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【政治】安保抗議行動に村山元首相 「命懸けで憲法守る」
村山富市元首相(91)が二十三日夕、国会前で安全保障関連法案に抗議する行動に参加し、「一総理大臣の恣意(しい)だけで戦争できる国にするのは絶対許せない。主権者の国民が立ち上がって日本を守ろう」と訴えた。首相経験者が国会前の路上で演説するのは珍しく、戦後の安保政策が大転換するかどうかの重大局面を象徴する光景となった。 午後六時半、村山氏は周りに体を支えられて高さ二十センチほどの演壇に上がった。マイクを握ると背筋がすっと伸び、「国会の姿は変わらない。しかし日本の政治は大きく変わろうとしている」と切り出した。 「平和憲法があるから戦争に参加せず平和を七十年間守ってきた。私もあと何年生きるか知らないが、命懸けでこの憲法を守るため頑張る」と締めくくった。話す前の好々爺然(こうこうやぜん)とした穏やかな表情は消え、拳を国会に向けて突き上げた。 抗議行動は、市民団体でつくる「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」が主催。約二千人(主催者発表)が集まった。参加した東京都杉並区の日本語教師茅野(ちの)礼子さん(66)は「過去の侵略戦争に対してアジアの人々への深い反省をこめた首相談話を戦後五十年に出した村山さんらしい演説で感動した」と話した。 これに先立ち、村山氏は国会近くの憲政記念館で開かれた集会で講演。安保法案の衆院での強行採決に「多数を握ってるからといって、強引に(審議を)打ち切って、強行採決をさせるなんてことは日本の歴史の中にない」と批判した。 上官の命令に服従するしかなかった自らの軍隊体験にも触れ「自由もなければ何もなかった。平和憲法が作られた時、本当に明るく晴れ上がったような気持ちになった」と語った。 (辻渕智之、小林由比) PR情報
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