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「明日から本気出す」派に朗報?! “講義動画”の充実で再び注目のeラーニング

(2015/7/24 06:00)

 インターネット時代の学習スタイルとして、“eラーニング”の注目度が高まったのは2000年ごろ。それから十数年が経過し、コンテンツの不足やデバイスの普及、回線速度などの問題も徐々に解消。ジワジワとその存在感を高めている。

 最近では、動画によるオンデマンドでの講義配信が一般化し、さらには著名な大学が無償でコンテンツを提供する例も少なくない。もう「明日参考書買ってきてから勉強する」どころの話ではない。飲み会帰りの電車内で、スマホを見ながら大学級の勉強できる時代が到来しているのだ。

UTokyo OpenCourseWare
gacco
schoo

講義動画をネットで公開、今から学べる大学のサイト

 eラーニングサービスを提供する団体・事業者は数多いが、その中でも特に存在感があるのが大学系だ。東京大学を筆頭に、公立大・私大の多くが講義動画を配信しており、その大半が無料・会員登録不要で閲覧できる。サイトの作りがやや分かりづらい場合もあるが、まずは一度、気になる学部をのぞいてほしい。

UTokyo OpenCourseWare

http://ocw.u-tokyo.ac.jp/
 東京大学による講義動画配信の取り組み。ページの見た目に反し、コンテンツ量はかなりのもの。とにかく最初にフリーワードで検索してみよう。なお、サイト名になっている「オープンコースウェア(Open Course Ware)」とは、講義動画無償公開活動のこと。「OCW」などと略され、他の大学でも汎用的に使われている用語なので、覚えておこう。

KYOTO-U OPEN COURSEWARE

http://ocw.kyoto-u.ac.jp/ja
 こちらは京都大学のOCW。トップページには記念講演や模擬授業の動画が並んでいるが、同ページ左ペインの「授業ノート・ビデオのある講義」からは、さらに多くのコンテンツにアクセスできる。

Waseda Course Channel

http://course-channel.waseda.jp/
 早稲田大学の講義を広く一般に公開するためのプラットフォームとして、2014年2月にオープンした。学部のほか、動画の有無などで講義内容を絞り込める。「統計学入門」「マーケティング論」など、実務にすぐ役立ちそうな内容も多い。

Keio University SFC Global Campus

http://gc.sfc.keio.ac.jp/
 慶應義塾大学の湘南藤沢キャンパス(SFC)による講義動画配信のページ。一般ユーザーが無償で視聴できるが、一部講義については学生の単位取得にも利用されている。経済関連の講義が多く、夏野剛氏の「ネットワーク産業論」なども視聴できる。

明治大学 iTunes U

https://www.meiji.ac.jp/ubiq/itunesu/
 明治大学でもOCW的な取り組みを行っているが、その多くはAppleの「iTunes U」を通じて配信されている。視聴には、デスクトップ向けソフトである「iTunes」もしくはiOS向けの「iTunes U」アプリを利用する。

筑波大学オープンコースウェア

http://ocw.tsukuba.ac.jp/
 講義のほか、学内関係者インタビューなどを配信中。講義ジャンルの網羅性こそ低いものの、コンテンツは定期的に追加されており、直近では「言語学概論a」の13回目までが視聴できるようになった。

放送大学動画チャンネル

http://www.ouj.ac.jp/hp/movie/
 テレビやラジオを使った講義で知られる放送大学。非在学生に向けては、一部の授業をお試し的にオンデマンド配信している。また、OCWのページでも過去の授業がいくつか閲覧可能。

近畿大学 公開講座

http://www.kindai.ac.jp/rd/kouza/
 クロマグロ完全養殖の研究で知られる近畿大学。ウェブサイトでは、これまでに実施された市民向け公開講座のうち、東大阪キャンパス開催分の一部が動画でアーカイブされている。

サイバー大学 公開講座

http://www.cyber-u.ac.jp/open/
 ソフトバンクグループの通信制大学。自校の講師、あるいはベンチャー企業の社長らを招いての公開講義の無料配信している。トークショー感覚で見られるものもいくつかある。

東洋大学 入試情報サイト Web体験授業

http://www.toyo.ac.jp/nyushi/academics/learning/column/video-lecture/
 OCWとはちょっと違った視点で講義動画を配信している東洋大学。入学志望者に対して、いわばサンプル的に公開するというものだ。配信プラットフォームもYouTubeなので、リスト登録などが簡単にできる。

修了証発行でやる気アップ! 「MOOC」ってどんなもの?

