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 国会論戦で政府・与党を徹底的に追及する「批判野党」か。対案をまとめて政権担当能力を示す「責任野党」か――。野党第1党の民主党が安全保障関連法案の参院審議でどちらの路線をとるのか、党内で議論になっている。衆院では「批判」路線をとり、今もその考えが主流だ。しかし、過去には対案を示して自民党と修正合意したこともあり、「責任」路線をとるべきだとの意見もある。

 民主党の岡田克也代表や枝野幸男幹事長ら執行部は衆院審議で、法案に対し「憲法違反」などと問題点を追及する「批判野党」路線をとってきた。岡田氏は与党が衆院で採決を強行した翌17日の記者会見で、対案については「出せば、政府案の問題点を(参院で)議論する時間が減る」と述べ、参院でも提出しない方針を示した。

 しかし、細野豪志政調会長、長島昭久元防衛副大臣、馬淵澄夫元国土交通相の3グループが20日夜、東京都内で会合を開き、異論を唱えた。会合では、対案をまとめるべきだとの意見で一致。3氏や前原誠司元外相らは「責任野党」路線を強調する。

 細野氏は会合翌日の21日の会見で「対外的に明確に示すことは、非常に重要だ。しっかりとまとめるべき時期に入った」と述べ、対案作成に改めて意欲を示した。長島氏はブログで「参院審議で野党がしっかりした対案を最初から提出し、政府案の修正などを迫る」とまで主張している。

■有事法制めぐり修正合意も