今回は多くのウェブホストから推奨されているWordPressのW3 Total Cacheプラグインを使って、ブログ表示の高速化を行い、SEOに効果があるGoogleのクロールを妨げているJavaScriptやCSSを最適化していきたいと思います。
W3 Total Cacheはキャッシュを活用したプラグインです。
キャッシュとは、あなたのブログリピーターに対し、すぐにアクセスできるように以前のアクセスデータを蓄積しておく機能です。
W3 Total Cacheの設定の前に、Webサイトのパフォーマンスを測定する「GTmetrix」サイトで当ブログ「アフィリ課」のトップページを確認しておきました。
上が導入前、下が導入後です。導入してページロードが2.34秒改善しました。
Webサイトの表示スピードが1秒遅くなると、PV(ページビュー)が11%、コンバージョン(成約)は7%、お客様満足度は16%ダウンすると言われていますので、2.34秒はかなり大きな改善であるといえます。
長いスパンで判断した際に、間違いなくアフィリエイト報酬に差が出ると思っています。
Page Speed GradeはGoogleの表示速度です。
90%を越えて嬉しいです^^
目次
1.W3 Total Cacheの設定方法
このプラグインは専用サーバにも対応できる機能を備えているため、難しい設定内容となっています。
英語と相まって、尻込みしがちですが、画像の通りに設定すれば難しくありませんので、SEO対策としてしっかり作業を進めてください。
WordPress管理画面から「プラグイン」→「新規追加」を選択し、検索窓から「W3 Total Cache」を検索してください。表示されたW3 Total Cacheの「いますぐインストール」ボタンを押します。
2.全体の設定(General Settings)
W3 Total Cache のインストールが正常終了し、WordPress管理画面メニューに「Performance」という項目が追加されます。
初めに「General Settings」の設定を行います。
一般設定、ページキャッシュ、ソースの最適化、データベースキャッシュ、オブジェクトキャッシュ、ブラウザキャッシュの各設定を行います。
2-1.全体設定(General)
「Toggle all caching types on or off」はW3 Total Cache作者おすすめ設定にしてくれるお任せモードのようですが、有料版などが有効化されてしまうため、チェックは外しておきます。
2-2.ページキャッシュ(Page Cache)
ページ速度を高速化させる重要な項目で、SEOの効果が期待できます。
必ず「Enable」にチェックを入れてください。
「Page cache method」は、WordPressはHTMLを生成させるシステムなので、htmlページをキャッシュする「Disk: Enhanced」を選択します。
2-3.最適化(Minify)
Minifyは縮小という意味ですので、WordPressテーマで使われているCSSとJavaScriptなどのファイルのソースを最適化する項目です。
このサイズ減少でページのロード時間を削減することができます。
「Enable」にチェック。
私の環境下では「Minify mode」をAuto(自動)に設定しましたが、あなたが使用しているブログのテーマで不具合が起きる場合もありますので、その時はManual (手動)にするか、「Enable」のチェックを外し、この項目は使用不可にしてください。
この項目はGoogleのウェブマスター向けガイドラインに新たに加わったCSSやJavaScriptファイルの配信を最適化する問題とも密接に関わってくる、SEO効果を高める大切な設定になります。
この機能で不具合が出る場合は、Async JS and CSSやHead Cleanerというプラグインをおすすめします。
2-4.データベースキャッシュ(Database Cache)
上図の通り、「Enable」にチェック。
「Database Cache Method」はレンタルサーバのDiskを指定します。
SQLの処理が遅い共用サーバ向きの設定で、MySQLにアクセスする回数が減り、あなたが記事を投稿する際の動作を軽減してくれます。
2-5.オブジェクトキャッシュ(Object Cache)
WordPressのphp(グローバル変数)をキャッシュして、よく行う操作の実行時間を短縮します。
「Enable」にチェックし、「Object Cache Method」は選択肢から適切な項目を選びます。
レンタルサーバの場合は「Disk」になります。
2-6.ブラウザキャッシュ(Browser Cache)
「Enable」にチェックをします。
WordPressを高速化させるSEO対策として、このブラウザキャッシュは重要項目です。
あなたのブログ訪問者のブラウザにあるキャッシュを利用するので、サーバ負荷が減り、ページの応答時間が短くなります。
2-7.その他の設定(Miscellaneous)
以下の項目は設定が不要なので飛ばしてください。
CDN
Reverse Proxy
Monitoring
Licensing
Debug
Import / Export Settings
「Enable Google Page Speed dashboard widget」はGoogleの提供する「PageSpeed Insights」をWordPressの管理画面上で利用するものです。
Webサービスの「PageSpeed Insights」やあなたのGoogleウェブマスターツールのメニューにあるため、不要と判断してチェックを外しました。
「Verify rewrite rules」は.htaccessなどのエラーを通知する機能です。
3.ページキャッシュの詳細設定(Page Cache)
W3 Total Cacheの全体の設定の次は、2-2で有効化したページキャッシュの詳細設定になります。
「Performance」→「Page Cache」でアクセスしてください。
3-1.ページキャッシュの全体設定(Page Cache > General)
上図の2箇所にチェックを入れます。
「Cache front page」はその名の通り、トップページをキャッシュして表示速度を上げます。