 動画やPDF資料を単に閲覧するにとどまらず、ウェブ上での試験などによる学習到達度判定を経て、最終的には修了証の発行までを行う「MOOC(Massive Open Online Courses)」という取り組みが一部で始まっている。大学の単位に認定される段階までには至ってないが、地理的理由などで学校へ通えない場合などに効果を発揮しそうだ。

gacco

http://gacco.org/
 NTTドコモが運営しているMOOC。大学レベルの講義動画をすべて無料で提供している。1つの動画ファイルを10分程度とし、スマートフォン向けにも配信することで、隙間時間でも学習できるように配慮しているという。対面学習コースは有料。

OpenLearning

https://open.netlearning.co.jp/
 大学などと協力し、さまざまなジャンルの講座を用意しているMOOC。他のMOOC同様、受講に当たっては事前の申し込みが必要。一定の期間内に講義動画と視聴し、テストに合格すれば電子修了証がもらえる。

JMOOC

http://www.jmooc.jp/
 日本およびアジア地域でのMOOC普及を目指して活動している日本オープンオンライン教育推進協議会のウェブサイト。前述のgaccoおよびOpenLearningはJMOOCの公認配信プラットフォームという位置付けになっている。

iTunes U

http://www.apple.com/jp/education/ipad/itunes-u/
 アップルのiTunes Uは学習用動画の配信以外にも、MOOCプラットフォームとしての機能も備えている。教師が課題を作って配信したり、生徒はディベートを行うこともできる。

Coursera(英文)

https://www.coursera.org/
 MOOCは2012年ごろに米国で勃興した概念で、その最初期から運営されていたのがCourseraだ。ハーバード大学、スタンフォード大学など国際的に著名な大学も参加。日本からも東京大学が参画している。

edX(英文)

https://www.edx.org/
 こちらも米国MOOCの代表格。日本からは東京大学、京都大学などが2〜3コースの授業を配信している。

ソフトの操作法も学べる! 広がるeラーニング

 eラーニングは何も大学の勉強だけを代替するものではない。資格取得であったり、さらにはソフト操作法の解説といった用途にも応用されている。社内研修の代わり、あるいは学校教育の現場など、今後さまざまな場面で目にする機会が増えることだろう。

schoo

https://schoo.jp/
 主に生放送形式で学習動画を配信する。IT技術やマネジメント能力の養成に向けた講義を用意する一方、国内私大も参画している。原則として、無料会員が1カ月に視聴できる録画講義は1コマのみ。月額980円(税込)のプレミアム会員に登録すると、制限が緩和される。

ドットインストール

http://dotinstall.com/
 初心者向けのプログラミング学習サイト。HTMLやJavaScriptなどを対象としている。1本3分程度の解説音声付き動画を次々に視聴していくというのが基本的な学習スタイル。ユーザー登録をすると、動画の閲覧履歴などが管理できるようになる。中・上級者向けの内容などの閲覧には、月額880円(税込)のプレミアム会員登録が必要。

Microsoft Office 365 連動画集

https://www.microsoft.com/ja-jp/office/365/learning-movie.aspx
 マイクロソフトのOffice製品の利用方法をまとめた動画集。実際の公開はYouTubeで行われている。日本語ナレーション付きで、マウスカーソルや画面アニメーションなどを見ながら操作方法を学べる。

