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今月(5月)、東京・原宿で行われたイベント。
ファッションショーに、人気アーティストのライブ。
会場中に「カワイイ」があふれていました。
このイベントを企画したのが、カワイイとは一見無縁そうなこちらの男性。
アソビシステム社長・中川悠介(なかがわ・ゆうすけ)さん、33歳。
1人の読者モデルに過ぎなかった女子高校性を、アーティスト・きゃりーぱみゅぱみゅとして売り出したのもこの人。
多くの若者たちを惹きつけ、世界にカワイイ旋風を巻き起こす中川さんを支えてきたコトバとは?
竹内
「『未来人のコトバ』、今夜はアソビシステム社長の中川悠介さんです。
イベントの企画運営や、モデル・アーティストのプロデュースなどを通して、カワイイ文化を国内外に発信しています。
その中川さんのコトバがこちら、『ゼロから1を作る』です。」
●ゼロから1を作る
ファッションショーに、モデルたちを送り出す中川さん。
主催するイベントには必ず立ち合うと言います。
竹内
「現場にはよく行くんですか?」
アソビシステム社長 中川悠介さん
「現場はすごい好きですね。」
竹内
「若い女の子の中にいるのが違和感が…。」
アソビシステム社長 中川悠介さん
「僕は普通のつもりだった。」
アソビシステム社長 中川悠介さん
「僕らはゼロから始めて、ゼロから1を作っている。
『ほんとおもしろいですよね』、『人と違いますよね』と言われるが、そこはあまり意識していなくて、自分たちにしか出来ないことを作っていかなければいけない。」
「ゼロから1を作る」。
中川さんは、これまで世の中に存在しなかったものを新たに生み出すことを常に目指して来ました。
この世界に入るきっかけ。
それは学生時代の遊び場だった原宿で仲間たちと何か楽しいことをしたいと、小さなイベントを企画したことでした。
アソビシステム社長 中川悠介さん
「昔バンドをやってみたりした。」
竹内
「バンドでは何を?」
アソビシステム社長 中川悠介さん
「ベース、DJ、いろいろしてみた。
結局、裏方のほうが楽しいなと。」
竹内
「実際に裏方に回ってみると、表に出るのとは違うように感じた?」
アソビシステム社長 中川悠介さん
「いろいろなものを作り出す楽しさがあった。
例えばファッションショーを作るときに、デザイナーの子がいて、ヘアメイクの子がいて、友達のダンスをやるやつがいて、その照明、演出を手伝ったりとか。
そういう組み立てるのを見てると、すごく楽しかった。
組み合わせるところはすごく興味があった。
すごくいいと思う人を合わせるといろいろなことが起こるのは、すごく楽しいなと思った。」
どうやって「ゼロから1を作る」のか。
こだわっているのは、意外な組み合わせ。
例えば、きゃりーぱみゅぱみゅ。
アソビシステム社長 中川悠介さん
「当時からブログ、SNSがすごかった。
センスはいい子だと思っていた。」
1人の読者モデルにすぎなかった女子高校生のセンスに注目。
歌手の経験が全くなかったにもかかわらず、若者に人気のアーティスト・中田ヤスタカさんにプロデュースを依頼しました。
意外な組み合わせによって、これまでにない世界観が誕生。
多くの人の心を掴んでいるのです。
アソビシステム社長 中川悠介さん
「きゃりーなんかメチャメチャ面白いし、絶対イケると思っていた。
でも、思っていたのって僕たちだけで、最初は。
それに対していろいろな人たちが注目してくれていって、今になっていると思う。
(自分で)作り出していく子たちと、(周りが)作り上げる子たちがいる。
きゃりーは(自分で)作り出している子だと思っていて、いろいろな人が集まってきて、いろいろなことが彼女中心に進んでいくことが大事だなと思っている。」
中川さんのイベントが行われていた原宿の街。
街ゆく人たちのある共通点に気づきました。
竹内
「皆さん、さっきからおそろいのトートバック持たれてる方が多いですね。
『ハラジュクカワイイ』って書いてありましたよね。」
イベントの名前が書かれたバッグ。
中川さんの会社が無料で配布しています。
イベントと連動して行われた企画で、原宿にある113の店が参加、バッグを持って買い物をすると…。
竹内
「買い物をするとバッチをいただける。」
バッジを3つ集めると抽せん会に参加でき、さまざまなカワイイグッズがもらうことが出来ます。
これまで会場に来なければ楽しめなかったイベント。
中川さんは、イベントと買い物と結びつけることで、会場の外でもイベントの気分を味わうことが出来る、これまでにない仕組みを作ったのです。
アソビシステム社長 中川悠介さん
「楽しくないですか?
自分が考えたことが実現できたり、自分が考えていることが、人からいいって言ってもらえたらうれしい。
そこって自分の“エネルギー”だと思う。」
将来は、カワイイ文化を発信するテーマパークをつくることを計画しているという中川さん。
これからも「ゼロから1」を作り出し続けます。
アソビシステム社長 中川悠介さん
「自分たちにはレールがなくて、会社としてのルールもない。
『昔こうだったから、こうだよね』というデータ分析もない。
今いいと思ったことをやればいいと思っていて。
『アソビシステムじゃないとできないことをやっていかなきゃいけないよね』と思っていて、僕たちがゼロから1を作って、育てていく。」
●ゼロから1を作る
竹内
「森永さん、いかがでしたか?」
経済アナリスト 森永卓郎さん
「昔のカワイイっていうのは、男目線を意識していたんですね。
男の人にカワイイって思われたい。
でも、今のカワイイは違うんです。
きゃりーさんたちがやっているのは、あまりお金をかけずに強烈に自分たちの個性を主張する。
それをいいなって思える感性を持っていたっていうところが、中川社長の天才的なすごさだと思いますね。」