2015年7月24日22時03分
閉店間際の銀行に数発の発砲音が響いた。福岡県久留米市の筑邦銀行東合川支店で24日午後起きた強盗未遂事件。行員に金を要求して引き金を引いた人物は、拳銃のようなものを持ってそのまま逃走した。現場に居合わせた人たちは恐怖に震え、周辺の保育施設などにも緊張が走った。
「筑邦銀行東合川支店です。ピストルが……。早く来てください」。24日午後3時ごろ、行員とみられる女性から110番通報があった。久留米署によると、女性は「机の下に隠れています。詳しくは話せません」と小声で伝え、電話を切ったという。
現場に居合わせた女性は「椅子に座っていたら突然、何かが爆発したような大きな音がした。顔を上げたら男が立っていて、また大きな音がした」と振り返った。店内に悲鳴があがり、怖くてすぐ立ち上がれなかったが、他の客と店外に逃げ出したという。
店内にいた別の女性(63)によると、閉店間際に入ってきた黒っぽい服装の男が行員にバッグを渡して金を入れるよう命じ、数回発砲したという。いらだった様子で「早く入れんか」などと怒鳴り、女性のそばにいた若い女性行員にも「おまえが(金を)入れて来い。撃つぞ」と脅したが、この女性行員は「私はお客さんを守る義務があります」と毅然(きぜん)とした態度で、この女性をかばうように立ちはだかったという。
現場近くの会社に勤める男性(50)は事件発生直後、客や行員ら7、8人が銀行から一斉に飛び出して来たのに気づいた。ただならぬ雰囲気を感じて駆けつけると、女性が1人、倒れていたという。「けがはなかったようだが、気が動転していたのだろう。みんなパニックになっていた」と話した。
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