【シリコンバレー=兼松雄一郎】米アマゾン・ドット・コムが23日発表した4~6月期決算で、純利益が9200万ドル(約114億円)の黒字(前年同期は1億2600万ドルの赤字)となった。利益率の高いクラウドサービス「アマゾン・ウェブ・サービス(AWS)」が好調だったほか、北米でネット通販が順調に伸び、2四半期ぶりに黒字化した。売上高は前年同期比20%増の231億8500万ドルとなった。
実質的な1株利益は0.19ドルの黒字(前年同期は0.27ドルの赤字)だった。赤字だった市場予想に反して黒字となったため、同日の米株式市場の時間外取引でアマゾンの株価は同日終値から急騰し、一時18%以上、上がった。
収益をけん引したAWSの売上高は前年同期比81%増の18億ドル。厳しい競争でサービスの単価は下がっているが、規模拡大でAWS事業の営業利益率は21.4%と前年同期から14ポイント近く上がった。同社全体を大幅に上回る突出した収益事業となっている。
地域別では北米の売り上げが26%伸びた。電話会見でブライアン・オルサブスキー最高財務責任者(CFO)は「北米以外でも早期配送・コンテンツ配信の有料会員サービスが急激に成長している」と語った。地域としてはインドが急速に成長しており、AWS事業でも重点的に投資していくという。
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