はるくんが仕事で
石川県に数日行くという。
はるくんの生まれ故郷。
ついでに墓参りしようと思うって。
「一緒に行く?」
と聞かれた。
私は「うんっ」って即答した。
久しぶりのプチ旅行。
生まれた町、家を見に行った。
(今でも大ばあちゃんが住んでるけど
会えない事情が。それはまた後ほど・・・)
石川では有名な
餃子屋さんとカレー屋さんに行ったりもした。
墓参りにも付いて行った。
ヘンな感じ。
不倫の身で 墓参りなんて。
帰ってきてからも
2人は一緒に過ごした。
はるくんは
毎日私の家から仕事に行き、
私の家に帰って来た。
Kさんは店には来なかった。
でも電話だけは常に鳴ってた。
自分の元へ帰って来て欲しいからと
「自殺するから!」
と 脅しの電話をかけてきたり・・・。
あまりに電話先で狂乱している声を聞いた時は
家に様子見に帰った時もあったけど・・・。
結局ただの脅しで・・・。
何かある度に、
はるくんはよく口にしてた。
「ごめんな。嫌な思いさせて。」 って。
「もぅちょっと待っててな。」 って。
待つって何?!
はぁ? もうええって。
離婚でもしてくれるわけ?
私はそんな言葉、全く信じてなかった。
不倫によくある会話。
別れるなんて・・・
正直、
なんだかんだ言ってどうせ戻るんでしょ
ぐらいにしか思ってなかった。
Kさんからの連絡が減った。
はるくんが家に服を取りに帰ったりしても
帰ってきている様子がない。
もしかして・・・
そう思ったはるくんはKさんに電話した。
Kさんは取らない。
何度かしつこくかけてると やっと出た。
どこかの家に居るという。
そこがどこかは言わない。
というより、
あとから分かったんだけど・・・
Kさんは言えなかったのだ。
なんでって・・・
元彼の家に居たから。
なんじゃそりゃ。
あんたこそ結婚してからもずっと
連絡取り合ってたんやんけ!
みたいな。
ある日
はるくんが1枚の紙を見せてきた。
『離婚届け』
私 「えっ?!」
はるくん 「離婚するから」
用紙には2人の名前とハンコが押してある。
私 「・・・。」
はるくん 「あとな、2人の見届け人のハンコがいんねん。」
用紙を見たら
確かに見届け人の欄が2つあった。
私は 見届け人の欄に名前と住所を記載し、
ハンコを押した。
もう1人は仲の良かった後輩に頼んだ。
「普通 不倫相手が離婚届にハン押すかぁ~?!」
「しかも婚姻届の前に離婚届にハン押すなんて・・・
どんな経験やねん!」
号泣しそうになるのを堪えるのに
そんな事テンションあげて言いながら・・・
用紙を書いた。
はるくんは離婚した。
スピード離婚。
前の年(2004年)の12月に中国で式をあげてて
この年(2005年)の5月に籍を入れた。
私と6月初めに知り合ってて
7月中頃に離婚。
初めからこの結婚は失敗だった。
勢いに負けてしてしまった。
そう言ってた。
私はマンションを解約し
はるくんの家で一緒に住む事になった。
(ちなみにKさんは荷物を持って元彼の所へ行った)
正直嫌だったけど・・・(元嫁との住処だから)
一戸建てで広かったし、
一緒に居る時間長いからマンションの家賃もったいないし。
でも
幸せな・・・平穏な日々はそぅ続かなかった。