(丸川):徴兵制と集団的自衛権が、さも関係があるような話になっている気がするんですが、関係があるんですか?
(安倍総裁):これはないですね。永世中立国のスイスは、世界でも数少ない集団的自衛権を行使しない国ですが、徴兵制度なんです。一方、集団的自衛権をかつてアフガン戦争で行使したことがあるアメリカやイギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ、こういう国々は徴兵制度ではなく志願制度です。ですから、徴兵制度と集団的自衛権は全く関係がないんです。
(丸川):やっぱりそうなんですね。ただ、徴兵制を全く関係ないものと考えても、将来自衛隊の活躍の場が広がることをいろんな意味で捉えて、志願する人が減ってきたら結局徴兵制にしないと持たなくなるんじゃないのかとおっしゃる方も中にはいらっしゃるんですよね。
(安倍総裁):そうですね。我々が今申し上げたようなことを言って反論すると、丸川さんが言ったようなことを言われるんです。しかし、現実はどうかというと、今自衛隊に応募する方は多く、競争率は7倍なんです。
(丸川):7倍!?
(安倍総裁):7倍なんです。閣議決定をした昨年以降でも7倍です。昨年集団的自衛権を一部容認する閣議決定を行いましたね。それによって応募する人は減るはずだと言って今丸川さんが言ったような批判をされているんですが、実は7倍のままなんです。これはやはり東日本大震災の時もそうだったんですが、自衛隊のみなさんは本当に困難な仕事をしてくれています。ああいう状況の中で、身に危険があっても、そうなんです。
御嶽山の時も救助に向かいました。また噴火すれば身に危険が迫るかもしれない。しかし、自分たちこそ日本人の命を守るんだと。ああいう姿を見て、自分もこういう意義のある仕事をしたい、やりがいのある仕事をしたい、と思う人たちがたくさん日本人の中にはいる。若いみなさんの中にそう考えている人たちがたくさんいるんだということを思うと、私は大変誇りに思いますね。
(丸川):そうですね、そうやって自ら志してくださる方がいるということのありがたさを、しみじみ感じます。
(安倍総裁):そういう若者がいなくなったら、その段階で国というのは滅亡していくのではないのかなと思います。
(丸川):少子高齢化とも関係ないんですよね。
(安倍総裁):関わりがない話だと思います。
(丸川):今まで伺ってきて、やっぱり徴兵制はないと考えていいんですね。
(安倍総裁):これはもうはっきりと、繰り返しておきたいのですが、徴兵制度というものは憲法で禁止されていますし、自民党の憲法草案でも禁止されています。政権が代わっても現在の憲法の解釈変更の余地は全くありません。
(丸川):徴兵制はない。集団的自衛権とも関係ない話だということです。
今までずっと平和安全法制の議論を進めてきて、いろんな議論が出てきましたけれども、ついに先週、維新の党が対案を出しました。これに対して与党を経験した民主党にはどういう考えがあるのかというと、政府の案には批判をしますけれども、自分たちの対案という話は出てきていないですよね。
(安倍総裁):残念ながら集団的自衛権に関わる対案は出していないんですね。岡田代表自身は安倍政権が進めている集団的自衛権には反対しているけれども、しかし、今の憲法でも認められている集団的自衛権というものはあるという、そういう発言も実はしているんですね。
記事
- 2015年07月24日 12:44
【全文】「 やっぱり心配。徴兵制。」~安倍さんがわかりやすくお答えします!平和安全法制のナゼ?ナニ?ドウシテ? 第五回
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