2015夏アニメ「オーバーロード」1~3話感想。王道の面白さ。

2015年夏アニメ「オーバーロード」、これまたどこかでみたような設定だったので放送開始前は気にもとめていなかったのですが、ニコニコ動画で一話を観てみるとすごく面白かった。続けてGyaoの配信で二話みて放送に追いつき、昨夜テレビで三話と観たわけですが、現時点では今季夏アニメの中で屈指の面白さです。

西暦2138年というからおよそ百年後の未来、仮想現実体感型オンラインゲーム(Dive Massively Multiplayer Online Role Playing Game:通称DMMO-RPG)「ユグドラシル」がサービス終了するが、このときにログインしてゲーム終了の感慨にふけっていたプレイヤーのモモンガは、その終了予定時刻が過ぎてもログアウトしなかったことに驚く。さらに近くに侍っていたNPCたちがそれぞれ意思を持ち彼に話しかけてくるし、運営にも連絡出来ない・・・どうやらゲームの世界が実体化して異世界に転移したようだ、というあらすじ。

まず、主人公が禍々しい髑髏顔の魔法使いの大男であるというインパクト。ゲーム「ユグドラシル」の彼が率いていたギルド「アインズ・ウール・ゴウン」が異形キャラクター専門の集団で、あきらかに悪役・ラスボスキャラであることです。元NPCで意思を持った部下たちもみな、そのギルドの好みを反映してモンスター揃いと、悪の組織な見た目とギャグ&憎めないキャラクターのギャップが楽しめます。

展開も非常に手堅くてエンタメの王道を行っているので飽きない。一話では多くのゲーム好きが体験したであろうゲーム終了時の寂寥感でまず視聴者と主人公の目線をあわせることに成功し、そこから異世界転移、意思を持つNPC、状況説明と畳み掛けて驚かせ、ギャグとバトルで惹きつけつつ、主要な部下が彼に忠誠を誓うことで一つの主人公集団の立ち上げを行ってみせる。続く二話では一話で登場した部下「階層守護者」たちのキャラクターを一人ひとり丁寧に描きつつ、異世界に飛ばされた主人公の動揺と疑問、部下たちとの交流と、環境への適応で主人公のチーム全体に視野を広げ、三話ではさらにその外、騎士たちに襲われるとある村の救出を通して彼らが飛ばされた世界の基本的な設定が明かされつつ、なぜ普通の現実世界の青年であった主人公は異世界で人の死を目の当たりにしても動揺せずいられるのか、という謎が提示される。

主人公を中心に着実にキャラクターを掘り下げて魅力を感じさせつつ、作品世界を必要十分な範囲で徐々に拡大して広がりを持たせ、と物語の縦軸と横軸を緩急をつけつつ立体的に描いてみせるので、とても上手いしとても惹き込まれます。この作品ではさらっと鮮やかにやっていますが、多くの作品が失敗してきたのを見るにすごく難しいと思うんですよねこれ。

主人公のモモンガ様の素のあたふたと外見の威圧感とのギャップが最高にいいですね。口パク無しで台詞毎に演じ分ける中の人(日野聡さん)のご苦労が忍ばれますが、あの見た目なのにどんどん可愛くなるし、一方でめっちゃかっこよく見えてもきて、外見と性格付けとのバランスが絶妙なキャラクター造形です。三話ではどうみても正義の味方なキャラも出てきて、仲良くなるのか敵同士になるのか、早いうちから対比の構図も見えてきて良い展開ですねぇ。

アルベドのヤンデレっぷりも笑えるけど、守護者たちが忠誠心強すぎてモモンガ様の考えを深読みしすぎて感動しまくっているのは本当によく出来たコントで楽しい。さすがですお兄さ・・・じゃなく、さすがですモモンガ様、をちゃんとギャグに描いていて、モモンガ様が内心で動揺しつつ絶対の支配者として振る舞うのまでのお約束、すごくいいです。あと、ぶくぶく茶釜さんのこだわりがグッジョブすぎて滂沱の涙。執事役の千葉繁さん渋いし、戦闘シーンは迫力あって適度に残酷でがっつり絵が動いていて素晴らしいし、今のところ高い総合力を持った作品で良いですね良いですね。来週以降一番楽しみにしたい。

元は「小説家になろう」で連載されて人気を博した作品のようで、今でもウェブ版が読めるようです。まだ読んでいないですが、後日読もう。
オーバーロード:前編
オーバーロード:後編
アニメはエンターブレインから出ている書籍版を原作にしていますね。

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「オーバーロード」 | バンダイチャンネル

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