「Don’t cache pages for logged in users」は、管理画面にログイン中には、キャッシュを行わない設定です。チェックを入れ忘れてしまうと、記事がリアルタイムで反映されなかったり、編集中の記事が表示されてしまう可能性がありますので十分にご注意ください。
それ以外の項目はチェックを入れません。
3-2.事前のページキャッシュ設定(Page Cache > Cache Preload)
「Automatically prime the page cache」のチェックを外します。
事前にページキャッシュを生成してくれる機能ですが、サーバ負荷が増えるため有効にはしません。
3-3.ページキャッシュの更新(Page Cache > Purge Policy)
「Purge Policy」とは、キャッシュの更新を行う際の設定です。
上図のようなチェックをしてください。
記事を更新する度に自動的にキャッシュを更新します。この設定を間違えてしまった場合、古いキャッシュが残ってしまい、ページが更新されません。
それ以外の項目は初期設定のままです。
3-4.上級者向け設定(Page Cache > Advanced)
「Advanced」は全て初期設定のまま変更しません。
「Garbage collection interval」とはキャッシュの更新間隔です。3600秒(1時間)が基本設定になっています。
「Comment cookie lifetime」はコメントのクッキー時間です。1800秒(30分)が初期値です。
4.データベースキャッシュの詳細設定(Database Cache)
ページキャッシュの詳細設定に続いて、2-4で有効化したデータベースキャッシュの詳細設定になります。
「Performance」→「Database Cache」でアクセスしてください。
4-1.データベースキャッシュの全体設定(Database Cache > General)
「General」にある「Don’t cache queries for logged in users」をチェックします。
管理画面にログイン中はデータベースキャッシュを更新しないためです。記事の投稿などの作業が正常に反映されない可能性がありますので、必ずチェックしてください。
次項目の「Advanced」は、初期値のままで変更はありません。
5.オブジェクトキャッシュの詳細設定(Object Cache)
データベースキャッシュの詳細設定に続いて、2-5で有効化したオブジェクトキャッシュの詳細設定になります。
「Performance」→「Database Cache」でアクセスしてください。
5-1.オブジェクトキャッシュの高度な設定(Object Cache > Advanced)
オブジェクトキャッシュの有効期限や期限切れデータの削除時間などを設定しますが、初期値のままでいいと思います。
6.ブラウザキャッシュの詳細設定(Browser Cache)
オブジェクトキャッシュの詳細設定に続いて、2-6で有効化したブラウザキャッシュの詳細設定になります。
「Performance」→「Browser Cache」でアクセスしてください。
上図の箇所のみチェックを入れます。
ページの最終更新日やキャッシュの有効期限、キャッシュの整合性を決める項目です。
この設定であなたのブログに再訪したリピーターに、以前のキャッシュファイルを読み込ませることができるようになり、ページ表示速度が向上します。
W3 Total Cacheの基本的な設定は以上になります。
7.キャッシュのクリア方法
何らかの理由でW3 Total Cacheのキャッシュを削除したい場合は、下記のように行います。
キャッシュのタイミングが悪く、デザインの変更などが反映されない時に使います。
「Performance」→「Dashboard」にある「empty all caches」をクリックします。
8.W3 Total Cacheアンインストール時の注意点
W3 Total Cacheをアンインストールした際に、「ページが真っ白」「管理画面に入れない」といった不具合が発生する場合があります。
これらは設定時にW3 Total Cacheによって書き加えられたファイルや追加ファイルが原因です。
インストール前の状態に戻す必要があります。
- アンインストールの前に、W3 Total Cacheメニューの「General Settings」にある全「Enable」のチェックを外す。
- 条項5の方法でW3 Total Cacheのキャッシュ削除
- WordPressをインストールしたトップディレクトリのwp-config.phpファイルに追記されたコードの削除
- WordPressをインストールしたトップディレクトリの.htaccessファイルに追記されたコードの削除
- wp-contentディレクトリに追加されたフォルダーやファイルを削除
wp-config.phpファイルの追記内容
以下の箇所を削除します。
秀丸などのUTF-8の文字コートが使えるテキストエディタで編集してください。
/** Enable W3 Total Cache */
define(‘WP_CACHE’, true); // Added by W3 Total Cache
.htaccessファイルの追記内容
以下の箇所を削除します。
秀丸などのUTF-8の文字コートが使えるテキストエディタで編集してください。
# BEGIN W3TC Browser Cacheから
# END W3TC Browser Cacheまで
# BEGIN W3TC Page Cache coreから
# END W3TC Page Cache coreまで
wp-contentディレクトリの生成フォルダーとファイル
FTPでログインし、以下のフォルダーとファイルを削除します。
cache フォルダ
w3tc-config フォルダ
advance-cache.php
db.php
object-cache.php
注意
生成ファイルはW3 Total Cacheの設定内容により異なります。
9.まとめ
ページの冒頭で検証した通り、私のブログはW3 Total Cacheの導入で2.34秒ページの読み込み速度を改善することができました。
この2.34秒がSEOに直結する大切なことであることは、すでにお話しさせていただきました。
あなたがWordPressを高速化させるプラグインを使っていないなら、このW3 Total Cacheであなたのブログの表示速度が向上することを実感してください。