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【全文】「 やっぱり心配。徴兵制。」~安倍さんがわかりやすくお答えします!平和安全法制のナゼ?ナニ?ドウシテ? 第五回

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(丸川):去年の雑誌のインタビューだったと思うんですけれども、岡田さんが「集団的自衛権を全く認めないのかといえば、本当に必要性があって非常に限定されたケースにおいては、それはあり得ると考えています」と言っていますが、ほとんど同じではないかと思うんですが。

(安倍総裁):私もほとんど同じだと思うんですが、しかし、実際党として、憲法に違反しているのか違反していないのかということを何回も問いかけているんですけれども、未だに答えがないんです。

(丸川):ないですよね。岡田さんがおっしゃることの一つに、邦人を乗せた船などは海上警備行動で守るという話があるんですけれども、これは現実性があるんでしょうか。

(安倍総裁):海上警備行動についてですが、自衛艦が警備行動をするから、いかにも軍事的な行動のように思われるんですが、これはいわば警察活動なんです。権限は警察官と同じなんです。ですから、相手が犯罪者のようなグループであればそれは有効かもしれませんけれども、相手が国で武力行使をしているという状況に対して、まさに警察官と同じ権限で立ち向かうというのは、まるでミサイルに対してピストルで立ち向かえと言っているのと同じであって、極めて非現実的だと言わざるを得ないと思いますね。

(丸川):具体的に実際の場面を考えると絶対にもたないですよね。

(安倍総裁):むしろ警察官に本当に限られた権限しか与えずに、武器の使用についても限られた権限しか与えずに、武力行使をしている軍隊に立ち向かえというのは、自衛隊のことや自衛隊員の命も勿論ですが、国を守るという観点からも全く間違っている。
これはやはり民主党が、あるいはまた岡田さんが、「日本を守るため警戒にあたっている米国の艦船が攻撃された時に守れなくていいんですか」、という私の問いかけに答えなければいけないという追いつめられた状況で、「警察官の権限しかない海警行動でやりますよ」と苦し紛れに答えたとしか私には思えないです。

(丸川):現実問題として、きちんと自分たちの身を守れるような状況ではない時に、自衛隊を出すことの方が、むしろ無責任なような気がしてならないのですが。

(安倍総裁):全くその通りですね。

(丸川):過去を見ると、民主党自身が憲法解釈を変えてきていますよね。例えば、かつて野党時代は当時の菅代表が衆議院の本会議で、自衛隊のイラク派遣について憲法に明らかに違反した活動だと述べました。そして、その時はたしか派遣を命令した小泉総理に辞任を要求したんですよね。でも、民主党がいざ政権をとったら何の説明もなく、合憲ですと説明しているんです。

(安倍総裁):つまり、イラクに派遣をした当時は、憲法違反だと言って強く非難をしておられました。しかし、今どう考えているのかということについては何の説明もないということだと思います。また、あの時も非戦闘地域ということが問題になったんですが、あの時はそれも含めて憲法違反だと言っていたにも関わらず、今の議論では戦闘「現場」ではなくて、戦闘地域は事実上容認しているような発言です。つまり、それも含めて憲法違反だと言っていたあの主張はどこにいったんですか、という気がいたしますね。

(丸川):なんかこうズルズルっと気が付いたら変わっているという感じにしか思えないんですが。大変無責任な印象を受けるわけですけれども、私たちは一生懸命、民主党の反対の中、法案を作ったのに、いざ政権を取ったらなんの説明もなく使うということをしているわけですね。これは絶対みなさんにぜひ忘れて欲しくないことだと私は思っています。
忘れてならないと言えば、世界一周旅行のピースボートです。ピースボートを創設したのは、民主党の辻元清美議員ですが、あのピースボートは海賊が出る海域を通る時に、確か自衛隊に護衛してくれって頼んで、自衛隊に守ってもらったんですよね。

(安倍総裁):海賊対処のための法案を出した時も、民主党は反対でした。しかし、実際にいざ危なくなると、今度は助けてくれと、こういうことなんだろうと思います。また、例えば弾道ミサイル防衛のための法改正にも反対されました。しかし、民主党政権時代には彼らが反対した法律を使って命令して、自衛隊を出動させたということなんです。ですから、とにかく反対しますが、政権に就くと、説明もせずに自分たちが反対した法律を使おうということなのかなと思います。

(丸川):与党を経験した党だからこそ、我々はぜひ責任を持った議論をお互いしたいという気持ちを持っているんですけれども、あの時はなんだったんだということが続いていますよね。

(安倍総裁):やっぱりちゃんと対案を出していただければと思います。維新の党は対案が出ました。そうなりますと、国民の皆様の前で、どちらの案が良いのかということで議論も噛み合ったのではないのかなと思いますね。

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