Microsoft Virtual Academy

http://www.microsoftvirtualacademy.com/
 こちらもマイクロソフトのサイトだが、主に開発者を対象とし、内容もかなり専門的。学習コースにはHTML 5やクラウド開発などがある。講義動画は基本的に英語だが、日本語字幕が付いている。

aoten 動画を見る

http://www.aoten.jp/snack/
 マイクロソフト製品の資格試験などを手がける企業が運営。WordやExcelのスキルをセルフチェックできるコーナーに加え、動画も用意。PowerPoint関連なら「行の開始位置を変更する」「グラフの下にデータを表示する」といった実践的なテクニックが学べる。

なんとなくPhotoshop使ってる方のための基礎講座(Adobe Creative Station)

http://blogs.adobe.com/creativestation/photoshop-cc-basic-on-ccdojo
 アドビの写真編集ソフト「Photoshop」の便利な利用方法を解説している。テーマはレイヤーマスク、トーンカーブ、切り抜きなどで、各回とも1時間近い大ボリュームを誇る。なお、おおもとの映像は、USTREAMで定期的に配信されている「Creative Cloud 道場」のもの。

Livoo!

http://www.livoo.ac/
 全コース無料を謳う資格学習サービス。広告、職業紹介、オプションでの教材販売などを行うことで、無料を実現しているという。各コースともまず簡単なテストを実施し、課題を洗い出した上で講義動画を視聴する方式をとっている。

資格サプリ

https://shikakusapuri.jp/
 リクルートによるサービス。TOEIC、簿記、介護に関する資格取得のための勉強をスマートフォンで行える。問題集としての利用はもちろん、動画講義の機能もある。原則有料で、料金は各コース月額980円(税込)。

Udemy

https://www.udemy.com/jp/
 もともとは米国で誕生したサービスだが、日本展開にあたってベネッセと提携した。各分野から広く講師を募集し、一般ユーザー向けに有料配信するプラットフォームとしての側面が強い。値段はコンテンツによってバラバラで、元サッカー日本代表監督の岡田武史氏によるチームビルディング論のように1万円近いものもある。

Gozal Movie

https://gozal.cc/movie
 士業クラウドソーシングの「Gozal」から派生した新サービス。財務・労務・法務に関連した学習動画だけを配信する。講師も現役の弁護士や税理士が行う。

消防庁 eカレッジ

http://open.fdma.go.jp/e-college/
 防災・危機管理について、動画を見ながら学習できる。東日本大震災の概要、地域防災の実践、南海トラフ地震への対策など、非常に幅広い内容を取りそろえる。なお、学習管理システムもあるが、利用にあたっての受講管理者登録などが必要。

manavee

http://manavee.com/
 大学受験のための無料学習サイトという位置付け。個人開発でスタートし、現在は特定非営利法人が運営する形態となっている。授業の講師は、学生をはじめとしたボランティアが担当。動画公開数は1万件を超えたという。

夢ナビ

http://yumenavi.info/
 高校生向けの進学ガイダンスサイト。大学紹介の一方で、イベント会場で収録した模擬講義の模様が動画で配信されている。社会人でも、ちょっとした教養の授業のつもりで楽しむことができるだろう。

カーンアカデミー

https://ja.khanacademy.org/
 世界中の子供に無料で教育を提供するという理念のもとに活動している非営利団体。こちらはその日本語版にあたり、動画についても基本的に吹替が付いている。特に数学が充実しており、小学生向けの足し算・引き算に始まり、微分積分なども取り扱う。

eラーニングライブラリ

http://www.jmam.co.jp/productservice/elearning_lib/
 eラーニングは社内研修などでも活用されている。日本能率協会マネジメントセンターによるこちらのサービスは、主に法人を対象としつつ、研修用動画を見放題で提供するもの。受講コースや人数によって料金は異なるが、全ライブラリー対象・受講者数100名までの場合、年額55万800円(税込)。

富士通ラーニングメディア e講義動画のご案内

http://www.knowledgewing.com/kw/service/e_kougi/
 企業の社内研修などをアウトソーシングの形で受託する企業。現地への講師派遣を手がける一方、eラーニングにも対応。「e講義動画」では、プログラム技能教育、リーダー養成などに関連した動画を幅広くラインナップする。1万584円(税込)で8週間学習できる。

(森田 秀一)

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