

      人気ニュースランキング

        ※集計期間:

        » 続き

        【楽天】オススメアイテム
        クイックアクセス
        スペシャルコンテンツ